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と~ま君の部屋

楽しい老後を送りたいとやっています。所詮人生回り道。修士(人間学、仏教学)。ぼけ防止・脳のリハビリでやってるブログです。

「大和猿楽考」の部分読み

2012年06月27日 23時23分03秒 | 大学院博士ごっこ2012年から2015年

能楽源流考を読む 和猿楽考」部分読み (pp.253-322



 今日も、ずっと読書感想文を書いていた。

 なかなかまとまらないが、若干のヒントもあった。

 やはりにらんだとおり、キーワードは興福寺である。

 奥行きも深いが、幅も広いのである。

 これでは大衆の人気があったと思うのである。

 そして興福寺がなんの教義を持っていたのか。それがヒントであった。

 以下にノートとしてまとめてみる。



 

 安時代の大和猿楽についての記録が殆ど無いということはまことに残念なことであるが、観時代の薬師寺猿楽については東大寺要録所載がある。

 た、日若宮時代には、初の保延時代からすでに猿楽が参勤していたことが、宮祭礼記に出ている。楽の咒師と思われる者が、寛の頃には般若坂下に住んでいた。こは重大なの歴史があって、師の起源を考える上で欠かせないことの一つである。

 和猿楽の重大な行事は、院の行事に出勤することであって南都諸大寺が階級者に対して絶対的な支配権を持っていたということとの関わりを無視してはならないことである。さらに、都大寺院は、民猿楽者の保護者でもあった。

 福寺と日社の猿楽は、薪猿楽であって、勢今朝次は興福寺修二月会に参勤の咒師猿楽に源を発しているとする。(p.254

 先人の研究としては、田東伍博士の研究がすべての基礎である。

 田博士は、能は薪宴タキギノエンの遺風であるとされた。朝廷献薪の風を興福寺において摸し、福寺より河上、室、の両宮に上分を進め、の際に列参・歌舞をなし、れが祝祷の意を持つにいたって薪宴となるとされた。

 かし、薪宴の薪が興福寺の寺家から、上、室の両鎮守に献ぜられたとするが、福寺の西金堂の本尊は光明皇后の化身であるとすることで、吉田説には若干の不安がある。

 の宴は朝廷の御籠木を摸したものとするのも不安がある。時日の点である。れは、廷の献薪はすべて正月十五日であるのに対して、福寺のみに限って二月の三日なのは何故かという問題があるからである。

 勢碩学は、「宴は興福寺の東金堂および西金堂の修二月会に用いられる薪を迎える儀式である」とされる。(p.262

 の薪迎とは、二月会行法に用いる薪を東西両金堂に迎える儀式である。西金堂は、上より列参させ、金堂は氷室より行列を立てて練り込む。材は花山にこれを求めたものである。すると、故河上や氷室に集合するのかということが問題となる。れは、西両金堂の地主神であるが故にである。まり地主神から興福寺に納めるという形になるわけである。

 薪迎は、福寺に限って行われたものではない。大寺も同じである。

 

 猿楽は、二月会参勤の猿楽であるとするのが吉田説であるが、猿楽が薪宴の風俗歌舞に起因するというのは能勢博士は間違いであるとする。(p.265

 「教訓には、西金堂は基駒を謡い、金道堂は風俗の大島を謡う。楽は、舞の代用ではないとする。

 うすると薪猿楽はなにによって発生したものであるか。このところが非常に関心のあるところである。

 勢博士は「正月会、二月会と咒師の関係から猿楽との関係から解明できる」とする。(p.266

 正会に咒師や散楽が参勤したとは書かれていないが、咒師は参加しているのである。れが重要である。咒師は僧侶であるからだ。ころが、福寺では修二月会に咒師や散楽が参加しているのである。

 こに興福寺の大衆性を示す好例がある。

 長七年、まり教訓抄の天福元年の二十二年後に、実に愉快な事例が書かれている。「春日若宮神主祐茂記の同年二月六日の記に、小便を春日社でしたこと、たがってそれに対して、祓いをしたことの記述が見える。

 西両金堂を離れて、興福寺南大門に薪猿楽が移されて、衆がこれを見物できるようになってからで、このところに宗教性のさらなる拡大があったと私は思っているのだが。「興福寺諸堂伽藍記や興福寺の「徒記録をもっと精査してこれから読みたいと考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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