萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談夜話@月曜日その前に

2016-02-29 01:27:28 | 雑談
誘惑の一匙×視線の行方



雑談夜話@月曜日その前に

悪戯坊主がじっと見つめてきます、
いつもどおり冷蔵庫の上に寝そべって、だけど瞳じっと注目中。
その視線の先について由来を書こうかなって思うんですけど、まず結論から言えば、

“悪戯坊主は見つめて、飛び降りて、でもスルーして趣味タイム”

で、見つめる正体はナニかっていうと↓コレです。



日曜日だけど忙しかった今日、

あ~甘いモン食べたいなあ、お、いいもんあった。

ってことで買ってきたんだけれど、つい忘れていて、
今さっき思いだしたからスプーン出して、で、一匙→かなり美味しかったです、笑

LA MAREE DE CHAYA 

神奈川県葉山町に日蔭茶屋っていう料理屋があって、
そこのパティスリーがLA MAREE DE CHAYAなんですけど、出先にテナントで入っていたので買ってきました。
日蔭茶屋は和食とフランス料理があります、そのレストランを連載中の小説でも舞台に遣わせてもらったことアリです、笑

このあいだテレビで、
「俺は安いプリンがいいんですよ…ロマン感じるっていうか、」
と言ってるヒトいたんですけど、ゴメン自分はその意見に肯けませんってアラタメテ、笑

で、悪戯坊主の趣味タイムがナニか?っていうと↓コンナ感じです。



いわゆる猫のもみもみ中、笑

ちなみに、悪戯坊主がもみもみしているのは元ニットパーカーです。
ざっくり編みが温かくて良かったんですけど、気づいたら悪戯坊主のお気に入りになってしまい、
そして今もうボロボロなんですけど、あまりの気に入りぶりに棄てられず・・それでも隙見て洗ってやっています、笑

ほらコンナ貌↓あくびなんだか得意気なんだか、笑



なんて写真&だらだら書いてたら深夜に・・寝ます。

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山岳ブンガク:森の本―Forest Story

2016-02-28 23:54:05 | 解説:用語知識
There’s more of wisdom in it



山岳ブンガク:森の本―Forest Story

山や森をちょっと覗いてみたくなったら、

『森の本』ネイチャー・プロ編集室/角川書店

山森の写真×解説文の本です、が、ただの写真集とアナドルナカレ、笑
山歩きで知っていると楽しいコト+基礎知識などなど解かりやすく書かれています。

1.水のあるところ
2.動物たち
3.静もる森
4.うつろい

こんな4章に分れているんですけど、
山林と水の関係性から動物の生活、森の四季に樹木のアレコレ、
いつもナントナク見ていたことが、精巧なメカニズムに織りなされる世界だなって楽しめるかなと。



ナンテ書くと難しいのかな?って思われそうですけど、きれいな写真で絵本感覚に親しめます。
添えられている文章も美しい日本語でつづられて、詩から解説文までノンビリと読めて好みです、笑
帯に「小さな生命の壮大な物語」と書かれていますが、誇大広告ではないなーと思わせてくれる本です。

小学生には漢字が多めかもしれませんが、動物写真がカナリかわいいのでウケると思います。
ヤマネ、シマリス、野ウサギ、オコジョ、カモシカ、フクロウ、
森のアイドルせいぞろいで、大人でも萌えます、笑

自然と人間の共生なんていうと仰々しいけれど、自然に敬意を払うっていうコトが根っこから理解できる本です。



ソンナワケで夏休みの自由研究ネタ探しに好い本だろなって思います。
親子で読んで一緒に楽しんで、話しあって一緒に学んでいくことは共に伸びれるかなと。
ってカンジに、大人も子供も楽しめる本っていうのはコミュニケーション・ツールでもあります。

写真を見て、わーきれいだなって想えたら解説も読みたくなる。
見て読んで、その場所に立ちたくなったら登山の知識×装備×技術きちんと、で一歩へ。

そうやって本→リアル現実に踏みだすと、本より美しい世界を歩けます。



The sun, above the mountain’s head,
A freshening lustre mellow L28
Through all the long green fields has spread,
His first sweet evening yellow.

Books! ‘it’s a dull and endless strife:
Come, hear the woodland linnet,
How sweet his music! on my life,
There’s more of wisdom in it.

太陽、山の頂点めぐらせて、
澄明やわらかな光は
はるか緑の大地あふれて、
黄昏あまやかに輝き初める。

本か、「それ」は鈍らす果てない論争だ、
おいで、森の紅雀を聴いてごらん、
森の音はこんなに香り高い。僕の全て懸けていい、
そこに本を超えた叡智あふれている。

【引用詩文:William Wordsworth「The tables Turned」抜粋&自訳】


撮影地:カタクリ・森@神奈川県、ヤマネ@山梨県、ふきのとう@群馬県

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雑談夜話@雪山その後

2016-02-28 01:51:18 | 雑談
帰宅の貌は



雑談夜話@雪山その後

寒い冬、なのにモット寒いトコ登って帰ってきた玄関先、

「ふんふん、」

と、白い顔が見あげてくれる。
玄関扉を開いて即もうここにいる、ってことは開ける前から居たってことだ。

どーやって帰ってくるの解かるんだろう?

なんて疑問の答は一般論だと「聴覚」らしい。
足音を聴きつけて判別する、その能力が人間よりずっと優れているから・らしいけど、
またはいわゆるインスピレーションが強くて、大好きな相手が帰ってくると解かるなんていう説もある。

「ただいま悪戯坊主、イイコだったか?」

なんて話しかけると見あげてキスしてくれる。
そのまま抱っこして肩に乗っけたまま靴を脱いで、なんていうオキマリいつも通りが温かい。

で、登山ザック片づけて悪戯坊主にゴハンあげて、
風呂すませて野菜ジュースなんか飲みながら写真の整理して、トリアエズまとめてUPして、
なんてことしていたら何時の間にかコンナ時間、歩いて疲れて眠いはずなのに意識が冴えている。

とはいえ明日は忙しいから寝ます、悪戯坊主もあくびしているので、笑



なんて〆だった今日の雪山は一枚め&こんな↓カンジです。



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山岳点景:氷瀑の春act.2

2016-02-27 23:32:00 | 写真:山岳点景
蒼×モノトーンに


山岳点景:氷瀑の春act.2

三頭大滝に行ってきました、
東京都檜原村、秩父奥多摩山塊にある三頭山の滝です。


今冬2度め、二週間前に登ったときより積雪量は減っていました。
滝の氷もだいぶ崩れて、けれど気温は今日のほうが冷えこんだ印象です。

で、雪が少なくなったので滝の上流ちょっと登ってきました、笑


陽のあたる斜面は↑明るくて気温も上がります、
とはいえ沢は流れる水の気化熱で冷えるわけで↓こんなかんじ、氷柱だらけです。


こんなでも二月の三頭山としては雪カナリ少ないです、
で、北斜面の谷間へ入ると蒼い影に覆われます。


撮った時刻は13時、下がりはじめる気温に空気も凍えます。



冬の山は午後になると気温低下がアタリマエ、足もとの雪も締りはじめます。
さらさらパウダースノーも滑りやすい、登りはまだしも下りはアイゼン無しだと危険なカンジです。


沢も積雪は減りました、
とはいえ少ない水量=凍結量、寒さがわかります。


寒かったので湯を沸かしコーヒー飲んで、
下山途中、鳥がよく来るポイントで口笛を吹いたら来てくれました、笑


金茶色かわいいヤマガラは、なんとなーくカメラ意識している気がします、笑
一方↓コガラはマイペース、撮るなら撮ればってカンジです。


先々週は逢えなかった小鳥も来てくれました、カヤクグリという名前です。
スズメと似ていますが、スズメは頬が白だけどカヤクグリは茶色なのですぐ見分けられます。


小鳥を撮って、いつもの天ざるそば食べにビジターセンターへ着いたら↓こんなでした。


例年より少ない積雪とはいえまだ雪山、
それでも木々の梢は芽吹きに陽を弾きます。


第163回 過去記事で参加ブログトーナメント
撮影地:三頭山@東京都檜原村

三頭山は三頭大滝までならトレッキングシューズで行けます、が、その上は登山道になり装備ナシは危険です。
ビジターセンターでも登山靴の貸出しを呼びかけています。

1.急に登りたくなった方。
2.登山靴が壊れてしまった方。
3.熊鈴も貸しだします。

なんて貼紙もされているんですけど、今日もナントナク登山道に入っちゃったんだろなって人を見ました。
滑りそうになりながら緊張の貌で下っていましたけど、ホント危ないのでヤメテくださいね?

フツーの靴×フツーの服では防寒対策でまずアウト、
爪先から冷えて歩き難くなる+低体温で行動不能になって当り前です。
山は標高三千メートル未満は1,000メートルごと6度、三千を超えると10度くらい気温が下がります。
この三頭山は滝の地点で1,093メートル、都心部より6度低いってことですが体感温度はもうちょい寒いです。

ソンナワケで三頭山がある奥多摩は凍死もあります。
ほとんどの凍死体は装備不足+道迷いが原因、ようするに準備不足です。

自分は大丈夫、なんて慢心したら遭難可能性がUPします、笑

奥多摩は都心からのアクセスも楽です、
この三頭山も駐車場からすぐ登山道なので気楽に入ってしまえます、が、遭難事故が絶えません。

2015年は道迷い2件5名、滑落事故1名で重傷。
道迷いの捜索日数はそれぞれ2日と3日、それくらい迷い込んでしまうのが山です。
もし迷ったら元来た道を必ず引き返すこと、無理に進めば悪路→崖や滝に転落死なんて結末よくあります。
そうした危険性がないルートが登山道にされています、逆に言えば登山道ではないところは転滑落しやすい場所だってことです。

また雪山の場合、下手に踏みこむと植物の芽を踏み潰して植生を荒らすことになります。
定められたルートを歩くことは自身の安全+山の環境保全でもあると知ってくださいね、笑

東京の山もいいです、笑
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山岳点景:異国の銀嶺

2016-02-25 23:56:00 | 写真:山岳点景
Kongeriket Norge



山岳点景:異国の銀嶺

北緯はるかな空、ノルウェーです。



どれも6月の写真です、いちばん上はナンタラいう山岳地帯。
2枚めは宿の庭から撮ったものです、フィヨルドの畔にある閑静なホテルでした。
この時季は白夜に近づくときで日没は23時くらい、こんな↓カンジになります、泊っていた部屋から撮りました。



アーベンロート、夕陽で雪山が赤くそまる現象です。
ノルウェーは山とフィヨルドの国で水資源が豊富、水道水がフツーに飲めます。



この滝↑なんだか有名らしいんですけど、名前を忘れました、笑



ノルウェーの6月は初夏、風がさわやかで日中はシャツ一枚×朝晩はやや寒かったです。
街は薄紫のライラックが満開で、川や牧草地帯は黄色い花をよく見ました。



滞在中ずっと晴天、フィヨルドのクルージングも青空で水鏡がきれいでした。
雪山と水面から吹く風は冷たくて、マフラーなど防寒が必要なくらいです。



船にいるとカモメが群れます、笑



そして山上は雪と氷の世界、水上×平地×山それぞれ体感温度が違います。



海外まで行っても山か植物ばっかりかよ?なんて意見もあるかもしれないので外国っぽいヤツも、笑



オスロのヴィーゲラン彫刻公園、彫刻家ヴィーゲランの作品が見られるトコなんですけど。
有名かつ人気なのは「おこりんぼう」↓ダダコネまくる子供が待っています。



緯度の高い空は青くて山×水のコントラスト綺麗でした。
建造物もアレコレ撮ったんですけど、また機会あったらまとめます、笑


撮影地:ノルウェー

ノルウェーは食べ物がおいしかったです、特にサーモンがすごい分厚いデカい美味しい、笑
ニシンの塩辛みたいなヤツも好みでした、朝食にパンとチーズとハムが十数種類も並んでいたことも印象的です。
肉料理ではトナカイのロースト×リンゴンベリーソース、イギリス人のおっさんはブラウンソースじゃないとダメだと主張していました、笑
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第84話 整音 act.3-side story「陽はまた昇る」

2016-02-25 22:25:43 | 陽はまた昇るside story
And thou like Adamant draw mine iron heart
英二24歳3月



第84話 整音 act.3-side story「陽はまた昇る」

視界が緋色に変わる。

「…今なんて言った?」

這うような暗い声、これが自分の声だろうか?
わからない、けれど唇が動いて声が這いずる。

「…どこの病院の駐車場で、誰が誰に撃たれたと言った?」

低い暗い声が詰問する、その唇ちかく影の耳ふれる。
ふれる香かすかに懐かしい、その記憶ごと制服の影を羽交い絞める。

「言え…どこの病院の駐車場で、誰が、誰に、撃たれた?」

問いかけごと腕みしり軋む、筋肉が隆起する。
警察病院の屋上に風は凍えて、それなのに脳髄から熱い。

「いえよ…伊達?」

ぎしり、体内また軋み響く。

ミリタリーコートひるがえって風が凍る、なぶる風に朝陽が昇る。
あざやかな緋色に墨色ゆれて流れて、かすかな呼吸音に言われた。

「…うでをゆるめろ、話せない、」

低い声そっと制帽の横顔かすめる。
朝陽かすかに照らす翳は視線こちら見て、低い声が笑った。

「は…なるほど?」

低く笑って覗きこむ、その黒い瞳まっすぐ澱まない。
精悍な眼ざし見つめて視界が穿たれて、瞬間、制帽ごと影が消えた。

「っ、」

反転、ひるがえすミリタリーコート視線を奔らす。
昇る緋色コンクリート弾く、あふれゆく朝焼に低い声は徹った。

「評判通りの馬鹿力だな、鷲田英二、」

声ふりかえった真中、制服姿が向かい合う。
いま捕まえて、けれど脱け出した男は口開いた。

「おまえが岩田を説得するのは難しい、だから湯原は撃たれた、」

あのひとが撃たれた、本当に?

「…っ、」

コンクリート蹴って腕を伸ばす、けれど掴めない。
風だけ掴んだ屋上の隅、制服姿は低く笑った。

「取り乱すな、湯原にがっかりされるぞ?」

低く沈毅な落ちついた声、でもさっきと違う?
かすかな変化に瞳を細めた先、制服の右手はホルスターの蓋を閉じた。

「おまえも収容された長野の病院だ、あの病院の駐車場で湯原は岩田に狙撃された。質問はそれだけか?」

淡々、冷静な声が話して問いかける。
その顔ゆるやかに朱色が照らす、明けだす風に唇が動いた。

「…周太はどこだ?」

ただ知りたい、願い見つめる真中で制帽の貌すこし笑った。

「岩田がどうなったか、興味ないのか?」
「周太はどこだ?」

訊き返して、ぎしり腕の深く軋む。
腕も指先も肌ふかい底ひしめく、異様な感覚にまた訊かれた。

「湯原の居場所を知ってどうする?」

生か死か?

それすら聴いていない、まだ何も解らない。
それでも決まっている答そのまま告げた。

「追いかける、」

だって君の隣が自分の居場所、それしかない。
ただそれしか今は解からない、唯ひとつ願って、けれど言われた。

「じゃまな湯原を消すつもりか?」

なぜ?

「…どういう意味だ?」

なぜ自分が「湯原を消すつもり」になるのか?
こんな質問わけが解からない、理不尽こみあげるまま言われた。

「鷲田克憲の後継者に男の愛人はじゃまだろ?」

ほら、視界また緋色にそまる、さっきより赤い。
がつり脳髄つきとばす熱あふれて腕また伸ばして、その右手首を掴まれた。

「落着け、この程度で逆上せてどうする?誠実で冷静で優秀なんだろ宮田英二は、」

右手首じわり温度が沁みる。
動けない、けれど痛くはない、そんな捕獲者に微笑んだ。

「この状況で優秀と言われたら皮肉ですよ、SATの狙撃手みたいなエリートに、」

この男は「エリート」そう認めざるを得ない。
だって今いくど揺すぶられたろう?唇かすかに噛んで笑った。

「俺の愛人なんて言ったら、きっと怒られますよ?」

きっと怒るだろう、それとも泣いてしまうだろうか?
記憶の貌に微笑んだ傍ら、右手首ふわり放され言われた。

「巧い答えだな?肯定も否定もしないで止めてくる、」

ほら解かっている、やっぱり優秀だ?

―こういう男が周太のパートナーに選ばれたのは、誰の意図だ?

また考えめぐりだす、脳裡から熱が退いてゆく。
狂わされていた呼吸ひとつ朝陽みて、それから口開いた。

「俺の正体を知りたかったら戸籍でも確かめてください、伊達さんなら解かるよ、」

それが早道だろう?
考え左手首を見て、確かめた文字盤に笑いかけた。

「病室に戻ります、付添人が待ってますから、」

踵を返して、とん、スリッポンのソールが鳴る。
このまま訊いても答えない、それなら今は距離とるほうがいい。

―伊達は周太の居場所を知ってる、今ここで言うつもりもない、

もし伊達が「守る」つもりなら今この場所では口に出来ない。
この警戒は当然だろう、朝陽ふるコンクリート歩きかけて言われた。

「あと伝言だ、湯原はここにいない、」

どういう意味だろう?ふりむき尋ねた。

「誰からの伝言だ?」

周太の居場所を伝言してくる?
その真意に見つめた真中、低い声かすかに笑った。

「おまえと眼が似た人だ、」

告げて、制服の影が扉へ消える。
靴音ひとつなくて、閉じる前ドアノブ掴まえ微笑んだ。

「さすがだな、」

誰もいない階段、狭い空気ただ静まる。
窓の光こまかな埃が舞う、消えた気配に踏みだした。

たん、たん、

降りるごとステップが鳴る、埃きらめいて落ちてゆく。
スリッポン敲くごと左肩うずく、ときおり左脚も痛み刺して笑った。

「つっ…よく動いたな、俺?」

この脚で格闘した、あの相手と?

我ながら呆れて可笑しくて、本音あらためて知らされる。
こんな脚で跳んでしまった、それは単純に唯ひとりの為だ。


(to be continued)

【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】

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雑談夜話@寒夜の安穏

2016-02-25 01:14:18 | 雑談
霙ふる夜に



雑談夜話@寒夜の安穏

最寄駅をでた道、街燈きらきら白いモンふってくる。
あれ?思ってコートの水滴を爪にすくったら氷の粒だった。

うわー霙だ、笑

って笑ったのは冬を満喫しきってない欲求だろう。
今日は朝からヤタラ寒くて、昨日はスーツ×マフラーだったけどコートかなあ思って、
その選択は正しかったなー思いながら歩く道、白いものふるアスファルトはきらきら光っていた。
ソンナワケで寒かった帰り道、着いた家の温度×悪戯坊主のお出迎えにシアワセほっこりしたのは仕方ない、笑

おかえりっ、撫でて抱っこして?

なんて緑の瞳きらきら見あげられて抱きあげて、
肩に乗っけたまま靴を脱いで、ゴハンあげて、それから熱いシャワーでさっぱり×温まって、
で、熱いコーヒー飲んだらヤタラなんだか美味しかった。

あー寒い時は温度がいちばんご馳走だなあ、

なんて思いながらブルーレイ再生して今ココだけど、
こういう安堵感は忙しかった日の終わりほど充ちているんじゃないだろうか?
そんな深夜のんびりひと時に真白もふもふは眠たげに寝そべっている@冷蔵庫の上。
こういう時間はなんでもない普通の日常、そういう普通がいちばんイイな思うからもう少し起きていたくなる、眠いけど。

張りつめた分だけ気ゆるめて寛いで、って幸福感はたぶん悪戯坊主も同じらしい、笑


熱いコーヒーと悪戯坊主は自分の幸せです、笑
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第84話 整音 act.2-side story「陽はまた昇る」

2016-02-23 22:02:43 | 陽はまた昇るside story
That being red,
英二24歳3月



第84話 整音 act.2-side story「陽はまた昇る」

鉄柵はるかな屋上の先、緋色が大地を染めてゆく。

「質問は三つだ、答えるか鷲田英二?」

新しい名前を影が呼ぶ、その頭上ブルーブラックの夜空が消える。
朱い黄金の雲ながれゆく、焼けつく地平のシルエット黒に描かれる。
じき貌も見えるだろうか?逆光の影たたずんだ制服姿に英二は微笑んだ。

「SATは発砲許可が要らないんですか、伊達先輩?」

問いかけながら感心してしまう、やはり本職だ?

―逆光を背にして表情を隠してる、狙撃にも有利だ、

朝陽の手前2メートル先、制帽の貌は影にしずむ。
こちらが見え難いぶんだけよく見えるはず、その立位置に意志が解かる。
そんな制服姿は右手ホルスター離さない、高くない身長、けれど静かな威圧感が告げた。

「質問すべて答えるならこちらも提供する、そのつもりで連絡先を教えたんだろ?」

落着きすぎる静かな低い声、低いくせ屋上の風にも澱まない。
穏やかなくせ威圧感がある、この声いつも聴いていたのだろうか?

―この男がいつも周太の隣にいたのか、

いま顔は制帽の翳かすんで見えない、それでもどんな男か解かる。
この数ヵ月イヤホン通して知っていた男、その現実に微笑んだ。

「情報をくれるんですか、SATは守秘義務が厳しいのに?」

守秘義務に関わる質問するよ?

そんな宣言だとこの男なら解かるだろう。
投げ返した朱い屋上2メートル先、銃把ふれる男は言った。

「宮田の両親は健在だ、姉もいる、なぜ来てない?」

質問三つ、その最初がこれなんだ?
しかも今度は「宮田」と言った、これは「被疑」だろうか。

―俺の正体を探ってるのか、経歴書が本物か疑って、

名字ふたつ呼び分ける、それは「別人」の疑惑だろう。
その考えも仕方ないかもしれない?意図を量りながら笑った。

「俺の病室を警護してくれたんですか?ありがとうございます、」

今すでに「来ていない」確認済、それなら伊達も昨夜からここにいる。
その理由は数時間前に聴いた通りだろうか?

『警察病院へ護送中だよ、おふくろさんも一緒だ、あの黒虎みたいな男もね?』

昨夜そう上司は教えてくれた、けれど変更があったかもしれない?

―もし周太がいるなら張りつくだろうな、でも伊達はここにいる、

あのひとは別の場所にいる、そこは安全だろうか?
それとも逆かもしれない?思案2メートルむこう沈毅な声が言った。

「家族が来ないのは異様だ、何度もニュースが流れて気づかないはずがない、」

事実の羅列たしかめてくる、この質問きちんと裏付あるだろう。
それだけ慎重な男だとイヤホンの半年に知った、その有能に瞳細めた。

―もう俺の家族関係は洗ったのかな、疑うならまずそこだろうけど…調べるが伝手あるのか?

この男は拳銃を携え現れた、それは「警戒」の表れだ。
警戒するのは「異様だ」にあるのだろう?その推理を話させたくて仕掛けた。

「尋問ですか、あなたの部下で友人を救った俺に?」

本来この男は感謝するはず、公私どちらからも。
そんな人間関係へ笑いかけた先、制帽の翳すこし動いた。

「質問に答えろ鷲田英二、なぜ宮田の家族は来ない?」

さあ、この回答なんてしたらいい?
考え呼吸ひとつ、綺麗に笑いかけた。

「俺の付添人に聴いてみろよ?そのほうが信用するだろ、」

言葉遣い変えて笑いかけて、制帽の翳かすかに動く。
わずかな揺れ、それでも崩せた隙間へ穏やかに微笑んだ。

「俺にも家の事情があるんだ、伊達さんなら解かるだろ?」

あなたなら解かる、こんな言い方ひとつの殺し文句だ。
このまま畳みこめるだろうか?もう一つのカード示した。

「いまさら俺も嘘つきませんよ、携帯の番号も信頼がなかったら教えないだろ?」

こちらは信じている、だから信頼を預けてほしい。
そんな提案にこの男どう反応するだろう?見つめたシャープな瞳は言った。

「号外の写真は人質救助の劇的シーンじゃない、傷ついた山岳レンジャーと隊員が映っている、なぜだ?」

これは手強いな?

―乗らずにまた質問か、ほんとブレないな?

心裡そっと舌打したくなる、そして可笑しい。
可笑しくて笑いたくなる、だって自分の思う通りにならない。

―やっぱり有能なんだな、性格的にもさ?

狙撃手の適性、そこに備わる冷静と明晰が目の前にいる。
こういう相手はめずらしい、つい愉快で笑ってしまった。

「それを俺に訊くって、どういう経緯ですか?」

ストレートに訊き返して笑いかけて、朝陽すこし高くなる。
まだ逆光まぶしくて、それでも少し見え始めた制帽の貌は言った。

「岩田が湯原を狙撃したのは誰の命令だ?」

いま、なんて言った?

「…え?」

何を言われたのだろう誰が「誰を」狙撃した?
言われて止められた思考のまんなか沈毅な声が告げた。

「あの病院の駐車場で湯原は撃たれた、誰の命令だ?」

あのひとが、撃たれた?

“岩田が湯原を狙撃した”

なぜそんなことになる、なるはずがない。
だって自分はブレーキを掛けた、それなのになぜ?

『君は…あの観碕を倒せるのか?君は誰なんだ、』

そう岩田は言った、それからメモをとりペン奔らせた。
あのメモは偽りじゃない、それなのに何が起きた、どこで間違えた?

確めたい、今すぐに。

「…、」

瞬間、脚はコンクリート蹴って目の前の影を掴んだ。



(to be continued)

【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】

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山岳点景:ある里で

2016-02-22 23:52:11 | 写真:山岳点景
遡行の瞬



山岳点景:ある里で

干されるのは酸漿ほおずき×玉蜀黍とうもろこし、夏の名残が冬の軒端を彩ります。
しんと冷たい雪の家、黒艶やかな床のまんなか囲炉裏が朱く燃えていました。



霙まじりの雪の庭、白そまる茅葺屋根に花芽の枝は光の滴。



白い雪空の日、それでも雲のきれま陽だまりは縁側を照らします。
ここ本を読みたくなるんですよね、笑



見あげると整然ならんだ茅の茎、星霜の技術に見惚れます。


撮影地:民家園@神奈川県某所

ちょっと懐かしいカンジしたら↓
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花木点景:早春の光陰

2016-02-21 17:39:07 | 写真:花木点景
香と光と



花木点景:早春の光陰

上は今年の白梅、近場の森で撮りました。
こういう逆光の影絵みたいな写真も好きです、着物や屏風の柄はこういうシーンに生まれたのかなとか。

なんて写真を載せたのは今日は朝早かった×忙しくて眠くて堪らない目覚ましみたいなもんで、春眠は暁も夕も関係ないようです、笑


撮影地:梅@神奈川県某所

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