「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

たのしみは 2005・05・05

2005-05-05 06:00:00 | Weblog
 今日の「お気に入り」は、幕末の歌人 橘曙覧(たちばなあけみ 1812-1868)の歌です。

 「若葉さすころはいづこの山見ても 何の木見ても 麗しきかな」

 「たのしみは 珍らしき書(ふみ) 人にかり 始め一ひら ひろげたる時」

 「たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどひ 頭ならべて 物をくふ時」

 「たのしみは まれに魚煮て 児等皆が うましうましと いひて食ふ時」

 「たのしみは そぞろ読みゆく 書の中に 我とひとしき 人を見し時」

 「たのしみは 意(こころ)にかなふ 山水の あたりしづかに 見てありくとき」

 「たのしみは 書(ふみ)よみ倦める をりしもあれ 声知る人の 門たたく時」

 「たのしみは 客人(まらうど)えたる 折しもあれ 瓢(ふくべ)に酒の ありあへる時」

 「歌よみて 遊ぶ外なし 吾はただ 天(あめ)にありとも 地(つち)にありとも」

 「幽世(かくりよ)に 入るとも吾は 現世(うつしよ)に 在るとひとしく 歌をよむのみ」


 四つ目の歌は、2005年3月10日付け「小泉内閣メールマガジン第179号」の中で小泉首相が引いておられました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする