萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚371

2015-08-31 20:05:03 | 雑談寓話
冬、師走の半ば夜に御曹司クンと再会した、

「また男に手出したのか?花サンがいながら、」

「久しぶりに会えたのにいきなりさーもうちょい浸らせてくれよなーもー、」

なんて会話から始まって、
それどころじゃないだろがとツッコミたかったけど、御曹司クンの涙目に止めた、
だって御曹司クンが涙目になっている、なんて余程のなにかあるだろう?

泣きたい何かがある、

ソレが何かは解らない、
ハタから聞いたら馬鹿らしいコトかもしれない、身勝手ワガママの涙かもしれない、
それでも本人には辛いシンドイから泣いている、

だったらトリアエズ泣かせてやりたいな?そう想ったからそのまま笑った、

「泣きたいなら泣いちゃいな、待っててやるからさ?笑」

話しはソレからの方がいい、だって泣いた分だけ余裕もできる、
その余裕=「聴ける」容量の空きになる、
そんなテーブルに御曹司クンは瞬いた、

「…もーさー、そんな…あいかわらず優し、」

瞬いた目から涙こぼれて、御曹司クンはしばらく泣いた。

第90回 過去記事で参加ブログトーナメント - その他ブログ村
第90回 過去記事で参加ブログトーナメント

少し書いたのでUPします、
コレや小説ほか楽しんでもらえてたらコメントor下のバナークリックお願いします、

移動中に取り急ぎ、笑



にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第83話 雪嶺 act.25-side story「陽はまた昇る」

2015-08-30 23:00:00 | 陽はまた昇るside story
That hath kept watch o’er man’s mortality 宿命と克己
英二24歳3月



第83話 雪嶺 act.25-side story「陽はまた昇る」

眠りの底、どこか冴えている。

体はまどろんで疲労を癒す、けれど頭脳は目覚めて停まらない。
それだけ今夜の緊張と自覚は刻まれて、ふっと香ひとつ英二は目を開けた。

「…光一か?」

この気配は間違えない。
薄闇の視界、そのとおりテノールが笑った。

「アタリ、遅くなってすまないねえ、」

ぱたん、

扉閉じる音に馴染んだ声が笑う。
水仙の香ふわり近づいてベッドサイド座ってくれる、その気配に笑いかけた。

「こっちこそごめんな、怪我なんかして、」
「思ったより軽症だからイイよ、それよりオマエあれこれやらかしたね?」

透明なテノール笑って白い指のびてくる。
ばちん、額はじかれて声が出た。

「いてっ、怪我人にデコピンかよ?」

ガーゼない場所を選んではくれている。
けど痛いことは変わらない、そんな左の額に白い手ふれた。

「確かにオマエは怪我人だけどね、デコピン響くほどならベランダ登るとか尋問するとか不可能だろが?ねえ?」

そのこと訊きに来たんだ?
意図もう解かって薄く微笑んだ。

「光一まで俺を尋問するんだ?」

されても仕方ないけどね?
自覚とっくにしてる真中、澄んだ声からり笑った。

「報告ってほうがアタリだね、」

いつもながら明るいトーン、けれど事態は甘くないだろう。
その推定に笑いかけた。

「俺の処分だろ、俺が周太のマスクを剥いだままにしたから、」

Special Assault Team 警視庁特殊急襲部隊の身元を曝した。
それが責任問題になるくらい解かっている、それでも犯した願いに微笑んだ。

「無傷か死ぬか、どちらに転んでも自分でなんとかできる計算だったけどな。中途半端に怪我してごめん、」

もし自分が死ねば、殉職として不問だった。

―死ぬか無傷だって思いこんでた、俺の傲慢だな、

もし無傷なら対応いくらでも出来たろう、けれど現実は全身打撲で意識不明に墜ちこんだ。
その分も巻きかえす歯車はもう押した、そんな今にザイルパートナーは微笑んだ。

「…おまえは簡単に死ねないよ、最高峰の竜にも呑まれなかったクセにさ、」

懐かしい言葉が薄闇そっと響く。
その声いつもと違うようで、気懸りに右手のばした。

「光一、なにがあった?」

呼びかけベッドサイドの腕を掴む。
掌ふれる布は隊服の感触で、昨夜と同じ着衣に問いかけた。

「なにか言えないでいることあるんだろ?俺の処分なら気にせず言えよ、懲戒免職でも何でも、」

言い澱んでいる、それなら理由はこれだろう?
けれど上官は可笑しそうに瞳細めた。

「おまえが懲戒免職になるとか有得ないね、解かって言ってんだろ?警察きっての広告塔クン、」

笑って白い指また額ふれる。
ばちり、弾かれて疼きだす痛覚かまわず訊いた。

「おまえが責任とらされるのか、俺の身代りに?」

もし自分じゃないのなら、次の選択肢は何か?
その解答にパートナーかつ上官は立ちあがった。

「おしゃべりは終いだよ、あと5分で支度しな?」

薄闇に微笑は白い。
それがなにか遠く想えてしまう、けれど普段どおり明るいトーンが命じた。

「府中へ戻るよ、護衛のメクラマシ仰せつかったからね、」

言いながらベッドサイド、ロッカー開けてウィンドブレーカー出してくれる。
ぽん、こちら放り投げると登山ザック担いでくれた。

「左肩は固定したまんまでソレ羽織りなね、あちこち歩き回れないってアピールにちょうどイイだろ?ほら行くよ、」

からり、扉もう開いてしまう。
そんなザイルパートナーに登山靴を履きながら訊いた。

「国村さん、指揮車の運転は俺で良いんですか?」

問いかけの合間、右手だけで靴ひも結んでゆく。
戸口の明かりに指さき見つめる、その向こう明るいテノールが言った。

「俺が運転するよ、おまえは明日の朝まで安静だからね?助手席で大人しくしてな、」

同乗は許されるらしい、その信頼に微笑んだ。

「話してくれるなら大人しくします、」

きっと今すぐ聴かなくては後悔する。
そんな空気の扉の前、山っ子はからり笑った。

「英二が話すならね、だろ?」

ほら交換条件すぐ投げ返す。
いつもと変わらない調子にすこし安堵して、ベッドから笑いかけた。

「俺が先に話したら、また今度とか言いそうだな?」
「おまえこそソレする気だろ、ほら行くよ、」

言いかえして扉のむこう指さしてくれる。
開けはなした戸口から喧騒かすかにざわめく、もう動きだす空気に立ちあがった。



(to be continued)

【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山岳点景:富士の晩夏

2015-08-28 21:35:02 | 写真:山岳点景
霧富士



山岳点景:富士の晩夏

富士中腹、標高1,900メートル付近より山頂方向↑雲おおわれています。



急に休みとなった今日、ひさしぶりに富士山へ。
山中湖からも富士は雲の中、で、いつもの撮影ポイントは霧が流れていました。



富士は連なる山脈がない単独峰、風も雲も直に受けます。
その天候は変わりやすくて、これから迎える冬は低温の豪風に晒されます。



もう色づきはじめた梢いくつも見ました。
霧のなか淡い色彩はやさしい空気です。



四葉鵯ヨツバヒヨドリが咲いていました。
北海道から近畿地方+四国の山地に咲く夏の花です。



これは↑富士薊フジアザミ、富士山周辺に見られる花です。
霧のなか赤紫色はあざやかでした。



下は黄苑キオン、夏山の花です。
白く染まる森の底、黄色は燈火のよう明るませます。



今日の富士はずっと雲の中、
で、撮影日は今日じゃないけれどラストは綺麗な夕富士で、笑

さよなら夏の日ブログトーナメント




にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山岳点景:水瀬の夕夏

2015-08-27 21:00:08 | 写真:山岳点景
紅流れる



山岳点景:水瀬の夕夏

相模川にて、川面の残照がきれいでした。

第101回 1年以上前に書いたブログブログトーナメント

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第83話 雪嶺 act.24-side story「陽はまた昇る」

2015-08-25 23:10:00 | 陽はまた昇るside story
And see the Children sport upon the shore 瀬際の聲
英二24歳3月



第83話 雪嶺 act.24-side story「陽はまた昇る」

あなたが殺した男は生きています。

そう言われたらどんな気持ちするだろう?
恐怖だろうか、怯えか、それとも後悔だろうか。

「…何を言ってるんだ、君は…」

問い返す声は低く落ち着く、でも眼ざし微かに揺れる。
あの視線は答もとめて揺れて、この探していた瞬間に英二は微笑んだ。

「狙撃手ならご経験あって当然です、そうでしょう岩田班長?」

Special Assault Team 警視庁特殊急襲部隊

通称SATの狙撃班をまとめる男は過去、狙撃手だったろう。
そのとき何を任務としていたのか?訊くまでもない相手はため息吐いた。

「…どうやって何を知った、君は…誰なんだ、」

途惑い、恐れ、疑惑、感情さまざま交錯する。
それでも乱さない声の男にベッドから笑いかけた。

「私の正体を知りたいのは、また殺すためですか?14年前と同じに、」

これだけ言えば反応するだろう?
投げかけた言葉に男は首ゆっくり振った。

「誤解しないでくれ、私は殺人鬼じゃない、」
「命令は免罪符ですか?」

また言葉なげて男の眼が止まる。
きっと単語に揺すぶられた、そんな貌に微笑んだ。

「なぜ命令に従うんですか、司法の番人の義務とプライドですか?それとも家族にばらすと脅されていますか、あなたの殺人すべてを、」

あの男なら彼に何を言う?
その答ふたつに窶れた貌は薄く笑った。

「宮田君こそ私を脅してるじゃないか、私の何を知って言ってるのか知らないが、」

どうせ証拠など無いはずだ。
そう笑ってくる男へ事実を告げた。

「10件、うち6件は容疑者本人の自殺、2件は殉職とされていますが、」

言葉にしながらTシャツの下ちいさな合鍵ゆれる。
肌ふれる輪郭は硬く温かい、その持主の俤と微笑んだ。

「また殉職にしますか?ここは新宿のガード下と違って防犯カメラがありますけど、岩田さんなら何とでもできるでしょうね、」

いま微笑んでいる自分の貌はいつもと違う。
それが目の前の男を固まらせて、強張る声が尋ねた。

「君は、湯原の息子なのか?…復讐のため現れたのか、」

名前を言った。

―この男ですね、馨さん?

いま誰の息子と自分を呼んだのか、それが自白になる。
このまま揺すぶってやればいい、訪れた瞬間に微笑んだ。

「ご自分のパートナーを殺した瞬間、何を想いましたか?」

ずっと訊いてみたかった。

後悔か、それとも安堵なのか?
その答ようやく聴ける今に昏い瞳うすく笑った。

「…答え次第で殺すのか、それとも裁判か?宮田君の祖父は有名な検事だそうだな、伝手があるんだろう?」

蛍光灯に声は沈む、それでも落着いたトーンは越えてきた現場の厚みだろう。
こういう男をどう使うべきか?考えるとおり笑いかけた。

「法で裁くことは難しいでしょう、だからマスメディアに裁かせます、あなたの全てをね、」

それが最も効果的だろう、この男には。
だから仕掛けた罠に昏い瞳が瞬いた。

「マスコミか、それなりの証拠なしには動かんだろう、」
「証拠を潰されない伝手も必要ですよ、」

肯き笑いかけた窓辺、雪音やわらかに聞えだす。
まだ止まない音はガラス撫でて白い、そっと冷えこむ空気に低い声が訊いた。

「…君はあの人より権力を持っているということか、だが二年目の警察官がなぜ?」

その名前はまだ言ってくれないんだ?
早く言わせたくて質問なげ返した。

「権力に殺してきた罪だからこそ権力に隠され許されてきたでしょう、でもマスメディアは容赦しません、ご家族は苦しむことになります、」

きっと彼の家族がいちばん苦しむ、それでもあの男は守ってくれない。
そんな優しさがあるなら今は違う今だったろう、その現実に微笑んだ。

「冤罪でも一度マスコミに曝されたら世間はそういう目で見ます、ガセネタとして握りつぶしても同じです、あなたの命令者はそこまで守ってくれますか?」

この答もう訊かなくても解かる。
だからこそ持ちかけたい取引へきれいに笑った。

「私なら守ります。老人の明日と私の明日、どちらが信じられますか?」

さあ、なんて答えてくれるだろう?
穏やかに見つめる真中、制服姿の男は口開いた。

「信じろというなら教えてくれ、君は知ってるんだろう?本部長と…観碕と湯原の関係を、」

やっと証言が出た。

―これで話が進められるな、やっと、

待ちかねていた名前に笑いたくなる。
もう自分の手中に墜ちた駒へ微笑んだ。

「私にも教えてください、岩田さんが湯原馨を殺したメリットはなんですか?」

この答で運命を決めてやろう?

―馨さんは信じていましたか、この男を?

この男どう扱ってゆくのか答ひとつで決められる。
信用か、それとも利用か、境界線のナイフリッジに男は言った。

「…家族の安全と私の出世だ、私は自分を守りたくて湯原を…殺した、」

ほら、道が決まった。

―馨さん、今聴きましたか?

心裡へ呼びかけて胸もと鍵ふれる。
Tシャツの下ちいさな金属は温かい、その約束に微笑んだ。

「誰の命令で殺したんですか?」

この尋問ですべて明かされる。
ずっと捜していた瞬間に、窶れた貌は吐きだした。

「本部長、元神奈川県警本部長の観碕征治だ、」

さあ、最後の鍵が墜ちた。

「…ふっ、」

つい笑いたくなる、だって待ちかねていた。
この一年半ずっと待ちわびた瞬間はもう近い、その証しが問いかけた。

「私は話したぞ、君も教えてくれ、なぜ観碕は湯原を殺したんだ?」
「知ってどうするんですか?」

返しながらポケットから携帯電話だす。
そのボタン操作して、すぐ制服姿が訊いた。

「君は、今の会話を録音していたのか?」

気づけるだけの才覚はある。
そんな駒へきれいに笑いかけた。

「僕はしていません、ここでは出来ないでしょう?」

ここでは出来ない。

この言葉に偽りはない、けれど気づくだろう?
それも可笑しくて微笑んだ前、シャープな眼があえいだ。

「…君はどういう人間なんだ、」

その質問またするんだ?
繰りかえされる言葉にベッドの上ただ微笑んで、その沈黙に訊かれた。

「…宮田君、君の笑った貌は湯原そっくりだ、声も似ている、観碕のこともよく知っている口ぶりだ、君は復讐のために警察官になったのか?」

呼びかけて問いかけて声は低いまま熱してゆく。
それだけの後悔が岩田にもあるのだろうか、そんな眼ざしが問いかける。

「今日も君は湯原の息子を助けた、あのマスクを剥いだままにしたのもワザとだろう?顔を曝してSATにいられなくするためだな、そうだろう?」

なんだか立場ひっくり返してくるな?
すこし気に障るようで静かに笑った。

「私を尋問するつもりですか?」

そうしたいならすればいい、けれど結果どうなるかは保証しないけど?

―知りたがり過ぎるのは面倒だな、申し訳ないけどさ?

本音そっと笑って肚底なにか迫り上げる。
これは怒りだろう、その感情まかせ嗤った。

「湯原馨を殺して、次は息子の周太も殺すつもりでしたね?二人も殺して守るほど、あなたの命は価値があるんですか?」

こんな言い方「最悪の結果」を招くかもしれない?

―プライドが自殺も考えるだろうな、特殊部隊員に選ばれる性格なら、

警察官かつ狙撃手の適性はどんな性格か。
その分析に見つめる真中、苦悶の貌が言った。

「…私は家族を守りたいだけだ、」
「それは湯原馨も同じです、周太も、」

即答きりかえして、また苦悶の陰翳が深くなる。
そこにある良心を揺さぶりかけた。

「十四年前あの日、湯原馨とその家族が願っていたことは同じです、ただ家族で食卓を囲みたかっただけだ、」

ほら、願いごと声にして泣きたくなる。

―本当は俺が願ってるんだ、あの家に帰りたいって、

ふるい美しいあの家に帰りたい。

古いけれど清らかな擬洋館建築の屋敷、緑あふれる花の庭。
山茶花の下にはベンチがある、あの憩いの場を作った男は待つ人がいた。

「岩田さん、あなたのパートナーだった男は母親を早く亡くして、父親も殺されました。その天涯孤独の底からも温かい家庭を築いた男です、」

この事実は知らなかったろう?
すこし見せた現実にシャープな瞳ゆっくり瞬いた。

「…湯原の父親が殺された?どういうことだ、」

やはり知らなかった。
その無知に警告を微笑んだ。

「あなたは知る必要ないことです、あなたの命令者にも尋ねない方がいいですよ?湯原馨の父親は観碕さんのタブーです、」

知れば、きっと彼は生きられない。
それでも知ろうとするだろうか、この行く先に嗤いかけた

「湯原馨は哀しみの底にも絶望しなかった男です、そういう男のささやかな幸せをぶち壊して今、あなたもあなたの家族も生きているんですね?」

この罪悪感に男は何を応えるだろう?
その瞑目する貌にただ事実を告げた。

「あなたは犯罪に加担した、あなたがしたことは司法の正義ではありません、利己的な虐殺の加担者です、」

さあ、罪悪感に苦しむがいい。

―馨さんの苦しみをすこしでも味わえ、周太と美幸さんの痛みを、

この男と馨の間にあったはずの時間、それが想像と痛覚を加速する。
その荷重に男は何を決めるだろうか、そんな時間を蛍光灯が白く照らす。

「…君は、私を裁くためにきたのか、」

ほら罪悪感が問いかける。
もう答え声にする必要もない、ただ微笑んだ真ん中で苦悶が訊いた。

「君は…あの観碕を倒せるのか?君は誰なんだ、」

これこそ愚問だろう?

こんな質問者に可笑しくて笑ってしまう。
つい笑って左腕じくり疼かせる、その痛みすら愉快に微笑んだ。

「あなたの連絡先を頂けますか?リストに載せていない電話番号を教えてください、」

こう言えば彼にも解るだろう。
その僅かな信頼とベッドサイドのメモ用紙さし示す。
ただ白い普通のメモ用紙、その一枚を男は受けとりペン執った。



(to be continued)

【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

深夜雑談:深紅の麦

2015-08-25 23:05:00 | 雑談
赤い酒



深夜雑談:深紅の麦

深紅色の酒、ワインみたいですけどビールです。
越後ビールさんのレッドエール、地酒らしい香とコクが自分は好みです、笑

最近のエントリーブログトーナメント



にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

深夜雑談:Art×Wine

2015-08-25 23:00:00 | 雑談
Ravel、山の夢



深夜雑談:Art×Wine

マッターホルン=三大北壁のイラストは、ワインのラベルです。
酒造の主が山好きでコレにしたんだとか、で、ワインの名前はフランス語で「私のお気に入り」
写真は白ワインですが辛口すっきりで料理との相性がいいです、デイリーワインとして自分も気に入っています、笑

「食べ物」8ブログトーナメント



にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山岳点景:雪原野、川

2015-08-24 22:12:09 | 写真:山岳点景
Can in a moment travel thither



山岳点景:雪原野、川

戦場ヶ原@栃木県日光市、ここの雪景色が好きです。



湯川をくだって先、中禅寺湖のほとりは木々も凍ります。



残暑の候、だからこそ懐かしい冬写真を貼ってみました、笑


第82回 過去記事で参加ブログトーナメント - その他ブログ村
第82回 過去記事で参加ブログトーナメント

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある黄昏

2015-08-23 22:45:00 | 写真彩々


ある日の黄昏空@静岡県、
とはいえ撮ったのは今日じゃありませんが、笑

朝日夕日空22ブログトーナメント

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

深夜雑談:同居者×定位置

2015-08-23 00:36:00 | 雑談
いつもの場所



深夜雑談:同居者×定位置

ねむたげ+やや得意げ、それは好きな場所にいるからで、



冷蔵庫の上は悪戯坊主のお気に入りです、笑

第88回 過去記事で参加ブログトーナメント - その他ブログ村
第88回 過去記事で参加ブログトーナメント

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする