萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:氷渓の蒼

2017-01-30 23:50:46 | 写真:山岳点景
凍れる青



山岳点景:氷渓の蒼

石清水の凍る谷、氷は蒼色。


積雪と氷結に静かな渓流、氷柱を映す水鏡。


興味深い写真 9 ブログトーナメント
撮影地:三十槌の氷柱@埼玉県秩父

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第85話 春鎮 act.15-another,side story「陽はまた昇る」

2017-01-30 22:35:29 | 陽はまた昇るanother,side story
門へ、
harushizume―周太24歳3下旬


第85話 春鎮 act.15-another,side story「陽はまた昇る」

人がざわめく、刻限が近い。

学生服にコート、そんな姿あちこち目立つ。
もうじき約束の人もくる、速くなる足どり友達が笑った。

「なんか周太、すごい緊張してるだろ?」

人波のキャンパス、図星まっすぐ笑ってくれる。
そんな速足コンバースに深呼吸ひとつ、ほっと笑った。

「そうみたい…自分の時より緊張してる、賢弥も?」

自分事なら、もう少し気楽だ。
こんな本音に眼鏡の瞳からり笑った。

「うん、俺も緊張してきた。小嶌さんなら大丈夫だって思うんだけどさ?」

きっと大丈夫だよ?
そう笑ってくれる隣に息ひとつ微笑んだ。

「そうだよね…だいじょうぶ、」
「そうだよ、青木先生も小嶌さんについては心配なこと何も言わなかったしさ、」

明朗な声がうなずいてくれる。
その言葉に思案まためぐりだす。

『私は湯原君にここの大学院へ来てほしいと思っています、先ほどの事情も忘れたほうがいいなら忘れますよ?』

青木准教授、あなたの言葉ほんとうに?

―先生は知っても仰ったんだ、でも…本当に解っているかは、

篤実な人だと知っている、でも「解って」は難しい。
それほど普通は関わりない世界で、何よりも願ってしまうのは、

―先生には関わってほしくないんだ…純粋に学問だけ考えててほしいもの、ね、

学問の喜びを教えてくれた人、だから関わってほしくない。
だから甘えて良いのか迷っている、けれど呼ばれた。

「なあ周太っ、なんか田嶋先生カッコよかったな!」

ぽんっ、

敲かれた肩に闊達が笑う。
キャンパス人波を遡る隣、その眼ざしに微笑んだ。

「ん、…うれしかった僕、」

うなずいて温かい、鼓動ふかく響く。
今めぐらせる想い沁みて、そんな笑顔は言ってくれた。

「俺もうれしかった!もういいじゃないか、って嬉しいよな?」

明朗な瞳ほころぶ、まっすぐ見つめて笑ってくれる。
見つめながら止まらない歩みは朗々、続けてくれた。

「もういいじゃないか、無鉄砲にこい若造ってさ?なんだろあれ、シビレるってヤツかっ?」

喧騒かきわけ闊達が透る、チタンフレームの瞳が笑う。
人波にも離れない笑顔はふっと眼ざし細めた。

「もういいじゃないかって周太、想えそうか?」

訊いてくれる、全て気づいても。
この瞳ちゃんと向き合いたくて門の前、立ち止まった。

「想いたいよ、賢弥?僕は…ここにいたいんだ、」

呼びかけて見つめて、眼鏡の瞳が見つめてくれる。
明朗まっすぐ自分を映す、その想い問いかけた。

「僕、田嶋先生と青木先生に教わりたいんだ、もっと…ご迷惑かけても、迷惑の価値があったと思ってもらえるくらい、勉強したい、」

学びたい、自分は。

ただそれだけの願い、でも、現実は甘くない。
それくらい自分は危険な場所にいた、その危険いつ果てるのかも解らない。

「賢弥、僕はほんとうに迷惑をかけるかもしれない、だって…父はそれで亡くなったんだ…」

声になる、その過去がキャンパスうつろう。
この場所を父も選びたかった、そんな過去と今に微笑んだ。

「さっき研究室で言ったでしょ?父も…警察を辞めて大学に戻るって決めて、それで…今の僕と似てるんだ、」

低めた声、それでも眼鏡の瞳が見つめてくれる。
人波ながれる門の前、まっすぐな眼ざしは訊いてくれた。

「さっきのって…学者として生きて、そのために亡くなったってやつ?」
「ん…そうだよ、」

うなずいて木洩陽ゆれる。
風すこし出てきた、でも陽だまりは温かい。

「それでも賢弥…僕はほんとうに、無鉄砲になってもいい?」

陽ざし問いかける、梢の明滅うつろい揺らぐ。
こんな問いかけ酷だろう、それでも聡い瞳は笑ってくれた。

「五十年後も一緒に笑ってるよ俺、それでも選ぶ価値があったなあってさ?」

門かたわら陽だまり、浅黒い笑顔すこやかに明るい。
この笑顔と年月ずっと学べる?ただ願い口開いた。

「五十年って半世紀だね…僕たち七十過ぎてる、」
「おたがい爺さんだよな、国公立大の教授なら引退してんぞ?」

朗らかな笑顔うなずいてくれる。
屈託ない闊達の眼ざしに溜息ひとつ、ほっと笑った。

「ん…賢弥も退官してるね?」
「だなあ、二人で研究所やってるかもしんない?」

朗らかに応えてくれる、その言葉どこまでも明るい。
ほんとうに叶えばいい、想いにダッフルコートのポケット震えた。

「お?周太のスマホ鳴ってんぞ、」

振動に震える、期待が。

「…うん、」

誰からだろう、メール、電話?
待ちわびる相手だろうか、それとも別人?

―昨日の返信、かな…まだ着ていないもの、

昨日あのベンチから送った、その返信だろうか?
それとも今日の待ち人かもしれない、誰か他?
期待、不安、ためらいに振動三回、止んだ。

「…メールみたい、」
「小嶌さんかな、」

訊いてくれる視線は温もり明るい。
開いてみなよ?そんな促しに受信ボックス開いた。

「…あれ?」

差出人名に止まる、だって意外だ。
予想外の便りに訊かれた。

「あー…ごめん周太、俺、見えちゃったんだけど?」

声にふりむいて眼鏡の目と合う。
チタンフレームごし困ったような、けれど明朗にやり笑った。

「見たから訊くけど、カノジョ候補?」

なんでそうなるの?

「え…そんなんじゃないよこれ、」

否定して首をふる、本当にそんなんじゃない。
こんな誤解とまどうまま闊達な声が笑いだす。

「そんなんだろコレ?小嶌さんには内緒にしとくから、」

わかってるよ?
そんな視線が笑って肩を敲く。
こんなこと誤解だ、困るまま首を振った。

「ほんとにちがうよ賢弥、美代さんにないしょって、なんでそんな言うの?」
「だって小嶌さんが知ったら嫉妬するだろ、」

かろやかに答えてくれる、その言葉に息のんだ。

「…しっとって、なんで?」

なんで賢弥、君までそんなこと言うの?
驚いて見つめる真中、明るい眼は笑った。

「嫉妬するだろ、あんなに好きなんだからさ?周太も解ってんだろ、」

あたりまえ、

そんな眼ざし見つめてくれる。
その言葉に視線に、ほら、大叔母の声が聞こえだす。

『背中を追いかけたいけど我慢して、笑って手を振っても涙がでて気づいたそうよ?』

ほんとうにそんなふうに、美代が想ってくれるのだろうか?

「…賢弥、どうしてそう想うの?」

この友人も大叔母と同じことを言う、その見解を聴いてみたい。
立ち止まる門の前で率直な眼は答えた。

「泣いたんだぞ?あの小嶌さんが研究室で、」

深い明快な声に刺される、その言葉に。

「…どうして、」
「どうしてって、周太が来なかったからだろ?後期試験の日だよ、」

答えてくれる声は温かい。
その温かな瞳が笑ってくれた。

「周太のお祖母さんと研究室に来て、青木先生の前で泣きだしちゃったんだよ。先生とお祖母さんが話す間、俺が慰めてたんだからな?」

そんなことが、自分の眠っている間に?
どう考えたらいいのだろう、鼓動ただ大きくなる背ぽんと敲かれた。

「そんなわけだから周太、俺やっぱ遠巻きに見てるな?」

え、なに言ってるの?

「…なんで?賢弥も合格発表つきあうって約束したんでしょ?」

約束したと聞いている、それなのに何で?
わからなくて見つめた真中、額こつり突かれた。

「おーい、ニブすぎ周太、」

こつん、一発また額つつかれる。
真中ちいさな痛みに友達が笑った。

「結果どっちでも研究室に戻って来いよ、よろしくな周太、」

さわやかな笑顔ぱっと踵かえす。
ブルゾンの背すぐ人波に消えて、呼吸ひとつ呼ばれた。

「湯原くんっ、遅れてごめんなさい!」

あ、鼓動ひっくりかえる。

「っ…、」

息をのむ、だって今さっき噂していた。
それに今さっきのメールもだ、つまる鼓動に深呼吸ふりむいた。

「だいじょうぶ、僕も今来たから…行こう美代さん?」

少しだけ嘘だ、今来たなんて。
ちいさな嘘の真ん中、ベージュのコート姿は頬やわらかな紅。

(to be continued)


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山岳点景:既視感

2017-01-30 00:20:36 | 写真:山岳点景
いつかの時間。



山岳点景:既視感

初めての場所、でも、なつかしい。
雪原、雨氷、時間ごと風が水が凍らせ止まる。



氷と雪の世界に惹かれて、既視感また重ねる冬。


撮影地:戦場ヶ原@栃木県日光市、三頭山@東京都、秩父山塊@埼玉県

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山岳点景:氷柱の谷

2017-01-28 22:42:00 | 写真:山岳点景
氷、奔る



山岳点景:氷柱の谷

石清水が凍る、厳冬の谷。



秩父山塊は滝が多く、清水の滲みる崖も。
そんな渓谷の崖は毎年、氷柱に覆われます。



ここは天然氷柱と、沢水を汲みあげた人口氷柱もあります。
実際に見比べてみると形も色も違うんですけど。



静謐の水鏡、映る氷。


撮影地:三十槌の氷柱@埼玉県秩父市

三十槌の氷柱はワインディングロード沿いにあります、運転も要注意ポイントです。
足元も河原は積雪の凍結で滑りやすくなっています、登山靴や雪靴などがおススメです。

第28回 ☆私の趣味はコレです!☆ブログトーナメント

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secret talk26 銀嶺の春を―dead of night

2017-01-27 23:56:33 | dead of night 陽はまた昇る
You which beyond that heaven which was most high 最上の楽園
英二@第85話+XX日



secret talk26 銀嶺の春を―dead of night

ひるがえす冷気、頬なぶって切らす。
風ぶつかる、激突あおられピッケルしなる。

「…っ!」

アイゼン体重こめる、氷壁みしりブレード疼く。
軋む銀嶺うならす豪風、ザイルなびいてカラビナが鳴る。

―呼吸もできない、風が、

真空、それくらい空気が重い。
重たく激しい風の塊、その波動ひきずられた先は死。

「ぅおおおっ、」

食いしばる叫ぶ、全身はじける筋肉、唸る風に耐えて軋む。
こんなところで斃れない、斃れられない、ただ望み渾身に耐えた。

そして、風が止む。

「…よし、」

うなずいて腕のばす、最後のステップ駆けあがる。
白銀ちりばめるアイゼンの爪先、氷の煙きらめく頂に着いた。

「は…、」

息を吐く、真っ白あおられ吹きちぎる。
ゲイター口元ひきあげ唇とけて、体温の呼吸に笑った。

「ははっ…」

唇ほころぶ、息に温まる。
自分の熱だけが温かい、その冷厳に無線つないだ。

「宮田です、着きました、」

つないだ声に雑音かすめる。
無線のなかも風が吹く、ぶつかる空気に声が応えた。

「無事登頂だね、エロ別嬪パートナー?」

澄んだテノールが笑ってくれる。
そんな相手に微笑んだ。

「光一か、その呼び方なつかしいな?」
「だね、俺もヒサシブリ懐かしいよ、」

笑ってくれるトーン明るい。
その笑顔がどこにいるのか?可笑しくて笑った。

「そこに座るのも懐かしいだろ?なんで光一そこにいるんだよ、退職者がいいのか?」

もう部外者、それなのに無線に応える。
こんな自由人あいかわらずで、つい笑った先もにやり笑った。

「後藤のオジサンが呼んでくれたね、ザイルパートナーのお初だからってさ?雪山単独のゴキゲンいかがだね?」

あたりまえだろ?
そんな声が笑ってくる、その明るさに天を仰いだ。

「空が深いな、」

青はるかな深み、惹きこまれる。
ナイフリッジの風は凍てつく、頬が凍る、それでも呼吸は温かい。
登山靴の底アイゼンに氷雪きしむ、それなのに全身を熱がめぐる。

凍れる熱、その光に英二は笑った。

「それから、太陽が綺麗だ。あったかくて眩しいよ、」

笑って声にする、この言葉ほんとは今聴いてほしい。
この瞬間ほんとうは君にと願う、赦されるのなら今。

「ふうん?なんか憧れそのものってカンジだね、誰かサン想定?」

ザイルパートナーが笑う。
無線ごし図星まっすぐで、率直な声に微笑んだ。

「ああ、唯ひとりだ、」

唯ひとり、唯一つの想い。

そんな君とここは似ている、この深い青。
はるか高く登ってたどりつく、昇らす氷に雲に君を見る。
そんな君に今すぐ聴いてほしい、でも不可能で、それでも届くだろうか?


【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】



英二の夢に↓
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前夜雑談:やっとの休日に

2017-01-27 22:21:08 | 雑談
ここんとこ忙しく朝早く過ごしてたから、
ひさしぶり自由日な昨日今日、ノンビリできるなーとついダラケて、笑

朝寝坊しまったなーゴミ間に合うかなあ?

なんてカンジにも無事・ゴミ集積に間に合い、
それでも寝足りず眠たい+ゴハン作る気もあまりなく、
だったら昼ゴハンは買ってこよう+眠気覚ましがてらパン屋へ行くことにし、

っていう散歩途中にある公園、水仙がきれいだった。



冬春の花で園芸種なら水仙が好きです、笑
そんなわけでコレ↑撮って、好きなパン屋に行って帰ってきて、
そこのサンドイッチ×残ってたカラフルトマト+まとめて作り置きしてたミネストローネで、

あ、たまには料理写真も撮るか、

なんて思いついて、
そんなわけで↓コンナコトして、笑



そのうち小説の挿絵写真にでも使おう、
と何枚か撮っているうちにスープやっぱりヤヤ冷めて、笑
それでもノンビリ食べられるゴハンはイイもんで、その勢いでメズラシク買ったカレーパンまで食べて、
そのカレーパンが予想外に美味しかった。

牛肉ごろごろイイカンジ+カリふわっとろーり、

あれ?ここのカレーパンってこんなにおいしかったっけ??
なんて疑問をもつくらいカナリ良いカレーパン(自分嗜好比)

新たな好きなモンと出逢う、っていうのは得した気分です、笑

そんな得した気分のまま小説の加筆したりなんだり午後すごし、
眠たいから昼寝でもしようかなーなんて思っているうち夕方、
夕飯に誘われて、ちょっとドライブして今、コンナ徒然書き、

なんていうノンビリしたアレコレな傍ら、
まったり眠たい隣、ソファでは悪戯坊主もノンビリまったり、眠り猫。



明日はひさしぶりに山方面、
っていう前夜なので早く寝たいけど、小説の続きも書きたい・っていうリアル今、笑

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写真訳詩:視界×Wordsworth

2017-01-26 15:53:25 | 文学閑話翻訳詩
不変と可変、



写真訳詩:視界×Wordsworth

There was a time when meadow, grove, and stream,
The earth, and every common sight,
To me did seem
Apparelled in celestial light,
The glory and the freshness of a dream.
It is not now as it hath been of a yore;―
Turn wheresoe‘er I may,
By night or day,
The things which I have seen I now can see no more.

かつて草原も、林も、小川も、
大地も、映る視界すべてに、
僕には見えていた、
天上の光くるまれて、
栄光と夢あざやかで。
でも今は昔と違う、
どこふりむいても僕は、
夜でも昼でも、
かつて見えたものが今は見えない。

【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」抜粋&自訳】


撮影地:川霧@神奈川県中津川流域、戦場ヶ原@栃木県日光市

ひさしぶりに翻訳してみました、眠気まぎらしにでも、笑
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建築点景:神域の技巧

2017-01-25 23:54:35 | 写真:建築点景
杜の賢者



建築点景:神域の技巧

社殿の極彩色、刻まれた森の賢者フクロウ。
星霜はるか幾世紀、そびえる古社は厳かな時間。


撮影地:秩父神社@埼玉県

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山岳点景:白鳥、January-366日×three years

2017-01-24 23:58:38 | 写真:山岳点景
冬の水鏡



山岳点景:白鳥、January-366日×three years

3年前の明日、標高千メートルの湖畔にて。



白鳥の水瀬も凍る、富士山麓の冬。


撮影地:山中湖@山梨県2014.1.25

今週末は山に行きたいとこです、トリアエズは眠いけど、笑

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未来点景 soliloquy 冬夜待人―another,side story

2017-01-23 23:10:37 | soliloquy 陽はまた昇る
待ちぼうけ、それでも。
周太某日@第85話+X日後


未来点景 soliloquy 冬夜待人―another,side story

数えているうち眠りこむ、君がいない夜。

「…ん、」

浮かびあがる、ゆるやかに明るむ。
うずもれる温もり頬ふれる、やさしい緑深い艶、ふるいけど懐かしい天鵞絨の波。
クッション波うつオレンジの光、かすかな甘い深い香、そのむこう暖炉の彫刻が光る。

「ねちゃった…ね、」

ひとりごと瞬いて、クッションそっと抱く。
緑やわらかに波うねる、しずかな光沢そっと温かい。
いつのまに眠ったのだろう?寝ころんだソファに時計が鳴った。

振り子、11回。

「遅い、ね、」

音の時刻つぶやく、めぐらす瞳に文字盤が遠い。
そっと瞳細めて、あと1時間の今日に扉が寂しい。

「…、」

腕を伸ばす、つかんだスマートフォンの画面なぞる。
でも着信なにもない、ただ見つめる風景写真に送り主を想う。

―どうしたのかな、こんな時間まで…なにも連絡ないなんて、

連絡がない、でも、珍しくない。
こんなこと日常のひとつ、それでも待ちわびる癖が治らない。

―だって…笑顔でいつも言うんだもの?

心つぶやく、君のこと。
だって今朝もそうだった、君は笑顔で言って出たんだ。

『早く帰りたいよ、今日こそはさ?』

今日こそは、

そんなこと言うから「今日こそは」と待ってしまう。
そうして数えてしまう古い木彫は、今夜も暖炉なつかしく縁どる。

―…いくつあるか周太は知ってるかい?

ほら記憶の声が訊く、待ち人とは違う声。
でも似ている、どこか似ているから今夜も幼くなる。

―…この暖炉の彫刻、意味がある数を彫ってあるんだ…いくつあるか知ってるかい?

やさしい優しい穏やかな声、幼い自分が見あげる声。
やわらかな緑のクッション抱きしめて、隣、優しい切長い瞳が微笑む。

―…数えてごらん周太、僕も自分で数えたんだ…僕のお父さんに言われて、ね?

だから数えてしまう、座るたび。
もう薪くべることない暖炉、ただ置かれたストーブが温もり醸す。
けれど数えることは昔のままで、そうして今夜も数えて眠りこんで、そんなひと時は逃避かもしれない。

だって泣きだす、待ちわびた記憶が。

「もう…早く帰ってこないから、」

唇がとがる、文句つい口ずさむ。
それでも解っている、あのひとだって帰りたい、だから、

「…ん?」

音、いま音がした?

音ひとつ遮って文句が止まる、何の音だろう?
音、あ、家の中どこかで、

「え…」

水音、そうだ水の音。
なにか水から出るような?そんな音に見つめる扉、ほら、また。

「…、」

ひそめた息に音が響く、木が軋む、扉の音?
扉が開いて閉まる、それから軋む床音に静かな足音。

「え?」

なぜ、?ほら、疑問にドアノブ光る、回る。

「お、周太おはよ?」

低い声きれいに響く、かたん、扉が閉じる音。
まだソファ寝ころんだ横倒しの視界、タオル被った長身ふりむいた。

「ただいま周太、起こしちゃってごめんな?寝顔すごく可愛かったよ、」

タオルの翳から瞳が笑う、切長い瞳が笑ってくれる。
濃やかな睫きれいで、けれど唇つい尖んがった。

「おかえり…かわいいいわれてうれしいとしじゃありません、僕も男ですから、」

ああもう、どうしていつも僕はこう?

「男とか関係ないだろ?可愛いよ周太は、」

ほら切長い瞳おだやかに笑う、どうして君はいつもこうなの?
こんなだから数えて待ってしまう、こんな日常いつもにクッション抱えこむ。

「かんけいあります、あのね英二?いい歳した男がかわいいって変でしょ、恥ずかしいでしょ?」

常識の盾かまえる、だって惹きこまれてしまう。
どうしても君のペース防ぎたい、けれど、ほら君は、

「恥ずかしくないよ周太、本当のこと言うって恥ずかしいことじゃないだろ?」

ほら、またそんなこと言うんだ?

こんな君だから今日がある、この家で君を待つ羽目になった。
こんな夜いくど座りこんだろう?なんだか悔しくて、けれど大好きな声が言った。

「周太、こんな時間だけどコーヒーつきあってくれる?淹れたい気分なんだ、」

コーヒー、ほんと「こんな時間だけど」だ?
こんな深夜の提案に呆れ半分、心配のまま唇とがらせた。

「こんな時間にダメです、しっかり眠って明日に備えてください、救助隊員が寝不足なんていけません、」

睡眠、その不足が命とりになる。

そんな任務に生きる素足が床を踏む、伸びやかなスウェット脚が長い。
タオルひるがえす白皙は端正で、まぶしくなる。

「…そんなえがおしたってだめです、」

そっぽむく、だって惹きこまれる。
こんなふう巻きこまれたら負け、負けたくなくてクッション抱きしめる。
けれど湯の香ふっと頬ふれて、とん、ソファやわらかに弾んだ。

「ダメじゃないよ周太、明日は休みだから、」

ほらまたそんなこと言って、って、あ?

「…やすみ?」

問いかけ振りむいて、タオルの翳に瞳逢う。
見つめられる湯の香に君が匂う、ほろ苦い深い、でも甘くとける。

「そうだよ周太、今夜はのんびりできるよ?周太も明日は休みだろ、」

濃やかな睫が笑う、切長い瞳まっすぐ弾む。
楽しくて仕方ない、そんな笑顔の香なつかしくて、ほどかれる。

「たまには夜更かしいいだろ?周太が好きそうなワイン買ってきたんだ、甘いやつ。」

きれいな瞳が笑いかける、この笑顔ずっと好きだった。
だから思ってしまう、夜更かしもきっと楽しい。

「だから周太、今夜は俺につきあってよ?周太とのんびりしたいんだ、」

きれいな低い声が近づく、タオルの翳から視線が捕える。
きれいな瞳が惹きこんで、見惚れて、ダークブラウンの髪タオルこぼれる。

「ね、周太?今夜はつきあってよ…朝まで、」

ダークブラウンの艶こぼれる、濡れた髪を瞳が透かす。
タオルこぼれる腕なめらかな隆起、肩、また逞しくなった白皙まぶしい。
こんなふう何度もう惹きこまれたろう?見惚れて、ぱさり、タオル落ちて叫んだ。

「っ、だめですふくきてばかえいじっ、」

ああもう君はいつもこう。

(to be continue)



周太と英二の休日番外・冬編、笑
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