萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

文学閑話:文月の薔薇×紀貫之

2014-07-31 23:00:00 | 文学閑話韻文系
夏初めの薔薇



文学閑話:文月の薔薇×紀貫之

我はけさ うひにぞ見つる 花の色を あだなるものと 言ふべかりけり 紀貫之

僕が今日の朝、初めて見た花の色は色っぽくて、でも儚いって言うべき?
初めて見た君の朝の貌は薔薇の花みたいに艶やかだった、でも最初で最後になる?
あんまり綺麗だから幻のように儚く想えて、けれど幸せで忘れるなんて出来そうにないのに。

これは『古今和歌集』に載ってますがバラの花を詠みこんでいます。
「我はけさ」+「うひ」=「我は今朝 初ひ」と「我はけ さうひ」の二つ意味があり「さうひ」は薔薇の古名です。
今は薔薇を「バラ」と読みますが昔は「さうひ」「さうび」と読んでいました、で、ここで言う薔薇は何かって話ですけど。

庚申薔薇 Rosa chinensis 別名長春花

って種類だろうと言われています、
この薔薇は初夏が盛りなんだとか、で、7月終わりの今日に紹介してみました、笑
どんな花かっていうと薔薇の原種と云われ八重咲と一重咲きの二説ありますが色はいずれも紅紫色です。

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第77話 決表act.7-another,side story「陽はまた昇る」

2014-07-31 13:27:00 | 陽はまた昇るanother,side story
rime ice 氷結の時



第77話 決表act.7-another,side story「陽はまた昇る」

観碕さんとデュラン博士を訊くのか?二人の事を俺に訊きに来た男がいるんだ、馨さんと似ている男だよ、

この問いかけに何を答えたら良いのだろう?
父と似ている男なんて一人しか知らない、でも解らない。
だってこんな所まで追いかけて来るなんて納得出来なくて、けれど父の旧友は尋ねた。

「やっぱり周太くんは彼を知ってるのか?あれは他人の空似とは違う、馨さんと表情が似すぎているんだ、英語の発音までそっくりで、」

ほら、真直ぐに核心を見つめてくる。
もう五十歳を過ぎるはず、それなのに鳶色の瞳は少年のまま澄んで揺るがない。
この眼差しが見つめていた父は幸せだったろう、そんな想い静かな雪窓で問いかけた。

「田嶋先生、その人はいつここに来たんですか?…年齢や身長は?」
「9月半ばだ、俺の公開講座の時だよ、」

答えてくれる日付に鼓動そっと穿たれる。
いま12月の雪の午後、もう3ヶ月前になる別離の朝の日だ?

―英二あのとき泣きそうで、だけどあの後ここに、

5時半に起こして?そう告げて5時半に第七機動隊舎を出た。
それでも英二は追いかけてくれた、あの門で別れて、そして切長い瞳は泣いた。

『逢いたかったから走って来た、…周太、』

告げてくれる綺麗な低い声も震えていた、あの泣顔は嘘じゃない。
けれど涙の底では田嶋を尋ねると決めていた、その裏腹な貌を辿るまま言葉は続く。

「180cmはあったな、色白で細いが肩と胸が厚くて鋼みたいな印象だ、あれはアルパインクライマーの体だよ?二十後半くらいに見えたが、」

告げられる特徴どれも懐かしい俤を象ってゆく。
あの人がここに来た、そして尋ねた質問たちに解らなくなる。

―どうして英二ここにも来たの?お父さんの友達だって僕が言ったから?でも、なぜ、

なぜ英二は「観碕さんとデュラン博士」を訊いたのだろう?
どうやって英二は二人の存在を知ったのだろう、それが解らないまま父の友人が言った。

「大伯母が湯原先生の教え子だと彼は言ったよ、祖母が大伯母を懐かしがるから俺の講座に来たと言ってな。周太くん、心当たりあるかい?」

ほら、英二はこんなヒント遺して?

―嘘吐いていないって言いたいんだ、英二は…いつか田嶋先生が僕に訊くことを見越して僕にゆだねてる、

英二の祖母、顕子の従姉は自分の祖母である斗貴子。
だから正確には従姉大伯母にあたる、その血縁を英二は正直に告げていった。
きっと英二なりの誠実だ、そう解かるけれど今は答えるべきか途惑うまま周太は首振った。

「二十代後半ですよね?解らないです…親戚のことは何も訊いていなくて、」

嘘は吐いていない、だって「二十後半」の男は知らない。
そんな言い訳は詭弁だと自分でも解かっている、それでも言うべき時ではないだろう?

―言って良いなら英二が自分で言ってる、でも言わなかったんだ…巻きこむかもしれないから、

この学者を巻き込みたくない、そう英二も想ってくれたのだろう。
その判断は自分も同じで、けれど父のアイザイレンパートナーは微笑んだ。

「じゃあ俺の幻かもしれんな?馨さんに逢いたいって願望が現実化したんだろ、誰なのか何も言ってくれんかったし、」

逢いたい、

その気持は自分こそ同じだ、自分だって父に逢いたい。
逢いたくて今も父を追いかけ祖父を探してここに居る、その願い同じ人に笑いかけた。

「そんなに父と似ていたんですか?」
「ああ、本人かって思うほど似てたぞ?笑った感じが特にな、」

笑って教えてくれる瞳がすこし寂しげでいる。
この人も父の名残を探してきた?そんな想いに熱い紅茶すすりこんだ前、鳶色の瞳が微笑んだ。

「あの日は公開講座でな、もう誰もいなくなったと思って大教室の電気を消したら足音が聞えたんだ。それで振り向いたら彼が立ってたよ、
講義ありがとうございましたって馨さんそっくりの目と声で笑ったんだ、暑い日だったのにワイシャツの袖捲ってないとこも馨さんと同じでな?」

温かな湯気くゆらす向かい、低く透る声が話してくれる。
英二と父の声は違う、それなのに田嶋は「そっくりの目と声」だと教えてくれる。
それが気になって続き知りたくなる、本当は別のことを訊きに来たけれど聴きたいまま父の友人は笑った。

「俺は本気で馨さんが還ってきたと思ったぞ?俺の講義を聴きに来てくれたって泣きそうになっちまった、嬉しくて待ってくれって呼びとめてな、
振りむいた顔はやっぱりよく似てたよ、でも目線の高さが違うから別人って気づいて年齢も違うぞって思いだしてさ?だけど英語の発音も同じだった、」

父と英二は身長が5cmは違うだろう、だから「目線の高さ」が違うのは当然だ。
そんな納得と「そっくりの声」と英語の発音に意図が解かるようで鼓動また軋みだす。

―英二、お父さんと似ていることを利用したんだね?田嶋先生に話させるためにお父さんを真似て、

父の貌で現れる男は、ここだけじゃない。
少なくとも新宿署で2度は現れた、そう知っているから解らなくなる。
どうして英二は父の貌を見せに行くのだろう?その結末を探すまま低く透る声が続けてくれる。

「馨さんと同じアクセントでSonnet18を詠みあげたんだ、この研究室で今みたいに茶を出して、そしたら馨さんの本を迷わず手にとって開いたんだぞ?
その貌も声もあんまり似てるから血縁者だと思ったんだ、顔や話し方だけじゃなくて空気が似てた、特に目だ、どっか寂しくて深い、穏やかに見透かす目、」

やっぱり、英二がここに来た。

それは憶測じゃ無くてもう事実だろう、それくらい解かる。
その目的は自分と同じだったろう、けれど出遅れてしまった自分との差が解らない。
どうして英二はいつも自分より先回りできるのだろう?この疑問くゆらす紅茶の湯気ごし問いかけた。

「田嶋先生、その人とどんな話をしたんですか?」
「さっき言った通りだよ、観碕さんとデュラン博士の事を訊かれたんだ。俺からも馨さんの理由を訊いたぞ?」

鳶色の瞳やわらかに細める言葉へ鼓動が傷む。
この人も父の理由を知りたがっている、その願い佇む研究室の窓は雪すこし強くなった。
さらさら白い影はガラス掠めて積もりだす、それでも確かめたいまま低く透る声が続けてくれた。

「湯原先生が、君のお祖父さんが二人とどんな関係だったか細かく訊かれてな、馨さんそっくりの笑顔には嘘吐いてもバレるんだろって感じたぞ?
だから正直にぜんぶ喋ったさ、その代わり俺にも馨さんが黙って消えた理由を教えろって泣きついたんだ、そしたら俺を信じてるからだって言われたよ、
約束は終わらないと信じて消えたって言われた、俺と馨さんの全部を知ってる貌でな?馨さんから話を聴いたのか、日記を読んだのか、全て解ってる貌だ、」

いま、なんて田嶋は言ったのだろう?

「あの…日記って、父の日記ですか?」

そんなものあったなんて知らない、でも存在する?
事実なのか知りたくて問いかけた真中で父の友人は笑った。

「ああ、馨さんの日記だ、ラテン語で書いてるヤツあるだろ?大学の入学式からずっと続けてるんだよな、」

どうして?

どうして英二はいつも自分の先回りするのか、ずっと不思議だった。
その理由が今告げられて解かってしまう、この事実そっと呑みこんで笑いかけた。

「そうみたいですね…なぜラテン語で書いてるのかなって想っていました、」

本当は今そう想っただけ、でも根拠の記憶はちゃんとある。
だって自分の植物採集帳に父はラテン語で学術名を書いてくれた、その原点は「日記」にある?

「あれは湯原先生に勧められたんだ、俺も同じこと馨さんに言われたぞ?」

闊達なトーン笑って教えてくれる顔は懐旧に温かい。
この温もりに今は甘えたくなる、そんな想いごと尋ねた。

「ん…父は田嶋先生になんて言ったんですか?」
「ラテン語で日記を書くことが西洋文学の本当の理解になるって言ってくれたよ、最初の穂高でな?」

懐かしい、そして愛おしいと低く澄んだ声は笑ってくれる。
こんなふう真直ぐに父と祖父を偲ぶ人がいる、その感謝と幸せだけ今は見つめて紅茶ひとくち啜りこんだ。

ほら、あまい湯気は温かい、父が淹れてくれたように。



(to be continued)

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚168

2014-07-31 07:41:04 | 雑談寓話
雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚168

正月2日夜、御曹司クンを和ダイニングに放置して先に帰って、
花サンに電話してから歯医者メール返信した後に御曹司クンからメールが着た、

From:御曹司クン
本文:なんでいきなり帰るんだよ?そんな怒るなんて田中さん誘ったから?
   俺と田中さんが一緒してもおまえに怒る権利なんて無いだろ、俺だって自由にデートしていいじゃん?
   おまえが俺のこと本気で好きでつきあってくれてるんなら怒られて当り前だって思う、それなら俺だって謝るけど。

本気で好きでつきあってくれてるんなら、ってトコで御曹司クンの意図が解かりすぎて嫌だった。

なぜ花サン=田中さん(仮名)を誘ったのか?

その理由は花サンを好きだからっていうのもあるだろう、
けれど「好き」であることすら利用するような意図がムカついて苛立った。

“怒る権利なんて無い、でも好きで付合ってくれてるんなら怒られて当り前”

そんな言い回しは「付き合ってる」と言われたがっている。
ようするに告白をさせるために花サンを人質にした?そんな御曹司クンを嫌いになりそうだった。

ほんと明日次第では嫌いになるかも?

そんなこと考えながらメール無視したまま眠って、
明けて3日の朝は車で花サンを迎えに行った、で、花サンの家族と久しぶりに会った、笑

「おはようございます、花のコトいつもありがとうございますね、ワガママ言ってないかしら?笑」
「こっちの方がワガママ言ってますよ、いつもお世話になってます、笑」
「トモさんもワガママだけど私のがワガママよ?笑」

なんて会話してから花サン乗っけて出発して、
とりあえずコンビニ寄って飲み物買ってからいつものルートで山中湖へ行った。

「雪あるねー道路は少なめだけどチェーンの音がなんか良いなー笑」

なんてカンジに花サンはご機嫌で、
午前中の雪の湖畔は静かで凍結した湖面は真白だった、

「すごい、降りようよトモさん?白鳥が湖面を歩いてるよ、笑」

で、降りて登山靴に履き替えて、
踏んだ雪はざぐざぐ鳴った、それだけ夜は冷え込んだの解かる。
富士山も真白に凍てついて雲の変化めまぐるしかった、そんな空と山に花サンは笑った、

「富士山ほんと真白だねー太陽を反射してるトコ眩しいし、息も真白っ、笑」
「鏡面状態になってるね、笑」

なんて会話しながら雪を歩いて、
湖面の風すこし冷たかったけど寒さも楽しいって顔してくれる相手に雪玉ぶつけてやった、笑

「あっ、もーなにすんのトモさん、コート雪まみれになるっ、笑」
「こんだけ雪あったら雪合戦だよね?笑」
「あーホント子供だ、でも私もっ、」

ってワケで軽く雪合戦して、
コートに登山靴+ゲイター履いてるからフットワークは軽くて楽しめた、
ソンナ感じに社会人ふたりで雪投げ合ってるうち花サンの白い頬が真赤になって、ホントに笑ってくれた。

これならホントに話せるようになったかな?

そんなふう推し量りながら素手も真っ赤になって、
で、休戦を提案した、

「手が真赤になったからお茶しよ?風邪ひくし、笑」
「ほんとだー手が真赤だ、笑」

なんて花サン掌を見て笑って、その手首に訊いた。

「花サン、猫と遊んだ?」

訊きながらNoだってホントは解ってる、だけど花サンの左手首は傷だらけになっていた。

「え…」

紅潮した顔のまま目が大きくなって見つめてくれる。
ゆっくり瞬いて潤みそうで、それでも意地張りたがる目に言った。

「新しい傷痕だろ、それ。年末はそんなの無かったよね?」

手首には古い傷痕、その上に新しい傷痕3つほど刻まれていて、
それが何を意味するのかなんて見れば解かる、そのまんまに花さんは言った、

「…お母さんも見ないフリしてたのに、なんで訊いてくれちゃうの?」
「訊くに決まってるだろ、怪我してたら、」

訊きながらその手首を握りしめて花サンの貌を見て、
その大きくなった目が悔しそうに笑って言った、

「私が自分で切っただけだよ?トモさんには解らないよ、こんなの…言ったって解らない、」

解らない、って言葉は線引きするためにある。

相手を解かろうとしないのも、相手に解かってもらおうとしないのも、どっちも拒絶。
自分だけしか解らない、そんな理由で自己満足に閉じこもる臆病は憐れすぎて哀しい。
そんな憐れな存在になってほしくないから思ったまま言った、

「死ぬために切ったんじゃないだろ?」

この人は自分から死のうなんて絶対に出来ない、そう解ってるから言えるまま言った、

「痛みで生きてる確認してたんだろ?ちゃんと生きてこの世にいるぞって確かめて、ソレくらいしないと心が死にそうなほど辛かったんだろ?」

握りしめた手首は細くて白くて、だけど傷まみれだった。
それでも彼女の手は本当は逞しいって知ってる、だからそのまんま言った、

「花サンの手は小さい頃から綺麗なもの作りだしてきたよね、そうやって人を笑顔に出来るってスゴイことだよ?だから傷つけたらダメだ、
花サンの手を傷つけたら誰かが笑顔になる可能性も壊すことだろ?花サンが知らなくても花サンの手は必要だよ、だから大切にしてほしいんだけど?」

彼女の家はいわゆる伝統文化の継承している、だから彼女はその後継。
そのために休日を費やす事もある、それは甘い世界じゃない、他人には解らない重圧も辛さもある、
一人で泣いた事もあるだろう、それでも喜びがあることも彼女を見て知っている、だから思ったまんま言ったら花サンは泣いた。

「どうして解かっちゃうの?こういうの…リスカしてない人で解かってくれるって普通、無いんだから、」

ちゃんと理解できた、それが単純に嬉しかった。
もう線引きされない、そんな泣笑い顔に笑ってやった、

「じゃあ普通じゃないってこと?笑」
「かも?泣笑」

赤くなった目で笑ってくれる貌は頬も真っ赤で、それでも晴れやかな笑顔は綺麗だった。

だけど彼女がリストカットして泣いた理由はちっとも晴れやかじゃない、
痛みを確かめないと死にそうなほど花サンが辛くなる、それは昨日今日の問題じゃない。
その引金をひいた理由にこれから向きあう予想は当然で、その原因が哀しいから悔しくて、御曹司クンを許せそうになかった。


Aesculapius「Saturnus30」読み直したら校了です、
校正ほか終わったら第77話か短編連載の続きを予定しています。
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取り急ぎ、



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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚167

2014-07-30 01:38:09 | 雑談寓話
雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚167

正月2日夜、御曹司クンと前も行った和ダイニング駐車場付で呑んで、
ノンアルコールビールな御曹司クンは酔っ払いみたいに絡んでくれて、

「あのさ、もしかして明日のデートってその歯医者?それでメールしてる?」
「明日は花サンだけど?笑」

って正直に答えたら御曹司クンが挙動不審になり、

「へ、えー田中さんとあうんだそっか、」

いつもと違う反応に変だと思った、で、考えついた通りに訊いてみた、

「年末、花サン誘って山下公園だった?」

で、当たりな解答を御曹司クン拗ねてきょどった、

「っ…だったらなんですかーお互いつきあってる相手もいないし別に変じゃないし、拗」

ホントなんてことしてくれるんだ?って正直思った、

この拗ねたがり+惚れっぽいヤツはほんと解っていない、それを責めても仕方ない。
だけど花サンのこと考えるとホントに苛立った、何も解っていない馬鹿だと言ってやりたかった、
きっと明日は泣かれるだろう、土日には確実に泣くだろう、そんな予想ごとグラス空けて席を立った、

「帰る、」

ごめんホント今もう顔見てるのキツイ、
そんな本音とざっくりな割勘代金をテーブルに置いて、個室出ようとして止められた、

「待てよ、なんでイキナリ帰るんだよ?」

ほんとワケ解らないよ?
そんな貌で見てくる御曹司クンはホント解っていないだろう、
解らなくて当然だって解ってる、それでも肚立って素っ気なく笑った、

「おまえにムカつくからだよ?じゃ、笑」

御曹司クンは何も知らない、だから怒るのは意味がないかもしれない?
だけど許せないだけの理由がある、そのままに扉を開けて外に出た。

とりあえずバスまだある時間だろう?

そんな予想と歩いて思った通りバス停を見つけて、最寄駅までのバス来たから乗って、
帰宅して、トリアエズ風呂すませてから携帯電話を開いたら着歴が幾つか入っていた、
そのうち御曹司クンが大半で、1件だけ違う電話番号に掛け直して開口一番に言った、

「こんばんわ花サン、明日は車で迎えに行ってイイ?笑」

これならNoを言わせる隙を埋められる、
そう解ってるまんま笑った電話ごし花サンも笑ってくれた、

「トモさんのお迎えって久しぶりだね、お願いしていい?」
「イイよ、車だから遠出も出来るけどリクエストある?笑」

訊きながら多分そうだろなって予想して、その通りに返事を笑ってくれた、

「富士山が見えるとこ行きたいな、雪道かもしれないけど大丈夫?」
「ダメなら誘わないよ、その代り朝早いけどよろしくね?笑」
「楽しいことで朝早いのは平気、笑」
「じゃあよろしくね、笑」

なんてカンジに最後は笑って電話を切ってくれた、
これで明日まで花サンは落込まないだろう?でも応急処置だってくらい解かってる、
それでも幾らか安心して、目覚まし時計+携帯電話のアラーム3個かけてベッドに入った、

で、睡眠も明日も邪魔されたくないから御曹司クンだけ呼出音を無音+無振動のモードにした、

明日次第ではずっとこのままかもしれない?

そんなこと考えながら携帯チェックして、
そしたら受信メール2つ入ってるから開いて見た。

From:歯医者
本文:こんばんわ、本のおススメありがとうございました。
   明日また本屋に行ってみます、感想また送らせてもらいますね。
   歯の調子はどうですか?

最後〆を「?」で送ってくれている、
これは返事が欲しいって場合に使う、だから素直に返信した、

Re :歯は無事です、今日もゴハンおいしかったし、笑

ホントは夕飯がイマイチだったけどね?笑
なんて考えながらもう一通を開いたら案の定だった、

From:御曹司クン
本文:なんでいきなり帰るんだよ?そんな怒るなんて田中さん誘ったから?
   俺と田中さんが一緒してもおまえに怒る権利なんて無いだろ、俺だって自由にデートしていいじゃん?
   おまえが俺のこと本気で好きでつきあってくれてるんなら怒られて当り前だって思う、それなら俺だって謝るけど。

こんな文面に御曹司クンの意図が解かるみたいでナオサラ嫌になった、
なぜ御曹司クンが花サンを年越の山下公園に誘ったのか?
その理由と目的が解かるのが嫌だった、で、想った、

ホントそろそろ終わりかもしれない?

第38回 1年以上前に書いたブログブログトーナメント

第77話「決表6」校了、周太と田嶋の会話@仏文研究室、
Favonius「少年時譚29」加筆ほぼ終わりました、希と光一の会話です。
校正ほか終わったらAesculapiusか短編連載の続きを予定しています。

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深夜に取り急ぎ、



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山岳点景:夏の風景

2014-07-29 22:30:00 | 写真:山岳点景
陽の反射



山岳点景:夏の風景

向日葵が咲きはじめました、コレ見ると夏休みな気分になります、笑




この花は種の配列が螺旋になってるんですけど、その配置はシンパーブラウンの法則に則っています。
いま数式が全てを解くってドラマもやってますけど自然科学の世界では数字が言語=摂理を解く鍵なのもホントです。
で、シンパーブラウンの法則は基礎になる数列はフィボナッチ数列と言いますが、

1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144…

この次に来る数字は解りますか?笑
種明かしすると隣の数字の合計=和が次の数字になっています、

1+2=3、2+3=5

と続いていくんですけど、
この数列が生物や植物の配列など様々な数字になっています。
植物の葉の枚数・位置・つき方の法則、花びらの数、ひまわりの種の配列、
など、実際に山野で見ると確かにフィボナッチ数列の数字に該当するワケです。

なんてアタリのこと調べると夏休みの自由研究には良いかもしれません、笑

稲垣栄洋『植物の不思議な生き方』

朝日文庫から出ている本ですが、コレ読むと自然科学の色んな「?」が解けます。
植物学に興味のある方なら入門書に良い本ですが、ココに出ていることを元に自分で実験してみると良い自由研究になるかなと。
他にも山が青く見える理由や蘭の植生、花の形状・色と虫の関係性、紅葉と越冬の関係などなど、自然界の謎解ミステリーが楽しめます。

自由研究ブログトーナメント



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山岳点景:水廻る、夏×冬

2014-07-29 22:00:00 | 写真:山岳点景
空、大地、泉に川から海、そして雲、雨



山岳点景:水廻る、夏×冬

この一年で見た水の写真です、
上は三頭大滝の上部、渓流のワンシーン。



上は↑富士4合目の雨になります。
下は払沢の滝@東京都にて↓冬の凍結した飛沫。



南八ヶ岳の氷の花。
霜柱の巨大化したカンジ↓5cmはありました。



雨上がりの秋の河原、
中津川@神奈川県にて葛の葉に光る白露。



夏、大滝@東京都にて、
苔緑が綺麗な渓流で人が少ないポイントです。



初夏の八ヶ岳にて石清水↓のアップ、
近くに女神の氷水って湧水があります、そこは沸かせば飲用可だそうです。

参加し易いような気がするブログトーナメント



第77話「決表6」校了です、
Favonius「少年時譚29」加筆校正まだします、

取り急ぎ、



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第77話 決表act.6-another,side story「陽はまた昇る」

2014-07-29 07:25:09 | 陽はまた昇るanother,side story
snow-blink 学者の灯



第77話 決表act.6-another,side story「陽はまた昇る」

窓すこし曇って白い、外は寒いのだろう。

あまい湯気ゆるやかな芳香すすりこんで喉から温まる、座るソファも柔らかい。
ならんだ書架ほろ苦いような甘いような乾いた匂いは古書、積まれた書類の束はインクの香る。
たくさんの本たちに一見は雑然として、けれど空気どこか清々しいのは掃除も換気もしているのだろう。

―でも片付けは苦手なんだね?

心裡ほっと笑ってしまいたくなる、だって部屋の主らしい?

ここの書棚は整然と並ぶ、大切に読み継がれてきたのだと背表紙で保管の良さが解かる。
これだけの蔵書を埃ひとつなく護ることは毎日の掃除が欠かせない、そして机に積まれた本たちは棚から溢れたのだろう。
そこにも埃や日焼の痕は無い、けれど書斎机だけは堆積された書類たちに埃も積もりそうで、すこし心配な想いに学者が笑った。

「周太くん、俺の机が雪崩そうだって思ってるんだろ?」

解ってるなら片づけられたら良いのにね?

そう言い返したくなって可笑しくなる、あまりに悪びれていないから。
浅黒い笑顔はくしゃくしゃ髪、ワイシャツの衿元はボタン外してネクタイ緩んでいる。
いま12月の雪の午後、それなのに袖捲りした姿は大学教授というより悪戯っ子で周太は微笑んだ。

「田嶋先生もそう思ってるんですか?」
「そりゃ思ってるぞ、でもこうなっちまうんだよなあ、」

からり笑った言葉遣いも気さくに明るい。
その瞳に雪あかり燈った虹彩が意外で、つい尋ねた。

「あの、田嶋先生のお母さんは外国の方ですか?」

学者の瞳は鳶色に見える、くしゃくしゃ髪も半白だけれど赤っぽい。
今まで気付かなかった風貌に学者はからり笑った。

「両親とも安曇野の人間だぞ、俺の髪と目が日本人ぽくないんだろ?」
「はい、あの、すみません、」

失礼なこと訊いたかもしれない?
そんな反省と謝ったティーカップ越し田嶋は笑ってくれた。

「謝ることないぞ、馨さんもアッチの人間の生まれ変わりだ言ってくれたしな?ガキの頃もソンナ綽名で呼ばれてたよ、」

父も同じように感じていた、そう告げられて遠い時間を見つめてしまう。
今より三十年は前の時間、けれど今この現実に向きあえる鳶色の瞳と紅い髪に笑いかけた。

「あの…もしかしてベートーヴェン?」

嵐がぶつかったみたいだな?
そう賢弥も言った通りのくしゃくしゃ髪から連想してしまう。
だから最初に思いついた解答へと父の旧友は愉快に笑った。

「あっはは、半分当たりだ、ガキの頃はソレだったが馨さんは違う名前をくれたよ、」

大らかな闊達が笑ってティーカップに口つける。
その茶器も真白に藍模様あざやかで手入れが良い、きっと大切に使っている。
こうした丁寧なところ研究室の主は優しい、そのくせ片づけられない自由過ぎる笑顔へ尋ねた。

「なんて名前を父は?」
「ははっ、ソレも当ててほしいとこだぞ?いつかで良いからさ、」

愉しげに答えてくれる眼差し悪戯っ子に笑っている。
こんな応答を父ともしていたのだろうか?そんな想い嬉しいまま学者は訊いてきた。

「さて、そろそろ馨さんの恋愛結婚を聴かせてもらおうじゃないか?周太くん知ってるんだろう、」

やっぱりその質問はされちゃうんだ?

こういう話題は困らされる、だってやっぱり照れてしまう。
それでも答えなかったら自分の質問権が無くなるようで周太は口開いた。

「あの…桜の下だってきいています、」

幼い日に聴いた記憶へ口開く、その言葉に物語が還ってくる。

“ 桜 ”

いつも父に咲いている花、そして母にも自分にも咲いている。
この花と向き合う紅茶の湯気に鳶色の瞳は微笑んだ。

「桜の下が出逢いか、馨さんは君のお母さんを桜のドリアードだって思ったんじゃないかい?」

どうして解かっちゃうんだろう?
いま花の名前ようやく告げただけ、それでも解かって訊いてくれる。
こんな人なら本当に父の友人だ、きっと唯一アンザイレンパートナーだった、この確信と尋ねた。

「はい、夜桜の下でドリアードに逢ったって…どうして解かるんですか?」
「やっぱりそうか、ロンサールだな?」

低く響く声が笑って肘掛椅子を立ち上がる。
書斎机の小山から一冊、そっと手にとるとページ開いてくれた。

「湯原教授の訳文つきだよ、馨さんも好きな詩だ、」

 Dedans des Prez je vis une Dryade,
 Qui comme fleur s'assisoyt par les fleurs,
 Et mignotoyt un chappeau de couleurs,
 Echevelee en simple verdugade.

 Des ce jour la ma raison fut malade,
 Mon cuoeur pensif, mes yeulx chargez de pleurs,
 Moy triste et lent: tel amas de douleurs
 En ma franchise imprima son oeillade.

 La je senty dedans mes yeulx voller
 Une doulx venin, qui se vint escouler
 Au fond de lame et: depuis cest oultrage,

 Comme un beau lis, au moys de Juin blesse
 D'un ray trop chault, languist a chef baisse,
 Je me consume au plus verd de mon age.

 緑野に映るのは森の精ドリアード
 花にかこまれ寛ぐ姿は美しい花
 色あざやかな花冠を戴く翳は
 緑艶めく髪の遊んで揺れる

 その姿を見た瞬間に恋は悩み
 心騒いで涙あふれて
 恋の苦しみと悩みは積もるまま募り
 恋の眼差しに苛まれて

 私の瞳は甘やかな毒を注がれる
 その毒が魂の奥深く浸みこんで
 この心に傷深く刻みこむ

 うつくしい六月の百合の花のように
 太陽の熱に照らされるまま頭を垂れて
 青春の季はすべなく過ぎてゆく

「ロンサールですね、カサンドラへのソネットシリーズの森の精ドリアード…僕も父に読んでもらいました、」

読みながら答えて懐かしい。
この詩も父に読んでもらった、あの朝に雪の森へ出掛けている。
幸せな冬の一日が異国の詞に微笑ます、その喜びに父の旧友は笑ってくれた。

「きっと君のお母さんにも読んでるぞ、告白の代わりにな?だから周太くんに教えたかったんだろうな、」

そうかもしれない、あの父なら。
そんな納得から素直が微笑んだ。

「そうですね…あの、田嶋先生とそんな話してたんですか?」
「してたぞ、ドリアードのことは最初の穂高だな、」

低い透る声は愉しげなまま温かい。
懐かしい時間がそこにある、その全て映した一冊に周太は口開いた。

「父の本も穂高だって仰っていましたよね、田嶋先生がまとめて下さった…夏山の緑と雪山の銀色と、」
「ああ、穂高の色だよ。栞の紐は空だ、朱色も青も、」

答えてくれる言葉に確信また深くなる。
この人は父を大切に想う、そんな信頼に尋ねた。

「どうして栞の色は空なんですか?」

親友でアンザイレンパートナー、そして文学の朋友でライバルなら聴いている。
きっと父の真実を見ていたなら解かっているはず、その答えに闊達な瞳が笑った。

「馨さんの名前が “空” だからだよ、ラテン語の空 “caelum” からカオルってご両親が付けたからな、空は馨の色だ、」

ほら、幼い日の記憶また呼んでくれる。

『僕の名前はね、ラテン語で空って意味なんだ。だから周太の名前も広い空のイメージで“あまねく”の字なんだよ?』

父とお揃いの意味が嬉しかった、だから今も憶えている。
まだこの事は誰にも話したことが無い、その秘密のまま父の友人へ笑いかけた。

「ありがとうございます、父のこと今でも憶えて下さっていて…すごく嬉しいです、」
「こっちこそ嬉しいよ、ずっと君に逢いたかったんだ。この研究室だって君を待ってたと思うぞ?」

鳶色の瞳が笑ってくれる聲にまた温められる。
自分こそこの人を探していた、その願いごと過去に問いかけた。

「僕も田嶋先生を探していたんです、父と祖父のこと知っている方に逢いたくて…ふたりはどんな友達がいたんですか?」

この質問には必ず答えがあるはず、田嶋なら。

『先輩は優秀な射撃の選手でな、それで湯原先生の友達で警察庁にいた方から勧められたんだ、』

この研究室を初めて訪れた、あの初対面にそう田嶋は話した。
あのとき自分が誰なのか田嶋は知らない、知らず話してくれた言葉こそ事実だろう。
あの事実そのまま今も話してほしい、この自分を湯原馨の息子だと知っても話してくれるなら?

「田嶋先生は1年生のときから研究室に来ていたんですよね、祖父の友人もここに来てたのかなって…もう亡くなられている方も多いでしょうけど、」

問いかけにティーカップの湯気かすかに揺らぐ。
この答えは必ず「来ていた」のはず、だって祖父が書いている。

『 La chronique de la maison 』

全文がフランス語で綴られている舞台はパリ郊外、ある一家に起きた惨劇から涯無いリンクの物語。
これは創作じゃない「記録」だった、そこに記された言葉たちが「来ていた」人物を示す。

Mon visiteur 訪問客
La même période de l'université 大学時代の同期
L'agent de police du Département de la Police Métropolitain 警視庁の警察官

フランス語の言葉たちが示す第三者は田嶋の言葉に重ならす。
あの惨劇に交錯した悲哀と憎悪の中心、あの第三者が「誰」なのか?
この解答を確かめたら自分は何を想うのだろう、願うのだろう、そして証人は口開いた。

「周太くんまで観碕さんとデュラン博士を訊くのか?」

なぜ「まで」そして二人いる?

「え…?」

なぜ田嶋は「まで」と問いかけるのだろう?
この言葉に途惑いごと見つめて、そして見える可能性に怖くなる。
だって「まで」をしそうな人間なんて一人しか自分は知らない、その推定に父の友人は訪ねた。

「二人の事を俺に訊きに来た男がいるんだ、馨さんと似ている男だよ、周太くんは彼を知っているのか?」

こんな「彼」は一人しか知らない、だから英二、あなたは誰?



(to be continued)

【引用詩文:Pierre de Ronsard「Dedans des Prez je vis une Dryade」】

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚166

2014-07-29 00:28:02 | 雑談寓話
雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚166

正月2日夜、御曹司クンと前も行った和ダイニング駐車場付で呑んで、
ノンアルコールビールのはずな御曹司クンなのに酔っ払いみたいになった、笑

「なんだよもーいつまで携帯にらめっこしてんだよもーさっさとテキトーに返信しちゃえよ歯医者のナニがいいわけ?拗」

なんてカンジに絡んでくる、
新年早々コレなんだ思いながらも笑ってやった、

「テキトーとか無理、身内が世話になってる歯医者だからね、笑」
「そーやって大人ぶるんだからさーいつも冷静に返しやがってもー拗」

とかなんとか言ってくるの適当に相手しながら考えて、
歯医者へと次おススメ本を返信して携帯電話しまったらビールジョッキ(ノンアルコール)片手に訊いてきた、

「あのさ、もしかして明日のデートってその歯医者?それでメールしてる?」

なんかスゴイ飛躍だよね?笑

年末に初対面したばかりの相手と何で明日また会うのか?
なんだってそうなるんだろ思いながら訊き返してやった、

「新幹線に乗ってドッチが行くわけ?笑」
「それは向うじゃね?オマエこのあいだ行ったバッカだしさー、拗」
「ふうん?笑、」
「あっ、なにその笑い、なんだよ図星かよー拗」

なんてカンジに訊いてきて、
そんな的外れな図星に軽くSってやった、

「明日は花サンだけど?笑」

って正直に答えて笑って、そしたら御曹司クンが挙動不審になった、

「へ、えー田中さんとあうんだそっか、」

また二人で会うのかよズルいーなんて言うのが普段通り。
だけど今回は違う反応に変だと思った、で、考えついた通りに訊いてみた、

「年末、花サン誘って山下公園だった?」

From:御曹司クン
本文:いま年越カウントダウンで山下公園に来てる、隣にいるのオマエだったらいいのに。
   いつも素っ気ないし意地悪だしメールも短いのしか返してくれないし、
   電話も圏外なこと多いし寝てて出てくれないし今も遠くに行ってるし、
   いま隣にいる大学の友達のことマジ羨ましいし嫉妬してる、
   <中略>
   もうじき今年も終わるけどオマエのコト考えてる時間がいちばん長い一年だったよ。
   こんだけ長い片想いって俺初めてなんだからな?

なんていう長文メールを年末にくれていた、
あんな長ったらしい文章を「隣にいる」誰かがいるのに送ってくるのも変だ?
普通なら誰か一緒にいるのにアンナ長いメールを書いていたりしない、そんな常識に訊いたら御曹司クン挙動不審×拗ねた、

「っ…だったらなんですかーお互いつきあってる相手もいないし別に変じゃないし、拗」

確かにその通りだろう?
だけど両方の事情を知っている、だから困ったことになったと思った、

もしかして明日は泣かれるかもしれない?

そんな予想にもうキツクなった、
たぶん明日は花サン泣くだろう、もし明日に泣かなくても土日に泣かれるかもしれない?
そんな予想が簡単に出来るから解かっていない御曹司クンに正直なトコ苛立って、で、呑みかけのジントニック空にして言った、

「帰る、」



Aesculapius「Saturnus29」校了しました、朝に第77話か短編連載の予定です。
この雑談or小説ほか面白かったらバナーorコメントお願いします、続けるバロメーターにもしてるので。

深夜に取り急ぎ、



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山岳点景:岩嶺×夏花の名前

2014-07-28 23:30:10 | 写真:山岳点景
頭上の空、足許の花



山岳点景:岩嶺×夏花の名前

横岳@北八ヶ岳、通称・北横岳を眺める坪庭を歩きましたけど、
岩石の多い山容は雄渾で、だけど足元には高山植物が可愛かったです。

で、横岳神社の周辺で多く見たこの花なんですけど名前をご存知の方いますか?



手持ちの図鑑を見てもちょっと見当たらないんですよね、
ロープウェー駅にあったパンフレットにも載っていなくてワカランです。

花や蕾の形からしてアザミやタンポポの一種かなとも思ったのですが。
外来種な感じもするんですけど、北海道に多い「紅輪蒲公英」コウリンタンポポなのかなとか思っています。



もし紅輪蒲公英だとしたら明治期に渡来して野生化したそうなんですが、
ソレが標高2,000m超@長野県の小さな祠前に咲いているって事が不思議で面白いなと、笑

下の写真が横岳神社、その周りに小さなオレンジ色の点で見えるのが紅輪蒲公英らしき花です。



祠と一緒に撮りたかったんですけど、そのポイントに花が無くてコンナ↑小さくなっています、笑
実際その場で見ると朱色から黄色のグラデーションの花は沢山あちこち咲いて緑と岩の山に映えます。

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Short Scene Talk 夏休某日1―Side Story act.23

2014-07-28 22:11:03 | short scene talk SS
未来点景@或る夏の日1
side story第77話+XX日後



Short Scene Talk 夏休某日1―Side Story act.23

「ん…照(英二と駅で待ち合せるの久しぶりだねナンカ照れちゃう照)」
「…あ、お花屋さん(そうだ折角だから寄って行こう久しぶりだもの喜×照)」
「あの、こんにちは…照(久しぶりだけど憶えていてくれるかな照×期待)」
「まあ(あの子だわ嬉)こんにちは、久しぶりね、元気だったの?(笑顔)」
「はい、元気です…こちらに来ることが少なくてご無沙汰していて、照(相変わらず綺麗なひと花の女神さまみたい照)」
「元気なら良かったわ、しばらく来ないから心配していたの。お花ゆっくり見ていってね?(この子来るとなんか嬉しいな)」
「はい、おじゃまします(笑顔)この白いバラすごく可愛いですね、照(なんかこの人と似ているな涼しげで透明感あってきれいで照)」
「その子は今日いちばんの美人さんだと思うわ(笑顔)(そうだ今日は)ね、すこし連れて帰ってくれる?もちろんサービスで(喜んでくれると良いな)」
「え、(嬉しいなでも)あの、だったらお代ちゃんとします、お花に失礼だから(それにお姉さんの努力に悪いものお花こんなに綺麗にしてるのに)」
「今日はいいのよ、久しぶりに逢えたプレゼント(笑顔)(来てくれるだけで嬉しいもの元気そうで良かった)」
「じゃあ…遠慮なく戴きます、照(プレゼントなんて嬉しいな素敵なんだものこのひとホント優しくて綺麗で女神さまで照)」
「良かった、すぐ包むわね。いつもの彼と待ち合わせなんでしょう?(笑顔)(ほんと可愛い子だな高校生だと思うんだけどこんな弟がいたら愉しいだろうな)」
「はい…照笑顔(いつものなんて言われちゃった照そうだ駅ここから見えるのかな英二まだ来ていないよね)」

「あれ?(周太まだ来ていない珍しいな俺の方が早いなんて)」
「うん…?(どこか本屋とかにいるのかな他に行きそうなところってそうだ)もしかして、」
「あっ、(やっぱり花屋にいたっていうか楽しそうに笑ってる周太なんだか妬けるどうしよう)」
「周太…(やっぱりあの人のコト好きなんだろうな憧れてるって言う時いつも頬染めるし周太いまも頬染めてるし)」
「あ、(周太こっち向きそう隠れないと)」
「ってなんで俺が隠れるんだよ?(なんか俺ちょっとストーカーっぽいなんだろもう凹泣)」


周太と英二@新宿駅の花屋をめぐるワンシーンです、笑

Aesculapius「Saturnus29」読み直したら校了です、
次は短編か「side story, another」かナンカUP予定ですけど体調イマイチなんで順延かもしれません。

気分転換がてら取り急ぎ、




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