萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

花咲く胡蝶、森の春

2021-05-04 23:29:22 | 写真:山岳点景
大地の胡蝶、森の底ひそやかに咲く
山岳点景:海老根蘭エビネラン 2021.4


エビネランは落葉樹の森ひっそり咲く花、色も形もちょっと不思議な雰囲気です。
こんな瞬間に出会うと世界ってキレイだなーと楽しくなります。
【撮影地:神奈川県2021.4】

ほっと一息の夜、コンナ写真UPしてみました。笑
早く越境して山歩けるよーになりますよーに。
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睡蓮ゆれる、皐月の花画

2021-05-04 22:42:24 | 写真:花木点景
つらなる華、午後うかぶ色
花木点景:睡蓮スイレン2021.5


丹沢山麓の森では睡蓮スイレンが花盛りです。
こんな瞬間に出会うと世界ってキレイだなーと楽しくなります。
【撮影地:神奈川県2021.5】

ほっと一息の夜、コンナ写真UPしてみました。笑
早く越境して山歩けるよーになりますよーに。
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皐月三日、水芭蕉―immortality

2021-05-04 00:05:25 | 創作短篇:日花物語
天涯より、
5月3日誕生花ミズバショウ水芭蕉


皐月三日、水芭蕉―immortality

深い高い青、その道。
ことり敲く木道、ふわり頬が涼む。

「まだ冷たいな、」

肌ふれて冴える風、見わたす尾根に銀色のぞく。
高峰まだ雪の時間、そんな道たどる風かすかに渋く甘い。

『遠くから来たんだね、あったかいうちどうぞ?』

雪嶺の風なぞる声、記憶あわく匂いたつ。
あわい湿度ふくんで渋く甘い、この風に春が雪解ける。

「よっ、」

とんっ、木道の裂け目ひとつ跳ぶ。
星霜に朽ちたのだろう、そんな板底を清流きらめく。
この水たどれば辿りつける、あの春と同じ道は早緑まばゆい。

「きれいだな、」

声の唇あわく冷たく薫る、雪まだ風匂う。
あまい渋い風馳せてゆく、風ゆらす梢からから澄んで鳴る。
この音も香も変わらない、ずっと歩きたかった道を踏んで水が香った。

「あった…」

泉のほとり、星霜つもる小屋。
ダークブラウン深い木目なつかしい、屋根の色すこし褪せたろうか。
それでも窓のガラスあざやかに青映る、あの歳月また見つめて戸口くぐった。

「こんにちはー」

呼びかけた小屋の壁、青空の山嶺が窓光る。
まるで絵画みたいだ、あのころと同じ想いに声が返った。

「はーい、」

穏やかに澄んだ声まだ瑞々しい。
変わらない響きの真中さらり、バンダナに包んだ黒髪ゆれた。

「ちょっとお待ちください、すぐ行きまーす!」

ことことん、登山靴かろやかに響いてくる。
変わらない足音のままエプロン姿が微笑んだ。

「お待たせしました、ご予約されていますか?」
「はい、」

肯いたカウンター越し、赤いバンダナ零れる髪が光る。
やわらかな黒髪は変わらなくて、けれど光る三筋の銀色に微笑んだ。

「十年ぶりに予約しました、お元気でしたか?」

※加筆校正中

水芭蕉:ミズバショウ、花言葉「変わらぬ美しさ、美しい思い出」

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