野に、君がため、
足もと光る、ほら夜が明ける。
見はるかす漆黒が青くなる、登山靴の足もと銀色またたく。
こんな頂まで来てしまった、厳冬の朝風つい笑った。
「なあ?俺たち星を見たかったダケよな、」
「うん、そうだよ?」
ほら君の声が笑う。
漆黒しずむ雪嶺は横顔が見えない、けれど瞳ふたつ明るむ。
きっと大きな目元ほころんで柔らかい、それが見えるほど同じ時を歩いたから。
「こういう星を見たいから、啓太も僕も大学に入ってここに来たよ。でしょ?」
低めのテノール朗らかに響く、暁闇の風はるか星たち奔る。
この星空もっと遠くて、隣の声もっと高かった。
けれど言ってること変わらない、同じだ?
「おう、あれから13年だな、」
応えて懐かしい、幼い夜と星の約束。
ただ星を見たかった、そのために受験も越えて、時を生きて今ここにいる。
「まだ13年だよ、これからが長いんだから。でしょ?」
ほら君が笑う、黎明ふきはらう声だ。
そうして昇りだす明けの明星、唯一の輝きに笑った。
「おう、ジイサンになっても天体観測しよう。ずっと、」
「もちろん、」
ならんだ足もと光る、ほら夜が明ける。
明けてゆく空に星が呑まれる、それでも消えるわけじゃない。
幾星霜ちりばめる天体あおぐ今、その足もとひとつ、芽生えの春。
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2月16日誕生花フキノトウ蕗の薹
如月十六日、蕗薹―genius
足もと光る、ほら夜が明ける。
見はるかす漆黒が青くなる、登山靴の足もと銀色またたく。
こんな頂まで来てしまった、厳冬の朝風つい笑った。
「なあ?俺たち星を見たかったダケよな、」
「うん、そうだよ?」
ほら君の声が笑う。
漆黒しずむ雪嶺は横顔が見えない、けれど瞳ふたつ明るむ。
きっと大きな目元ほころんで柔らかい、それが見えるほど同じ時を歩いたから。
「こういう星を見たいから、啓太も僕も大学に入ってここに来たよ。でしょ?」
低めのテノール朗らかに響く、暁闇の風はるか星たち奔る。
この星空もっと遠くて、隣の声もっと高かった。
けれど言ってること変わらない、同じだ?
「おう、あれから13年だな、」
応えて懐かしい、幼い夜と星の約束。
ただ星を見たかった、そのために受験も越えて、時を生きて今ここにいる。
「まだ13年だよ、これからが長いんだから。でしょ?」
ほら君が笑う、黎明ふきはらう声だ。
そうして昇りだす明けの明星、唯一の輝きに笑った。
「おう、ジイサンになっても天体観測しよう。ずっと、」
「もちろん、」
ならんだ足もと光る、ほら夜が明ける。
明けてゆく空に星が呑まれる、それでも消えるわけじゃない。
幾星霜ちりばめる天体あおぐ今、その足もとひとつ、芽生えの春。
蕗の薹:ふきのとう、花言葉「ひとつの真実、待望、仲間、愛嬌」
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失ってもなお、涯は
「長野の警察病院では、どう言われました?」
穏やかな落ち着いたテノール、けれど耳朶ふかく叩かれる
あまり穏やかな状態じゃないな?予想と英二は口ひらいた。
「手には異常がないと言われました、でも吉村先生は違うご見解なのですね?」
雪ひそやかな山里の診療所、けれど「神の手」と評される医師。
その慧眼は穏やかに英二を見た。
「右腕をこちらへ伸ばしてくれるかな、」
言われるまま右腕を伸ばして、白衣の掌が受けとめてくれる。
ふれられた小指やはり感覚が鈍い。
「楽にしてくださいね、」
言いながら右腕そっと台に置いてくれる。
ふれる素肌ひんやり冷たい、暖房あたたかな診療所の外気がはかられる。
「指の変形はないね、ちょっと肘の内側を叩くよ?」
穏やかな声が告げて、右肘の内側ととん、刺激が奔った。
「つっ…!」
ぴりっ、小指と環指に痺れが奔る。
ととん再び叩かれて、疼いた痺れに医師が尋ねた。
「痛むんだね、痺れる感じかな?」
「はい、」
肯いて鼓動そっと軋む。
何か異常がある、そんな空気を左肘そっと曲げられた。
「思いきり肘を曲げて、しばらくそのままでお願いします、」
指示のまま右腕ぐぅっと曲げ、止める。
静かな視線に守られて数刻、小指と環指じくり痺れだした。
「…っ、」
痛い、そして感覚じくり疼いてゆく。
ふれているはずの医師の掌、それすら分からなくなって終わった。
「はい、楽にしていいですよ。痛い思いさせて申し訳ありませんでした、」
「いいえ、ありがとうございます、」
捲られた袖を戻しながら、小指と環指じわり疼く。
痺れの余韻まだ響くまま、医師に問われた。
「宮田くんはこのレントゲン、どう見る?」
示された画像、青白く骨格が浮かぶ。
自分の現実まっすぐ見つめて、英二は口を開いた。
「はい、関節の隙間が少し狭いでしょうか。肘部管症候群と似ていると思います、」
テキストで見た記憶、症例のレントゲン写真が重ならす。
まさか自分事になるなんてな?見つめるまま医師が告げた。
「そうですね、肘部管症候群でしょう、」
告げられた言葉の空気、かすかな渋い匂い刺す。
薬品の空気みちる診察室、穏やかな声が続けた。
「尺骨神経は小指と薬指半分の感覚を司っていますが、内在筋という手の細かい動作を担う筋肉へ命令を伝達しています。この尺骨神経の障害です、」
告げられるレントゲン画像の上、ポインターが青白い骨格をなぞる。
あわく白く映る神経に医師は言った。
「今の状態なら手術までは必要ありませんが、この神経は回復しにくい神経です。じっくりと回復に務めなければいけません、」
回復しにくい、その一言そっと刺される。
この自分が就いている職務には致命的かもしれない、それでも静かに声は響く。
「今の状態、まだ症状が軽い初期なら数ヶ月で回復することが多いです。ですが無理をして、もし神経が強いダメージを受けると軸索変性という状態になります。軸索変性になると回復速度は1日1mmとも謂われているんだ、そして肘から指先まで30cm以上あるだろう?」
静かな声、けれど鼓動まっすぐ響く。
詰まらせる呼吸そっと吐いて、英二は微笑んだ。
「治療で神経が回復し始めても、回復には1年はかかることになりますね、」
1年、その間「じっくりと」なんて時間あるだろうか?
日々のトレーニングと臨場を想う前、医師は告げた。
「もし放置すれば完全な回復が得られないかもしれないんだ、どうか宮田くん、きちんと後藤さんと今の上司の方に相談して治療に務めてください、」
これは見透かされたな?
敵わない相手に困りながら微笑んだ。
「数ヵ月の辛抱ということですね、」
「その数ヵ月が、君が山で一生を生きられるかの分岐になるということです、」
告げる声は静かで、そのくせ逸らさない眼が自分を映す。
ほろ苦く刺す空気あわい診察室、医師はカルテにペンを執った。
「まず保存療法を試みましょう、日常生活の工夫で悪化防止していきます。まず肘を強く曲げる動作や姿勢をできるだけ避けてください、」
肘を強く曲げる、なんてしないで済むだろうか?
ザイル手繰る山の現場、トレーニング、そんな自分の日常に医師が笑った。
「君の場合は訓練や救助で肘を曲げることも多いから、サポーターをしましょう、就寝時は肘にバスタオルを巻いて肘を曲がりにくくして、」
穏やかな眼差し笑いかけてくれる、その言葉が日常に寄り添う。
解ってくれている、安堵そっと笑いかけた。
「吉村先生は、山をやめろとは仰らないんですね、」
「言ってもやめないでしょう?君は、」
ペン走らせながら笑ってくれる。
インクひそやかに香るデスク、穏やかな声が言った。
「左橈骨粉砕骨折、それが最も重症の部位でした…雅樹は、」
告げられる名前、けれど白衣の横顔おだやかにカルテを見る。
万年筆を奔らす長い指、ことん、ペン先が止まった。
「よかった、君が無事で、」
穏やかな声、いつもの微笑。
いつもどおり横顔は静かで、それでも燻る哀しみに笑いかけた。
「俺は無事です、山岳救助隊は全員帰還ですから、」
この医師の息子は死んだ、医学部五回生、雪山の風に。
もう15年以上経って、それでも抉られる傷みへ微笑んだ。
「吉村先生、俺は必ず帰ります。そのためにも治療お願いします、」
笑いかけて頭下げて、横顔そっと肯いてくれる。
掠れる小さな滴の音、カルテの窓ふる雪やわらかな陽ざし。
※校正中
(to be continued)
第86話 花残act.25←第86話 花残act.27
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英二24歳4月
第86話 花残 act.26 side story「陽はまた昇る」
「長野の警察病院では、どう言われました?」
穏やかな落ち着いたテノール、けれど耳朶ふかく叩かれる
あまり穏やかな状態じゃないな?予想と英二は口ひらいた。
「手には異常がないと言われました、でも吉村先生は違うご見解なのですね?」
雪ひそやかな山里の診療所、けれど「神の手」と評される医師。
その慧眼は穏やかに英二を見た。
「右腕をこちらへ伸ばしてくれるかな、」
言われるまま右腕を伸ばして、白衣の掌が受けとめてくれる。
ふれられた小指やはり感覚が鈍い。
「楽にしてくださいね、」
言いながら右腕そっと台に置いてくれる。
ふれる素肌ひんやり冷たい、暖房あたたかな診療所の外気がはかられる。
「指の変形はないね、ちょっと肘の内側を叩くよ?」
穏やかな声が告げて、右肘の内側ととん、刺激が奔った。
「つっ…!」
ぴりっ、小指と環指に痺れが奔る。
ととん再び叩かれて、疼いた痺れに医師が尋ねた。
「痛むんだね、痺れる感じかな?」
「はい、」
肯いて鼓動そっと軋む。
何か異常がある、そんな空気を左肘そっと曲げられた。
「思いきり肘を曲げて、しばらくそのままでお願いします、」
指示のまま右腕ぐぅっと曲げ、止める。
静かな視線に守られて数刻、小指と環指じくり痺れだした。
「…っ、」
痛い、そして感覚じくり疼いてゆく。
ふれているはずの医師の掌、それすら分からなくなって終わった。
「はい、楽にしていいですよ。痛い思いさせて申し訳ありませんでした、」
「いいえ、ありがとうございます、」
捲られた袖を戻しながら、小指と環指じわり疼く。
痺れの余韻まだ響くまま、医師に問われた。
「宮田くんはこのレントゲン、どう見る?」
示された画像、青白く骨格が浮かぶ。
自分の現実まっすぐ見つめて、英二は口を開いた。
「はい、関節の隙間が少し狭いでしょうか。肘部管症候群と似ていると思います、」
テキストで見た記憶、症例のレントゲン写真が重ならす。
まさか自分事になるなんてな?見つめるまま医師が告げた。
「そうですね、肘部管症候群でしょう、」
告げられた言葉の空気、かすかな渋い匂い刺す。
薬品の空気みちる診察室、穏やかな声が続けた。
「尺骨神経は小指と薬指半分の感覚を司っていますが、内在筋という手の細かい動作を担う筋肉へ命令を伝達しています。この尺骨神経の障害です、」
告げられるレントゲン画像の上、ポインターが青白い骨格をなぞる。
あわく白く映る神経に医師は言った。
「今の状態なら手術までは必要ありませんが、この神経は回復しにくい神経です。じっくりと回復に務めなければいけません、」
回復しにくい、その一言そっと刺される。
この自分が就いている職務には致命的かもしれない、それでも静かに声は響く。
「今の状態、まだ症状が軽い初期なら数ヶ月で回復することが多いです。ですが無理をして、もし神経が強いダメージを受けると軸索変性という状態になります。軸索変性になると回復速度は1日1mmとも謂われているんだ、そして肘から指先まで30cm以上あるだろう?」
静かな声、けれど鼓動まっすぐ響く。
詰まらせる呼吸そっと吐いて、英二は微笑んだ。
「治療で神経が回復し始めても、回復には1年はかかることになりますね、」
1年、その間「じっくりと」なんて時間あるだろうか?
日々のトレーニングと臨場を想う前、医師は告げた。
「もし放置すれば完全な回復が得られないかもしれないんだ、どうか宮田くん、きちんと後藤さんと今の上司の方に相談して治療に務めてください、」
これは見透かされたな?
敵わない相手に困りながら微笑んだ。
「数ヵ月の辛抱ということですね、」
「その数ヵ月が、君が山で一生を生きられるかの分岐になるということです、」
告げる声は静かで、そのくせ逸らさない眼が自分を映す。
ほろ苦く刺す空気あわい診察室、医師はカルテにペンを執った。
「まず保存療法を試みましょう、日常生活の工夫で悪化防止していきます。まず肘を強く曲げる動作や姿勢をできるだけ避けてください、」
肘を強く曲げる、なんてしないで済むだろうか?
ザイル手繰る山の現場、トレーニング、そんな自分の日常に医師が笑った。
「君の場合は訓練や救助で肘を曲げることも多いから、サポーターをしましょう、就寝時は肘にバスタオルを巻いて肘を曲がりにくくして、」
穏やかな眼差し笑いかけてくれる、その言葉が日常に寄り添う。
解ってくれている、安堵そっと笑いかけた。
「吉村先生は、山をやめろとは仰らないんですね、」
「言ってもやめないでしょう?君は、」
ペン走らせながら笑ってくれる。
インクひそやかに香るデスク、穏やかな声が言った。
「左橈骨粉砕骨折、それが最も重症の部位でした…雅樹は、」
告げられる名前、けれど白衣の横顔おだやかにカルテを見る。
万年筆を奔らす長い指、ことん、ペン先が止まった。
「よかった、君が無事で、」
穏やかな声、いつもの微笑。
いつもどおり横顔は静かで、それでも燻る哀しみに笑いかけた。
「俺は無事です、山岳救助隊は全員帰還ですから、」
この医師の息子は死んだ、医学部五回生、雪山の風に。
もう15年以上経って、それでも抉られる傷みへ微笑んだ。
「吉村先生、俺は必ず帰ります。そのためにも治療お願いします、」
笑いかけて頭下げて、横顔そっと肯いてくれる。
掠れる小さな滴の音、カルテの窓ふる雪やわらかな陽ざし。
※校正中
(to be continued)
七機=警視庁第七機動隊・山岳救助レンジャー部隊の所属部隊
第86話 花残act.25←第86話 花残act.27
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大河ドラマ、小さいころから見てるんですけど。
ここ数年あんまり見ていないんですよね。
っていうのは、考証が雑だから。
What is History?
エドワード・ハレット・カー博士がケンブリッジ大学で行った講演をまとめた著述で、
歴史学の入門書に挙げられているんですけど。
「歴史とは過去と現在の対話である」
「歴史とは主観と客観の対話」
なんてフレーズが出てきます、
といっても自分も読んだの直近5年以上たっているので、ちょっと表現違っていたらすみません。
また読み直さないとですね、笑
で、ここんとこの大河でひどいなー思うこと・その1「女性の名前」
戦国時代までの日本は女性も相続権があったり城主になったりしているんですけど。
誰かの嫁さん・正妻側室いずれも出身氏族や出身地の名前で呼ばれ、記録されていたりします。
たとえば、
生駒殿=織田信長の側室で生駒氏出身
西郷局=三河西郷氏出身、徳川家康側室で徳川秀忠生母
ほかにも下山殿=徳川家康側室で下山館育ち、岩村殿=織田信長の叔母で岩村城主、などなど。
で、ここんとこ徳川家康側の正室=築山殿の名前を瀬名と某河ドラマは定説みたいに言ってるけれど、
築山殿=瀬名氏俊の娘または瀬名館で生まれたから瀬名殿と呼ばれた説あり・ただし史料に「瀬名=名前」という記述は無いのだとか。
ようするに瀬名殿と呼ばれていたとしても、生駒殿や下村殿と同じようなカンジで、それが実名のように言うのは想像の産物であって事実ではない・ってワケ。
戦国がらみで言えば、10年くらい前?の女城主いってた某河ドラマはホントどうなんだろうと。
あの時代は女城主けっこう多くて、女性が女性の名前を名乗って城主になることも家長を務めることもケッコウあったんですよね。
九州の立花誾千代=父親の盟友の息子を婿にむかえ、自身も有事には砦のひとつを護った女傑
陸奥の八戸氏21代当主・清心尼=八戸氏娘で婿養子も嗣子も亡くなった為、自分が当主として遠野を治める
美濃の岩村城主・岩村殿=織田信長の叔母でおつやの方、夫が亡くなり城主となるが武田と織田の板挟みになり刑死。
女武者は、鎌倉期だと木曽義仲の愛人の巴御前は有名。戦国時代でも立花誾千代をはじめ、剛腕ふるった女武者がわりといます。
ちょっと前の某河ドラマで女城主なんて言ってたのあったけど、アレもホントは男性だっただろう人を女にしちゃってる感がすごい。
まず記録の名前が男の名前→アレを女が男名を使ってた言い張ってるのは、今大人気のドラマの影響受けすぎじゃんね?と。
女だった言い張る根拠が史料の一つに「〇〇は女だった」書かれていたからって言うけれど、
男性を「女」と表現するのは当時よくあったことで、
どんなときソレしたかっていうと=衆道の女役・いわゆるBLの受けを「女」って表現してたんですよね。
わりと戦国や江戸期の史料や読み物に出てくる表現で、まあ、たぶん、その学者さんはマジメだからチョットアレな隠語を知らなかったんだろうなあと。笑
または、ちょっと新説うちたてて目立ちたい×認められたいっていう虚栄心。
そーゆー学者もどきワリといるんですよね、ウチの大学にもいたなあツマンナイ講義だったなあって懐かしくなります。
史実をねじまげて捏造して栄達しようってするヤツ、
2014年ソレで日本の学術すべてが世界の信用を失いかけた事件がありましたけど、
アレがどれだけ世界で日本の学者研究者に大バッシングだったのか、知らない人も多すぎて捏造栄達ヨッシャみたいなヤツが絶えないのかなあと。
で、話はもどるけど、
平安末期~鎌倉時代あたりも武家は女性にも相続権があり、女地頭なんかもよくあった話。
たとえば鎌倉期の古典『十六夜日記』は著者の阿仏尼が息子の相続権を勝ち取るために幕府へと向かった、その旅を記録した紀行文。
北條政子も兄の北條宗時が亡くなった後、北條氏の惣領としての立場からアレだけ父親にも強権が振るえたわけです。
女性から相続権や武力が消えていくのは江戸時代あたりで、それまでは女性の発言権もかなり強かったんですよね。
このあいだの某河ドラマも吾妻鏡を基にした言っているけれども、
ホントに吾妻鏡を読みこんでいたら・頼朝の愛人にされた伊藤祐親娘が「八重姫」って名前だーなんて書いていない。
あのエピソードも女性の名前も後世の創作ものに書かれているだけで、当時の史料には出てこないんですよね。
土地在住の江間小次郎に祐親娘が嫁がされた記述を義時の通称小四郎に勘違い・なんてのもあるある話。
ソモソモ・頼朝愛人の伊藤祐親娘と北條義時はカナリ近親血縁だよって史料あちこちあるので、ねえ?
↑
これを知らないで義時の長子の母親=伊藤祐親娘なんて説おったてるひといるらしいけど。
長子の後見人が誰だったか?その母親の姓は?
なんてあたり当時の史料に遺されている記録からも、祐親娘と義時の結婚はあり得ないし、泰時の母親だってナオサラ無いんですよね。
義時の長子、北條泰時の母が誰か?
っていうのは平安末期専門の学者では論争にもなるところで。
それについては埼玉の学者さんが、冷静で客観的な実証ある論文を書かれています。
発行部数が少ないため有名になっていないんですけど、自分が拝読した論文の中でベスト10に入る名著と思います。
で、なんで鎌倉時代あたりは勘違い多いのか?いうと、
平安末期から鎌倉初期は文献の考証がちょっとメンドウな時代ってことが原因だろうなあと。
吾妻鏡だけでは見えない部分が多すぎて=北條氏の政権奪取をちょっとでも正当化するために書いているから。
だから真逆の文献=貴族の日記やなんかを読まないと、吾妻鏡に書かれている事象のホントの事情が見えにくい。
また当時の坂東武士は血縁関係がとにかくスゴイ、そこを系図きっちり読みこんでからじゃないと吾妻鏡の実像も見えない。
たとえば源頼朝は氏の長者相続権を血筋が一番尊い言って正当化しているけど、その根拠自体、頼朝祖父の存在が否定しちゃってるのも系図読まないとわかんないトコ。
で、そんな考証を脚本家さんがキッチリできる時間なんて無いわけだし。
それじゃー考証任せられた人がそこまで出来るのか?っていうと、ホントのプロじゃなかったら難しいだろうなあと。
それでいつも思うのは、すなおに正直に、〇〇さん著作の〇〇っていう歴史小説を基にしました!って言えばいいじゃんねーと。
おんな太閤記は大河ドラマでも人気だった作品、
渡る世〇は鬼ばかりで有名なあのひとが脚本だったんですけど、盗作問題勃発した事でも有名な作品なんだとか。
発覚した発端は登場人物の名前→どこ調べても当時の史料からは名前が記録されていない人物の仮名が被ったから。
当時、人気だった作家さんが書いた北政所の小説。
それを書くときに作者さんは史料こまかく読みこんで、けれど名前まったく記録がない人物1名。
しかたなく仮名をつけて、その旨も「この人物は仮の名前で、史実ではありません」と記載して上梓したそうです。
で、某河ドラマ制作スタッフが脚本家さんに渡した資料に、その人物は仮名のまま記載していたんだとか。
で、脚本家さんはソレをそのまま脚本にしてしまい。
それが作家さんの耳に入り「あの名前は私がしかたなく仮名として考えたものです、史実ではありません」と脚本家さんへ連絡が。
…
ってわけで盗作したんじゃん!って話になり、
その資料担当スタッフが「自分が集めた資料の問題です脚本家さんの責任じゃありません」いうけれど、まあね、小説と類似どうしても〇〇で。
けれど作家さん「そんなことよりも、あれは創作だと、史実ではないと視聴者の方に分かって頂きたいんです。創作が歴史の捏造になったらいけません」と仰られたと。
で、おかげさまでスキャンダルなんとか逃れてドラマは放映され続け、人気になったということなんだとか。
で、思うのはソレが今でも反省なく続いているんだよなあと。
真〇丸は司馬さんの真田信繁を描いた城塞とか思いださせられるし、
新選組のドラマもアレって司馬さんの書いた新選組もの総括じゃんかなあと。
ここんとこオリジナルこれがまじかよドウミテモ真似っこすぎだろ剽窃どころかアレ続きすぎだろ、ね?
新選組を悪役から人気にひきあげたのは司馬遼太郎さんの功労のひとつで、
土方歳三の生涯をえがいた『燃えよ剣』はじめ、『新選組血風録』や対談集・考察文に新選組のことを多岐に語られています。
それらに触発された当時の作家さん達が新選組を書いて、そんなわけで今は新選組もの小説やマンガなどなど、すごいあるわけなんですけど。
それらを司馬さん作品を軸にまとめて脚本書いちゃった感がすごかったんですよね、
特に土方歳三最後の一日とか、まんまもう燃えよ剣の下巻ラストだろうなあと。
きちんと原作を尊重しない、そんな脚本は根無し草だと思うんですよね。
史実の根が解らないまんまただ盗んで描いている、だから薄い演出になっちゃうし台詞の重みも根っこなくて浮いちゃう。
そんなこんなで某河ドラマは見なくなったんですよね、
盗作を推奨するような論調なんてね、犯罪の片棒担がされるみたいで不愉快だなあと。
他方、マンガ原作でも原作を誠実に捉えたドラマは面白いなあと。
大奥って今まで見たことなかったけど、好きな俳優さん女優さん出るから見てみたら面白かった、笑
江戸期の時代推移がセットや衣装でもきちんと描かれているし、台詞から演出もきちんと原作リスペクトに重みがいいなあと。
原作者の方には、正当な、法的にも適性な著作権料をきちんと支払って欲しいとこです。
著作権の尊重は、著作物=作品への誠実な想いの現れでもあるんですよね。
作品を守るために、または作品の誕生を促すために、その糧を得る権利が著作権。
それを無視して暴利をむさぼろうなんて人間が、素晴らしい作品を生み出すとか可能なワケないだろうと。笑
だから言いたくなるんですよね、
アレとかソレとか、司馬遼太郎さん『燃えよ剣』『城塞』とか読んだほうが心臓どすんと響くだろうなあと。
このあいだのとかも永井路子さんの鎌倉幕府モノ読んだ方が面白いのかも?自分読んだことないけど。
永井さんの鎌倉シリーズ、草燃えるって題でかつて某河ドラマになっているんだけど人気すごかったんだとか。
コレもまあ架空の人物・人間関係とか頻出して、人名とか事物とか史料に沿っているわけでもなかったり色々なんだけど。
そこらへんは何て言うか、本音言ってしまえば歴史家ではなく歴女らしい視点なんだろうし、主観びっしりに創作モノとして書いたんだろうけど。
だから、まあ、焼き直し?的に?吾妻鏡ガ―言ってちょっと加えてソレっぽくしてこのあいだもやっちゃったのかもなあなんて思ってしまうんですけども。
そんな鎌倉アノあたりは司馬さんなぜか駄作で・ご自身も書き直したい言っていたんですよね。
でも書き直せなかったのは、史料あまりに膨大×あの時代専門の学者じゃないと読み解けない描けないって解ったからなのかもしれないなと。
そこらへんのこと対談集とかでご自身でも話してるから、ホント生粋の新聞記者魂で、事実を尊重して小説に描いていたんだろうなと。
歴史の娯楽作品って、そんなわけで危ないなって思うんですよね。
さっきも書いた作家さんの言葉「史実ではないと視聴者の方に分かって頂きたいんです、創作が歴史の捏造になったらいけません、」
これを最近は「自分の主観が史実ってことになったらいい」みたいな論調になっている脚本家×時代考証学者が、幅きかせちゃってんだけどドウなんだ?と。
そんなわけで最近ホント某河ドラマ見ていません、っていう一個人の私見。笑
今日がんばったから明日は休みだなーっていう深夜のツレヅレ書き、さすがに眠いです。
今日は気温が上がった=積雪が緩みやすい雪崩注意、ニュース見る時間がなかった今日だけど遭難事故なければいいなあと。
冬はトリワケ山の日暮れ早い×足元凍結する×角曲がったら雪だったりするので、どうぞ登山の方はお気をつけて。
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ここ数年あんまり見ていないんですよね。
っていうのは、考証が雑だから。
What is History?
エドワード・ハレット・カー博士がケンブリッジ大学で行った講演をまとめた著述で、
歴史学の入門書に挙げられているんですけど。
「歴史とは過去と現在の対話である」
「歴史とは主観と客観の対話」
なんてフレーズが出てきます、
といっても自分も読んだの直近5年以上たっているので、ちょっと表現違っていたらすみません。
また読み直さないとですね、笑
で、ここんとこの大河でひどいなー思うこと・その1「女性の名前」
戦国時代までの日本は女性も相続権があったり城主になったりしているんですけど。
誰かの嫁さん・正妻側室いずれも出身氏族や出身地の名前で呼ばれ、記録されていたりします。
たとえば、
生駒殿=織田信長の側室で生駒氏出身
西郷局=三河西郷氏出身、徳川家康側室で徳川秀忠生母
ほかにも下山殿=徳川家康側室で下山館育ち、岩村殿=織田信長の叔母で岩村城主、などなど。
で、ここんとこ徳川家康側の正室=築山殿の名前を瀬名と某河ドラマは定説みたいに言ってるけれど、
築山殿=瀬名氏俊の娘または瀬名館で生まれたから瀬名殿と呼ばれた説あり・ただし史料に「瀬名=名前」という記述は無いのだとか。
ようするに瀬名殿と呼ばれていたとしても、生駒殿や下村殿と同じようなカンジで、それが実名のように言うのは想像の産物であって事実ではない・ってワケ。
戦国がらみで言えば、10年くらい前?の女城主いってた某河ドラマはホントどうなんだろうと。
あの時代は女城主けっこう多くて、女性が女性の名前を名乗って城主になることも家長を務めることもケッコウあったんですよね。
九州の立花誾千代=父親の盟友の息子を婿にむかえ、自身も有事には砦のひとつを護った女傑
陸奥の八戸氏21代当主・清心尼=八戸氏娘で婿養子も嗣子も亡くなった為、自分が当主として遠野を治める
美濃の岩村城主・岩村殿=織田信長の叔母でおつやの方、夫が亡くなり城主となるが武田と織田の板挟みになり刑死。
女武者は、鎌倉期だと木曽義仲の愛人の巴御前は有名。戦国時代でも立花誾千代をはじめ、剛腕ふるった女武者がわりといます。
ちょっと前の某河ドラマで女城主なんて言ってたのあったけど、アレもホントは男性だっただろう人を女にしちゃってる感がすごい。
まず記録の名前が男の名前→アレを女が男名を使ってた言い張ってるのは、今大人気のドラマの影響受けすぎじゃんね?と。
女だった言い張る根拠が史料の一つに「〇〇は女だった」書かれていたからって言うけれど、
男性を「女」と表現するのは当時よくあったことで、
どんなときソレしたかっていうと=衆道の女役・いわゆるBLの受けを「女」って表現してたんですよね。
わりと戦国や江戸期の史料や読み物に出てくる表現で、まあ、たぶん、その学者さんはマジメだからチョットアレな隠語を知らなかったんだろうなあと。笑
または、ちょっと新説うちたてて目立ちたい×認められたいっていう虚栄心。
そーゆー学者もどきワリといるんですよね、ウチの大学にもいたなあツマンナイ講義だったなあって懐かしくなります。
史実をねじまげて捏造して栄達しようってするヤツ、
2014年ソレで日本の学術すべてが世界の信用を失いかけた事件がありましたけど、
アレがどれだけ世界で日本の学者研究者に大バッシングだったのか、知らない人も多すぎて捏造栄達ヨッシャみたいなヤツが絶えないのかなあと。
で、話はもどるけど、
平安末期~鎌倉時代あたりも武家は女性にも相続権があり、女地頭なんかもよくあった話。
たとえば鎌倉期の古典『十六夜日記』は著者の阿仏尼が息子の相続権を勝ち取るために幕府へと向かった、その旅を記録した紀行文。
北條政子も兄の北條宗時が亡くなった後、北條氏の惣領としての立場からアレだけ父親にも強権が振るえたわけです。
女性から相続権や武力が消えていくのは江戸時代あたりで、それまでは女性の発言権もかなり強かったんですよね。
このあいだの某河ドラマも吾妻鏡を基にした言っているけれども、
ホントに吾妻鏡を読みこんでいたら・頼朝の愛人にされた伊藤祐親娘が「八重姫」って名前だーなんて書いていない。
あのエピソードも女性の名前も後世の創作ものに書かれているだけで、当時の史料には出てこないんですよね。
土地在住の江間小次郎に祐親娘が嫁がされた記述を義時の通称小四郎に勘違い・なんてのもあるある話。
ソモソモ・頼朝愛人の伊藤祐親娘と北條義時はカナリ近親血縁だよって史料あちこちあるので、ねえ?
↑
これを知らないで義時の長子の母親=伊藤祐親娘なんて説おったてるひといるらしいけど。
長子の後見人が誰だったか?その母親の姓は?
なんてあたり当時の史料に遺されている記録からも、祐親娘と義時の結婚はあり得ないし、泰時の母親だってナオサラ無いんですよね。
義時の長子、北條泰時の母が誰か?
っていうのは平安末期専門の学者では論争にもなるところで。
それについては埼玉の学者さんが、冷静で客観的な実証ある論文を書かれています。
発行部数が少ないため有名になっていないんですけど、自分が拝読した論文の中でベスト10に入る名著と思います。
で、なんで鎌倉時代あたりは勘違い多いのか?いうと、
平安末期から鎌倉初期は文献の考証がちょっとメンドウな時代ってことが原因だろうなあと。
吾妻鏡だけでは見えない部分が多すぎて=北條氏の政権奪取をちょっとでも正当化するために書いているから。
だから真逆の文献=貴族の日記やなんかを読まないと、吾妻鏡に書かれている事象のホントの事情が見えにくい。
また当時の坂東武士は血縁関係がとにかくスゴイ、そこを系図きっちり読みこんでからじゃないと吾妻鏡の実像も見えない。
たとえば源頼朝は氏の長者相続権を血筋が一番尊い言って正当化しているけど、その根拠自体、頼朝祖父の存在が否定しちゃってるのも系図読まないとわかんないトコ。
で、そんな考証を脚本家さんがキッチリできる時間なんて無いわけだし。
それじゃー考証任せられた人がそこまで出来るのか?っていうと、ホントのプロじゃなかったら難しいだろうなあと。
それでいつも思うのは、すなおに正直に、〇〇さん著作の〇〇っていう歴史小説を基にしました!って言えばいいじゃんねーと。
おんな太閤記は大河ドラマでも人気だった作品、
渡る世〇は鬼ばかりで有名なあのひとが脚本だったんですけど、盗作問題勃発した事でも有名な作品なんだとか。
発覚した発端は登場人物の名前→どこ調べても当時の史料からは名前が記録されていない人物の仮名が被ったから。
当時、人気だった作家さんが書いた北政所の小説。
それを書くときに作者さんは史料こまかく読みこんで、けれど名前まったく記録がない人物1名。
しかたなく仮名をつけて、その旨も「この人物は仮の名前で、史実ではありません」と記載して上梓したそうです。
で、某河ドラマ制作スタッフが脚本家さんに渡した資料に、その人物は仮名のまま記載していたんだとか。
で、脚本家さんはソレをそのまま脚本にしてしまい。
それが作家さんの耳に入り「あの名前は私がしかたなく仮名として考えたものです、史実ではありません」と脚本家さんへ連絡が。
…
ってわけで盗作したんじゃん!って話になり、
その資料担当スタッフが「自分が集めた資料の問題です脚本家さんの責任じゃありません」いうけれど、まあね、小説と類似どうしても〇〇で。
けれど作家さん「そんなことよりも、あれは創作だと、史実ではないと視聴者の方に分かって頂きたいんです。創作が歴史の捏造になったらいけません」と仰られたと。
で、おかげさまでスキャンダルなんとか逃れてドラマは放映され続け、人気になったということなんだとか。
で、思うのはソレが今でも反省なく続いているんだよなあと。
真〇丸は司馬さんの真田信繁を描いた城塞とか思いださせられるし、
新選組のドラマもアレって司馬さんの書いた新選組もの総括じゃんかなあと。
ここんとこオリジナルこれがまじかよドウミテモ真似っこすぎだろ剽窃どころかアレ続きすぎだろ、ね?
新選組を悪役から人気にひきあげたのは司馬遼太郎さんの功労のひとつで、
土方歳三の生涯をえがいた『燃えよ剣』はじめ、『新選組血風録』や対談集・考察文に新選組のことを多岐に語られています。
それらに触発された当時の作家さん達が新選組を書いて、そんなわけで今は新選組もの小説やマンガなどなど、すごいあるわけなんですけど。
それらを司馬さん作品を軸にまとめて脚本書いちゃった感がすごかったんですよね、
特に土方歳三最後の一日とか、まんまもう燃えよ剣の下巻ラストだろうなあと。
きちんと原作を尊重しない、そんな脚本は根無し草だと思うんですよね。
史実の根が解らないまんまただ盗んで描いている、だから薄い演出になっちゃうし台詞の重みも根っこなくて浮いちゃう。
そんなこんなで某河ドラマは見なくなったんですよね、
盗作を推奨するような論調なんてね、犯罪の片棒担がされるみたいで不愉快だなあと。
他方、マンガ原作でも原作を誠実に捉えたドラマは面白いなあと。
大奥って今まで見たことなかったけど、好きな俳優さん女優さん出るから見てみたら面白かった、笑
江戸期の時代推移がセットや衣装でもきちんと描かれているし、台詞から演出もきちんと原作リスペクトに重みがいいなあと。
原作者の方には、正当な、法的にも適性な著作権料をきちんと支払って欲しいとこです。
著作権の尊重は、著作物=作品への誠実な想いの現れでもあるんですよね。
作品を守るために、または作品の誕生を促すために、その糧を得る権利が著作権。
それを無視して暴利をむさぼろうなんて人間が、素晴らしい作品を生み出すとか可能なワケないだろうと。笑
だから言いたくなるんですよね、
アレとかソレとか、司馬遼太郎さん『燃えよ剣』『城塞』とか読んだほうが心臓どすんと響くだろうなあと。
このあいだのとかも永井路子さんの鎌倉幕府モノ読んだ方が面白いのかも?自分読んだことないけど。
永井さんの鎌倉シリーズ、草燃えるって題でかつて某河ドラマになっているんだけど人気すごかったんだとか。
コレもまあ架空の人物・人間関係とか頻出して、人名とか事物とか史料に沿っているわけでもなかったり色々なんだけど。
そこらへんは何て言うか、本音言ってしまえば歴史家ではなく歴女らしい視点なんだろうし、主観びっしりに創作モノとして書いたんだろうけど。
だから、まあ、焼き直し?的に?吾妻鏡ガ―言ってちょっと加えてソレっぽくしてこのあいだもやっちゃったのかもなあなんて思ってしまうんですけども。
そんな鎌倉アノあたりは司馬さんなぜか駄作で・ご自身も書き直したい言っていたんですよね。
でも書き直せなかったのは、史料あまりに膨大×あの時代専門の学者じゃないと読み解けない描けないって解ったからなのかもしれないなと。
そこらへんのこと対談集とかでご自身でも話してるから、ホント生粋の新聞記者魂で、事実を尊重して小説に描いていたんだろうなと。
歴史の娯楽作品って、そんなわけで危ないなって思うんですよね。
さっきも書いた作家さんの言葉「史実ではないと視聴者の方に分かって頂きたいんです、創作が歴史の捏造になったらいけません、」
これを最近は「自分の主観が史実ってことになったらいい」みたいな論調になっている脚本家×時代考証学者が、幅きかせちゃってんだけどドウなんだ?と。
そんなわけで最近ホント某河ドラマ見ていません、っていう一個人の私見。笑
今日がんばったから明日は休みだなーっていう深夜のツレヅレ書き、さすがに眠いです。
今日は気温が上がった=積雪が緩みやすい雪崩注意、ニュース見る時間がなかった今日だけど遭難事故なければいいなあと。
冬はトリワケ山の日暮れ早い×足元凍結する×角曲がったら雪だったりするので、どうぞ登山の方はお気をつけて。
【撮影地:神奈川県2019.2.17】
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