味醂・みりん・お屠蘇(おとそ)
日本のお正月に欠かせないお屠蘇、無病長寿を祈って味醂に生薬を加えて家族といただくのが毎年恒例です。
味醂はお米の美味しさが丸ごと出ている甘味滋養飲料。
国産の米麹、蒸したもち米、米焼酎を糖化して熟成させ、ゆっくりゆっくり上からの重みだけで絞った味醂。
搾りたてを初めて口にしましたが、多少のアルコール(14パーセント前後)を感じながらも、琥珀色のとろんとした味醂はそれはそれはふくよかで忘れられない美味しさです。
味醂は米麹の酵素がもち米のタンパク質をアミノ酸にし、デンプンをブドウ糖に分解して甘みや旨みを生成します。
江戸時代には女性やアルコールの苦手な人々に嗜まれた高級酒であり嗜好品でした。
エネルギーが高く、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群が豊富なので、甘酒のように栄養ドリンクの役割も果たしていたようです(昔は麹を作る技術が今ほど発達していなかったので甘みは少し薄かったそう)。
料理にもかかせない調味料となって、タンパク質を固める作用で煮崩れをふせぐ、ツヤやテリをつけます。
アルコールで(気化)臭みが一緒に抜ける効果もあるので煮魚・うなぎなどには特にかかせません。