13日の土曜日、約1年ぶりに岡山のスイートサウンドさんのお宅、訪問してきました。スイートサウンドさん提唱の音会は、オフ会とは1文字違いですが、音でもてなすニュアンスが私も気に入っています。最初の音会が1年前で、この初春、2回目を拙宅にて行いました。例によって山陽本線ぶらり旅で兵庫から移動、お昼前に岡山駅でスイートサウンドさんと待ち合わせです。その土地々々の空気感ってありますね。岡山には何となく穏やかな空気を感じます。当然、先入観も入っているでしょうが、イメージを作り上げるのも旅の楽しみだと思います。思い入れが大事ななのはオーディオ機器だけではありません。
昨年のランチはばら寿司でしたが、今回も岡山らしい食事をと、事前にメッセージ交換をしていました。デミカツ丼をリクエストしたところ、老舗の味司野村(のむら)を紹介いただきました。ただし、地元だと返って食べる機会がないようで、スイートサウンドさんもデミカツ丼は初めてでした。カツ丼の上に掛かっているのはドミグラスソースです。少し奮発してヒレの上にしました。やや渋みのあるソースとカツの相性がよく新鮮なキャベツと一緒にいただきました。高砂や加古川には同様のかつめしがありますが、ソースがトマトベースで甘みが先行します。私は岡山の方に一票入れさせていただきます。
お腹を満たした後、早速、スイートサウンドさんの運転で岡山郊外のお宅へ向かいます。お店を出て30、40分でしょうか、見覚えのあるお宅に到着しました。玄関入ってすぐのリビングルームは、自然光に満ちたログハウス風の空間です。その居心地の良さは変わっていませんでしたが、システムの方は、かなり手を入れた模様です。1F、2Fを総入れ替えと言ってもいいでしょう。2FにあったPARC Audioの2Way SPが平行法でセットされていました。昨年は両フロアともメインシステムのような印象を受けましたが、1Fメイン、2Fサブの位置付けがよりはっきりしました。
1Fシステムの変化点の一つにサブウーハーの追加があります。こちらはPARC Audio製17cmユニットを使ったサブウーハーです。置き位置は自由とのことで、メインSPの右側に置かれています。
帯域を分けてSONYのサブウーハーSA-WM500も併用されています。再生の途中、オンオフを切り替えていただきましたが、すぐには差がわからないほど、サブウーハーの主張は控えめでした。
AITのパワーアンプが追加され、昨年2FにあったAIT DACとAIT プリが1Fに移動して揃い踏みです。私同様にデジタルの方はファイル再生に特化しています。ヤマハのCDプレイヤー兼ネットワークプレイヤーCD-N500は、DDコンバータとして利用されています。再生指示はノートPCから無線経由です。iPotタッチから無線経由でCuboxへ指示を出す拙宅と、操作環境も似ています。
LINNのLP12は昨年聴く機会が無く、ようやく聴かせていただけました。これは想定外でしたでの、プチサプライズの嬉しさです。
事前にスイートサウンドさんが用意されたリストに沿って音会は進行しました。鑑賞の他に実験の時間も考えられていたようですが、音楽を聴くと、どうしても纏わる話に時間が割かれます。進行は押し気味となり実験の時間は減ってしまいました(汗)。スイートサウンドさん曰く、昨年は選曲に苦労したそうですが、今年はジャンルを跨いでリストアップいただきました。川合郁子さんが3曲ほど選曲されていましたが、これは自信の表れでしょう。実験の件は恐縮ですが、ほぼ用意いただいた曲を掛けていただきました。私からリクエストしたのはウィリアムス浩子さん、手嶌葵さん、ビートルズ他数曲でした。
アナログは場の流れで、棚から一掴み的にピックアップいただきました。レコードを格納する棚は自作されたようです。レコードジャケットを並べて展示すると雰囲気が出ますね。アナログをより楽しむ工夫です。
岡山ならではの早熟の桃をハーフタイムにいただきました。桃作りはオーディオ同様にカット&トライの積み重ねが必要だそうです。リフレッシュ後は、2Fにて後半戦です。昨年よりずっとシンプルなシステムになっていました。システムの位置が前回より部屋の中央方向に移動した印象を受けたのですが、昨年の写真を見る限り、SP位置が後方に若干下がったようです。記憶はいい加減なものです。SPの手前側が少し持ち上げられていますね。GRFさんの床置きT4を連想しますが、実際、スイートサウンドさんもGRFさんの取り組みを参考にしているようでした。SPの仰角付けには木片が使われていました。
デノンのアナログプレイヤーDP-90、パイオニアのネットワークプレイヤーN-50は2Fに残っていますが、アンプ、DAC類は自作機器が並びます。こうして機器構成を俯瞰すると、スイートサウンドさんがいわゆる自作派であることを再認識します。求める音場表現は近いだけに、改めてアプローチの多様さに気付きます。
フルレンジSPは自作派の腕の見せ所でしょう。昨年にはなかったFOSTEXのユニットを使ったSPが収まっていました。とても開放感のある朗らかな音でした。一見、ユニットが一つに見えますが、中央部の突起を工夫して挙動を周辺部と変えているようです。メカニカル2Wayと呼ばれる方式です。方式も去ることながらユニットの値段を知って驚きました。昨今のオーディオ機器の異様な高騰ぶりは、こうした交流でも感じることができます。スイートサウンドさんは、大編成のオーケストラはあまり聴かず、中心はヴォーカル系です。フルレンジでも十分に楽しめます・・・というか、定位の良さの魅力は大きいですね。
小型SPは実験が楽です。次はPARC Audioのユニットを使ったSPへ入れ替えです。FOSTEXから一転、音が落ち着きます。ウェット感が出ました。当然、箱の違いが効いている可能性もあり、ユニットの個性と決めつけられません。それでも、出口だけで随分と変わるのですね。個人的には、あっけらかんとしたサウンドの前者が印象に残りました。
2Fは全般に肩の力を抜いて聴かせていただきました。お得意の女性ジャズヴォーカルはビヴァリー・ケニー、ベギー・リーです。若かりし頃の内田光子さんのモーツァルトのピアノソナタは、盤質も良く、しばし聴き入ってしましました。
約4時間の滞在でしたが、この1年でのスイートサウンドさんの試行錯誤、そしてシステムの進歩が伝わってくる音会でした。両システム共にヴォーカルが実在感を伴って浮かぶ様子は健在でした。昨年度は"スイートサウンド"のスイートな部分に焦点が合いましたが、低域の改善によりジャンルを超えて楽しめるシステムに変化していました(1F)。2Fの肩肘張らなないサウンドも印象的でした。音の広がり具合は、1Fへのいい刺激になることでしょう。ヴォーカル以外では伸びやかな川合郁子さんのヴァイオリンが素晴らしかったです。クラシックで重厚感を求めないとすると、もう上がりも近いのではないでしょうか?
今回の音会では、高さ方向の定位(の個人差)が面白かったです。両フロアのシステム共に、私の方がスイートサウンドさんより低めに知覚することが判りました。定位の高さはリスニングポジションの高低でも変化します。要は好みの音で聴ける位置に移動すればいいのですが、随分と個人差があることに驚きました。てっきり同じ高さで定位しているものと思っていましたが、オフ会では確認も必要ですね。その後、Philewebでは実験含めて議論が盛り上がっているようで、いい話題提供となりました。ちなみに私は目線の先に口元を求めますが、今回もほぼ、そのように聴こえてましたので、満足していました。
最後は岡山中心部に戻って感想戦です。奥様もご一緒に、すし秀に向かいました。にらさんから紹介いただいたお店です。昨夏、吉備路を散策した際は、定休日で涙を飲みました。漸く、念願のサーモンのたたきを食することができました。
握りずしも、茶わん蒸しも美味しくいただきました。寿司のレベルが高いとはにらさん評でしたが、実感しました。瀬戸内海の豊富な幸に加えて風土的な要素もあるのでしょうね。事前にスイートサウンドさんに予約をお願いしましたが、営業時間が不規則で確保するのに一苦労あったようです(下見もされたのでしょうか?)。
岡山駅で散会後、翌日の登山のために私は津山方面へ向かいました。スイートサウンドさん、2度目の音会in岡山、楽しかったです。ありがとうございました。また音を磨いたところで次の音会、いたしましょう。桃も順調に夏場を越せるといいですね。
昨年のランチはばら寿司でしたが、今回も岡山らしい食事をと、事前にメッセージ交換をしていました。デミカツ丼をリクエストしたところ、老舗の味司野村(のむら)を紹介いただきました。ただし、地元だと返って食べる機会がないようで、スイートサウンドさんもデミカツ丼は初めてでした。カツ丼の上に掛かっているのはドミグラスソースです。少し奮発してヒレの上にしました。やや渋みのあるソースとカツの相性がよく新鮮なキャベツと一緒にいただきました。高砂や加古川には同様のかつめしがありますが、ソースがトマトベースで甘みが先行します。私は岡山の方に一票入れさせていただきます。
お腹を満たした後、早速、スイートサウンドさんの運転で岡山郊外のお宅へ向かいます。お店を出て30、40分でしょうか、見覚えのあるお宅に到着しました。玄関入ってすぐのリビングルームは、自然光に満ちたログハウス風の空間です。その居心地の良さは変わっていませんでしたが、システムの方は、かなり手を入れた模様です。1F、2Fを総入れ替えと言ってもいいでしょう。2FにあったPARC Audioの2Way SPが平行法でセットされていました。昨年は両フロアともメインシステムのような印象を受けましたが、1Fメイン、2Fサブの位置付けがよりはっきりしました。
1Fシステムの変化点の一つにサブウーハーの追加があります。こちらはPARC Audio製17cmユニットを使ったサブウーハーです。置き位置は自由とのことで、メインSPの右側に置かれています。
帯域を分けてSONYのサブウーハーSA-WM500も併用されています。再生の途中、オンオフを切り替えていただきましたが、すぐには差がわからないほど、サブウーハーの主張は控えめでした。
AITのパワーアンプが追加され、昨年2FにあったAIT DACとAIT プリが1Fに移動して揃い踏みです。私同様にデジタルの方はファイル再生に特化しています。ヤマハのCDプレイヤー兼ネットワークプレイヤーCD-N500は、DDコンバータとして利用されています。再生指示はノートPCから無線経由です。iPotタッチから無線経由でCuboxへ指示を出す拙宅と、操作環境も似ています。
LINNのLP12は昨年聴く機会が無く、ようやく聴かせていただけました。これは想定外でしたでの、プチサプライズの嬉しさです。
事前にスイートサウンドさんが用意されたリストに沿って音会は進行しました。鑑賞の他に実験の時間も考えられていたようですが、音楽を聴くと、どうしても纏わる話に時間が割かれます。進行は押し気味となり実験の時間は減ってしまいました(汗)。スイートサウンドさん曰く、昨年は選曲に苦労したそうですが、今年はジャンルを跨いでリストアップいただきました。川合郁子さんが3曲ほど選曲されていましたが、これは自信の表れでしょう。実験の件は恐縮ですが、ほぼ用意いただいた曲を掛けていただきました。私からリクエストしたのはウィリアムス浩子さん、手嶌葵さん、ビートルズ他数曲でした。
アナログは場の流れで、棚から一掴み的にピックアップいただきました。レコードを格納する棚は自作されたようです。レコードジャケットを並べて展示すると雰囲気が出ますね。アナログをより楽しむ工夫です。
岡山ならではの早熟の桃をハーフタイムにいただきました。桃作りはオーディオ同様にカット&トライの積み重ねが必要だそうです。リフレッシュ後は、2Fにて後半戦です。昨年よりずっとシンプルなシステムになっていました。システムの位置が前回より部屋の中央方向に移動した印象を受けたのですが、昨年の写真を見る限り、SP位置が後方に若干下がったようです。記憶はいい加減なものです。SPの手前側が少し持ち上げられていますね。GRFさんの床置きT4を連想しますが、実際、スイートサウンドさんもGRFさんの取り組みを参考にしているようでした。SPの仰角付けには木片が使われていました。
デノンのアナログプレイヤーDP-90、パイオニアのネットワークプレイヤーN-50は2Fに残っていますが、アンプ、DAC類は自作機器が並びます。こうして機器構成を俯瞰すると、スイートサウンドさんがいわゆる自作派であることを再認識します。求める音場表現は近いだけに、改めてアプローチの多様さに気付きます。
フルレンジSPは自作派の腕の見せ所でしょう。昨年にはなかったFOSTEXのユニットを使ったSPが収まっていました。とても開放感のある朗らかな音でした。一見、ユニットが一つに見えますが、中央部の突起を工夫して挙動を周辺部と変えているようです。メカニカル2Wayと呼ばれる方式です。方式も去ることながらユニットの値段を知って驚きました。昨今のオーディオ機器の異様な高騰ぶりは、こうした交流でも感じることができます。スイートサウンドさんは、大編成のオーケストラはあまり聴かず、中心はヴォーカル系です。フルレンジでも十分に楽しめます・・・というか、定位の良さの魅力は大きいですね。
小型SPは実験が楽です。次はPARC Audioのユニットを使ったSPへ入れ替えです。FOSTEXから一転、音が落ち着きます。ウェット感が出ました。当然、箱の違いが効いている可能性もあり、ユニットの個性と決めつけられません。それでも、出口だけで随分と変わるのですね。個人的には、あっけらかんとしたサウンドの前者が印象に残りました。
2Fは全般に肩の力を抜いて聴かせていただきました。お得意の女性ジャズヴォーカルはビヴァリー・ケニー、ベギー・リーです。若かりし頃の内田光子さんのモーツァルトのピアノソナタは、盤質も良く、しばし聴き入ってしましました。
約4時間の滞在でしたが、この1年でのスイートサウンドさんの試行錯誤、そしてシステムの進歩が伝わってくる音会でした。両システム共にヴォーカルが実在感を伴って浮かぶ様子は健在でした。昨年度は"スイートサウンド"のスイートな部分に焦点が合いましたが、低域の改善によりジャンルを超えて楽しめるシステムに変化していました(1F)。2Fの肩肘張らなないサウンドも印象的でした。音の広がり具合は、1Fへのいい刺激になることでしょう。ヴォーカル以外では伸びやかな川合郁子さんのヴァイオリンが素晴らしかったです。クラシックで重厚感を求めないとすると、もう上がりも近いのではないでしょうか?
今回の音会では、高さ方向の定位(の個人差)が面白かったです。両フロアのシステム共に、私の方がスイートサウンドさんより低めに知覚することが判りました。定位の高さはリスニングポジションの高低でも変化します。要は好みの音で聴ける位置に移動すればいいのですが、随分と個人差があることに驚きました。てっきり同じ高さで定位しているものと思っていましたが、オフ会では確認も必要ですね。その後、Philewebでは実験含めて議論が盛り上がっているようで、いい話題提供となりました。ちなみに私は目線の先に口元を求めますが、今回もほぼ、そのように聴こえてましたので、満足していました。
最後は岡山中心部に戻って感想戦です。奥様もご一緒に、すし秀に向かいました。にらさんから紹介いただいたお店です。昨夏、吉備路を散策した際は、定休日で涙を飲みました。漸く、念願のサーモンのたたきを食することができました。
握りずしも、茶わん蒸しも美味しくいただきました。寿司のレベルが高いとはにらさん評でしたが、実感しました。瀬戸内海の豊富な幸に加えて風土的な要素もあるのでしょうね。事前にスイートサウンドさんに予約をお願いしましたが、営業時間が不規則で確保するのに一苦労あったようです(下見もされたのでしょうか?)。
岡山駅で散会後、翌日の登山のために私は津山方面へ向かいました。スイートサウンドさん、2度目の音会in岡山、楽しかったです。ありがとうございました。また音を磨いたところで次の音会、いたしましょう。桃も順調に夏場を越せるといいですね。