深夜時事:UK―United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
イギリスのEU離脱、いろんな意味でびっくりでした。
ここでもイギリス詩をよく引用させてもらっていますけど、
戯曲家であり詩人のウィリアム・シェイクスピア、俳句を世界に紹介したホーラス・ブライス博士など文学者、
小説なら『不思議の国のアリス』ルイス・キャロルから『指輪物語』のJ・R・R・トールキンといったファンタジーの代表作、
児童文学『小公子』『秘密の花園』などのフランシス・ホジソン・バーネット、ピーター・ラビットのベアトリクス・ポター、
推理小説といえば『シャーロック・ホームズ』アーサー・コナン・ドイル、名探偵ポアロのアガサ・クリスティ、
など挙げていけばキリない程にイギリスは文学に功績大きな国です。
ソンナワケで本を通して身近なんですけど、育った横浜はイギリス様式で作られた町でもあります。
横浜港を設計したのはヘンリー・スペンサー・パーマー、イギリス陸軍の工兵士官で日本最初の近代水道を造った人です。
こうした人たちの共通点は豊かな教育を受けている=イギリスの階級制度でそれなり上にいるってことです。
たとえばウィリアム・シェイクスピアの父親は豪商で町長にも選ばれた市会議員、富裕層にありました。
ウィリアム・ワーズワースの父親は法律家、ルイス・キャロルは軍人か聖職者に就く一族の出身です。
イギリスは階級社会の国です、その「階級」は義務と責任が伴います。
階級により就ける職業も決まっており、その職業に必要な教育が違うため学校も階級ごと違います。
たとえば戦争の最前線に立つのは階級上位=貴族の当主と後継者、領地については経営と納税の全責任を担います。
“ Noblesse Oblige ”
高貴なる義務と訳しますが「貴族として担う義務と責任の誇り」ってカンジの言葉です。
戦争では体を張るし屋敷を傷病兵の療養施設として開放もする、平時は領土経営を担い・失敗すれば私財で補填する。
そういうハイリスクを負うこともアタリマエなのが「Noblesse Oblige」ノブレス・オブリージュ、
そのハイリスクを避けるため明日その先、10年後50年後はるか世紀も超えて考える必要があります。
ようするに階級が上になるほど、未来への義務と責任も大きく重たくなるワケです。
これら義務と責任を果たすため必要な力=知識+思考力を鍛えあげることも義務責任の一端にあります。
↓
ソンナワケで階級が上になるほど豊かな教育を受ける機会を与えられ、
その結果としてイギリス文学は富裕層の豪商や、軍人または聖職者の子弟など貴族出身者が多くなるワケです。
で、逆に階級が下層になるほど義務も責任もないワケです。
明日その先の責任を負うのは上流階級、だから今この目の前を凌ぐことだけすればいい。
それが悪いとか良いとかではなく「判断をしない=責任を負わない」ことがアタリマエ当然になっています。
っていう階級感覚がある以上、今回のEU離脱に関する国民投票はホントのイギリスの総意なのかっていうと難しいなあと。
今回のEU離脱はイギリス全体の総意ではなく世代間・階層で意見が分かれています。
離脱派の中心世代は高齢者=大英帝国の復権を願う人たち、階層は移民流入による失職を恐れた労働者階級です。
高齢者と労働者階級、この二つは「明日を考える必要がない」という共通点があるなあと思います。
10年後どうなるのか?その責任も「Noblesse Oblige」は負います、
その責任を労働者階級が問われないのと同様、10年後20年後に生きていない世代も負う必要がありません。
そうした高齢者はEU加盟以前のイギリス=大英帝国の栄光を再び見たいと言う願望もあるワケです。
大英帝国に戻りたい→それならEUなんて邪魔
EUで決められたことを押しつけられたくない、イギリスだけで判断したい。
イギリスの権益はイギリスだけの物であり、他の国のリスクを分担したくない。
そんな意志が高齢者層にはあったわけです。
責任を負わない階級+未来を負わない世代、
その二つが多数を占めた意見は本当の意味で国民の総意と言えるのか?
またUKを構成するイングランド以外の国、スコットランドと北アイルランドの判断は?
なんて「総意」如何の疑問あるんですけど、
なにより世界金融と情報の軸を担っている機関がイギリスにあることも心配要因です。
そんな心配そのまんま株価の乱高下さっそく勃発しましたけど、警戒音が響くニューヨーク証券取引所の映像がすごかった。
アレほんとに鳴るんだなあ・・・とびっくり見ながら今後の展開アレコレ考えたり。
なんてことナントナク書いてたらコンナ時間でまたびっくりです、笑
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