珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

オーディオで歌謡曲:山口百恵

2014-08-10 16:15:11 | POPS(邦)
台風の影響で横浜方面も久々の雨となり、梅雨明け以降続いた猛暑は一休みです。庭木にとっては、恵みの雨となりました。ここに来てブルーベリーが食べ頃にを迎えています。市販品のような甘みはありませんが、それでも素朴な味を楽しんでいます。開幕を楽しみにしていた甲子園ですが、開会式が延期されるのは記憶にありません。ニュースで54年振りと知りました。それでは記憶にないわけです。今年は冷夏という予想もありましたが、全くの外れでした。選手には酷かもしれませんが、炎天下の熱戦は夏の風物詩でもあります。台風一過後の熱戦に期待しています。


さて、何年かかるかわからない、オーディオで歌謡曲シリーズ、第3弾は山口百恵です。学年で7つ下の私にとっては、アイドルというより大人の女性といった存在でしたが、活動期間が14~21歳だったことを考えると、実年齢より年上の女性を演じていたんだな、と改めて思います。存在自体はTV番組やCMを通じて小学校低学年の頃から知っていましたが、ひと夏の経験の意味すら?の小学生ではアンテナに限界がありました。風格、凄みが増した後半期の印象がどうしても強くなります。穏やかな曲、激しい曲へ対応の幅は、歌謡界を通じても随一ではないかと思います。


アナログ導入以降、様々なレコード会社の邦楽盤を聴く機会が増えましたが、全般的にCBSソニーの音に薄っぺらさ、ビクターの音にメリハリを感じます。ネット上でも目にする話ですが、中古レコード店の店主さんともそんな話題になりました。生産中のプレス時間の差といった話も出ましたが、真実はどうだったでしょうか。この項で紹介してきた太田裕美、松田聖子、そして山口百恵はいずれもCBSソニーです。売れる→生産量の増加→タクト短縮→音質低下だとしたら、ドル箱歌手はオーディオ的には歓迎できないことになります。そんなハンデを克服するのもオーディオの楽しみでしょうか。

山口百恵にとってのターニングポイントは、何はともあれ「横須賀ストーリー」です。当時は「およげたいやきくん」「ビューティフルサンデー」が大流行でしたが、”これっきり、これっきり、もう♪”も十分インパクトがありました。ここで定まった宇崎・阿木路線をベースに、以後、引退まで走りきった印象があります。「横須賀ストーリー」は元々アルバム向けの作品だったそうです。偶然の力を感じますね。しかし一方で、宇崎・阿木路線に染まらない幅の広さを、本アルバムに見出すこともできます。宇崎・阿木作品を通じて得た成長を、多方面から提供された楽曲に還元する、といった好循環がここから始まります。


「横須賀ストーリー」以前は進むべき路線を模索している感がありました。”禁断”路線もその一つです。有名な「ひと夏の経験」はリアルタイムで聴いた記憶が曖昧ですが、サビは無意識に刻まれていたはずです。最近知ったのですが、「ひと夏の経験」や「春風のいたずら」では、同じヴォーカルを重ねる一人二重唱という編集上のテクニックが使われています。声の印象を変える効果があるそうですが、その効果は元の声質にも依存するとか。山口百恵の場合、サビでグッと色気が増す印象があったのですが、漸く、からくりが分かりました。ジャケットを見る限り、あどけない高校1年生なんですけどね。


大きなヒットにはなりませんでしたが、「乙女座宮」は印象に残っているシングル曲です。私自身の小学校卒業から中学校入学にかけての頃です。当時はピンクレディーが全盛期を迎える一方で、フォークから転じたニューミュージック勢が台頭した時期です。旧来の歌謡曲系で奮闘していたのは山口百恵、沢田研二くらいだったしょうか?「乙女座宮」は、”ペガサス経由で♪”の部分で声がぐっと湿る感じが好きでした。後で知ったのですがやはり一人二重唱でした。無意識に刻まれた「ひと夏の経験」のサビが呼び起されたのかも知れません。この曲を通じて友和さんは獅子座だと思っていましたが、これは間違いでした(笑)。


80年秋に惜しまれつつ引退し、その後すっぱり芸能界と一線を引いたのはご存じ通りです。ここでは紹介しませんでしたが、オリジナルのアルバムは、デジタル、アナログ問わず機会を見つけて集めています。篠山紀信撮影のジャケットはやはりアナログ盤でなければ・・・。オーディオで歌謡曲シリーズ、次の明菜さんで区切りです。このところ、ハイレゾダウンロードや新しいベスト盤、久しぶりの新曲などセールス面での動きがありますが、何よりご本人の復活を待つばかりです。記事のアップは来年の夏ころになりそうです。
コメント (4)
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