珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

Wynton Kelly

2011-08-28 14:21:22 | ジャズ
オーディオに取り組んで以降、ジャンルを超えた様々な音楽を聴いていますが、学生時代の原体験の有り、無しで言えばジャズとクラシックは後者の典型です。両ジャンルとも、何から聴いていいのか、森を彷徨うような感覚があるのは確かです。道標というか、方位磁石というか、何か頼りになるものが欲しいところで、私の場合、それは、演奏者となる気がしています。

お気に入りの演奏者が見つかると、そこから少しずつ彷徨う範囲を広げることができます。クラシックでは、一人の演奏者がバロック音楽から現代音楽までを取り上げることは珍しくありません。演奏者にクラシックの森を案内してもらおうというわけです。ピアノであればHelene Grimaud、バイオリンであればチョン・キョンファが、今のところの期待の指南役です。演奏者が縦糸、時代が横糸といった感じでしょうか。

ジャズの場合、演奏者は時代の顔でもあるので、明確な縦横、横糸の関係とはなりません。それでもジャズの歴史はクラシックのそれに比べて短いので、一人の演奏家の活動期間は相対的には長いと言えます(デビュー時と晩年では時代も変わります)。共演者まで含めると、時代の幅を広げられます。いざとなったらスタンダードという飛び道具もありますが、ジャズの森も演奏者に指南して欲しいところです。

前置きが長くなりました。ヘビーローテーションではありませんが、最近、Winton Kelly、Horace Silver、Ahmad Jamalといった50-60年代に活躍したピアニストの作品を聴く頻度が上がっています。とりわけのお気に入りが、Wynton Kellyです。Kind of Blue(1曲のみ)、Full House、Soul Stationといった有名盤でもWynton Kellyの演奏を楽しめますが、やはり聴きたいのはリーダー作品です。

まだCDでは下記の2枚しか持っていませんが、噛めば噛むほどのスルメ状態となっています。歯切れの良いタッチ、それでも控え目といったバランスが心地よいのです。どの曲もカッコいいのですが、敢えて言えば、『KELLY BLUE』だと「Softly, as in a morning sunrise」や「Keep it moving」、『KELLY at midnite』では「Weird Lullaby」がいいです。それでも10回、20回と聴くうちに他の曲も印象が変わってくるでしょう。



他の盤も評判は高いようですので楽しみです。残念な点はWynton Kelly自身が39歳で他界したことです。一線で活躍した時期が20年間ほどですので、Wynton Kellyだけでジャズの世界に広く触れることは無理。共演者や楽曲を介して、幅を広げていければと思っています。あとJazzは何と言ってもアナログの楽しみが別にありますね。HMVで『KELLY BLUE』が約8000円・・・。オリジナルでないので微妙な値段です。
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Blue Skies

2011-02-26 09:16:18 | ジャズ
先日の Halie Loren の話題でも触れた「Blue Skies」を紹介します。元はミュージカルの曲ですが、Jazz でもよく取り上げられています。現在、この曲を含むアルバムを4枚所有していますが4者4様です。おそらく他のシンガー、演奏者でも違った「Blue Skies」が楽しめることでしょう。メロディも詩もわかりやすいシンプルな曲ですが、何度聴いても飽きません。アレンジや間奏もそれぞれに味があります。

まずは、ライブの余韻も残っている Halie Loren です。アルバム『青い影』の3曲目に入っています。最初は表題曲狙いで買ったのですが、単曲ではこれが一番気に入りました。明るいピアノのイントロに、やや霞みがかった歌声・・・。ライブでもセットリストに入っていました。好きな曲のイントロがライブでかかると、それだけで拍手しますね。まだ知ってから半年ですから、彗星のように出てきたシンガーです。


続いて、こちらも定評のある女性シンガー、Eva Cassidy の『Live at Blues Alley』です。残念ながら短命だった彼女は33歳の若さでこの世を去っています。正確には彼女は Jazz シンガーではありませんが、このライブ盤では有名な曲含めてJazzを楽しめます。全般を通じてエネルギー感溢れる、張りのある声に圧倒されます。もちろん「Blue Skies」も快調で、間奏のピアノがそれに輪をかけます。


こちらはカントリーの大御所 Willie Nelson のスタンダード集です。渋い「Blue Skies」です。語りかけるような歌い出し、間奏のフォークギター、バックのハーモニカと、浸れる要素満載です。昨秋ステレオサウンドから出されたリファレンスレコードにも表題曲「Stardust」が入っていました。最近では Norah Jones とのコラボもあります。長らく「USA for Africa」だけの接点でしたが、風向きが変わってきました。


最後は、Stan Getz のアルバム『Blue Skies』です。82年の録音ですから晩年の部類に入ります。何とも落ち着いた余裕のある音色は、年季を重ねた Stan Getz の成せる業でしょうか。スローテンポな「Blue Skies」からイメージするのは、青空というより夜空なんですが。アルバム全般に感じるのは、共演アーティストのさりげない演奏の良さです。特に Jim McNeely のピアノが沁みます。


実際の青空にも様々な表情がありますし、また同じ青空に対しても感じ方は人によって様々です。さらに言えば、個人においてすら気分次第で感じ方も変わりますね。太田裕美の曲に「青空を見てため息をつく」的な言い回しがありました。未知の「Blue Skies」との出会いも楽しみですが、5年後、10年後に今回取り上げた曲がどんな風に聴こえるのか、も楽しみです。
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Make Someone Happy

2010-08-26 21:18:17 | ジャズ
昨年来、Jazzヴォーカルで最も聴いているのが、Sophie Milman です。4月の記事でも触れましたが、ブルーノート東京で開かれたライブにも行きました。ロシアで生まれ、イスラエルで育ち、カナダに在住というこれまでの経緯が歌にも影響しているのでしょう。様々なジャンルの音楽を取り上げ彼女の世界に持ち込みます。先入観があるのかも知れませんが、彼女の声にロシア訛り(の雰囲気)を感じます。そのことが、低音の魅力にもつながっているように思います。

写真のアルバムは2枚目の Make Someone Happy です。ここでもスタンダードに加えて Stevie Wonder の Rocket Love などジャンルを超えた作品を楽しめます。11曲目の Undun はそれまで知りませんでしたが、調べたらカナダのロックバンド The Guess Who の曲でした。言われなければ元がロックとは気付かないでしょう。この曲は iPod に入れてよく聴きました。アルバム全体に落ち着いた印象ですが、軽快な曲、しっとりした曲とメリハリがあって飽きさせません。


ライブでもアルバムでもそうですが、バックの演奏陣が Sophie Milman を盛り上げる様子が伝わってきます。特にピアノのノリがいいです。アルバムジャケットには録音時のメンバーも写っていますが、ピアノ演奏者は日本にも来ていました。

1枚目と3枚目のアルバムは好みの曲に焦点を当てて、あらためて紹介します。
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ボサノバ絡みのジャズ:Recado Bossa Nova

2010-03-22 23:15:30 | ジャズ
ジャズより先にボサノバやラテン音楽の世界に入ったこともあり、
ラテン要素の入ったジャズを好んで聴いています。今回は、Recado
Bossa Novaを取り上げます。

この曲を初めて知ったのは学生の時です。80年代の後半、セブンスターEXの
コマーシャルで軽快に流れていました。タバコは当時も今も吸いませんが、
洗練された雰囲気がCM映像とマッチしていたのを憶えています。写真は
当時買った日本版です。Recado Bossa Nova(このアルバムではThe Gift!
というタイトル)以外の曲は、洗練というより元気溌剌といった感です。
Eydie Gorme は本来、その路線なのかも知れません。



続いて昨年買ったイタリアのJazzアルバムを紹介します。アルバムの
タイトルが Recado Bossa Nova そのものとなっています。昨年はこの
アルバムをよく聴きました。Gianni Bassoのサックスに絡む、
Irio De Paulaのギターが最高です。残念ながらBassoは昨年
帰らぬ人となりましたが、Irio De Paulaというギタリストを
知れたことは大きな収穫でした。Bassoはもちろん、Irio De Paulaの
作品も、これからも集めようと思っています。



Jazzで Recado Bossa Nova と来れば、やはりHank Mobleyは外せません。
紹介した3曲の中では一番軽やかな印象です。Lee Morgan のトランペットも
Mobley に負けず素晴らしいです。1曲目のThe Dipもそうですが、全体に
わかりやすい旋律の曲が多く、Jazz初心者も入りやすいでしょう。
Mobley の代表作、Soul Station も所有していますが、個人的にはこちらの
方が気に入っています。


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Born to be blue

2010-03-11 23:52:37 | ジャズ
プロフィールの画像の中から、5枚目(最後)のアルバムを紹介します。
BEVERLY KENNEYは、数年前、ネットで知りました。どの
サイトだったか憶えていませんが、Jazzの女性ヴォーカルの
紹介を中心としたサイトでした。彼女は6枚のアルバムを残したとされて
いましたが、7枚目のアルバムがLPで出るなど、未だに根強い人気が
あります。

歌声は一言で言えば、Cute。喋るような歌声に、装置の前で聴きいった
人は多いのではないでしょうか。女性ヴォーカル、特にJazzの女性
ヴォーカルにセクシーさを求める方には、当てが外れるかも知れません。

最近はソフィーミルマン、ニッキパロットなど、どちらかというと低音に
魅力ある女性ヴォーカルを好んで聴いていますが、たまに可愛らしさも
いいなと思って、聴いています。表題のBorn to be blueの他、
Go away,my love、Beyond the next hill、Where can I go without youが
私のお薦めです。

まだ彼女のアルバムは、7枚中、2枚しか所有していません。時間は
かかっても、集めたいと思っています。


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