23日、有給休暇をとって山梨にお住いのケニティーさんを再訪しました。前回の訪問はラグビーW杯で国内が盛り上がっていた時期です。台風19号が千曲川上流を襲った頃でもあります。その数か月後にはコロナ禍となり、世の中、激変したのはご存じの通りです。最早、10年ひと昔ではなく、数年ひと昔といった感じですね。ケニティーさんとはLINEを通じて会話していましたが、コロナが落ち着いたこともあり、相互訪問の運びとなりました。遠方の方、久しぶりの方とのオフ会が復活しつつあるのは、嬉しい限りです。
当日は朝から良い天気で、4月にも関わらず、甲府の予想気温は何と29℃でした。高尾発の甲府行の各駅停車で、本とパンとコーヒーと共に、ぶらり旅を決め込みました。2014年、姫路から岡山までやはり各駅停車で移動し、スイートサウンドさんを訪ねたことを思い出しました。甲府駅から残雪眩しい南アルプスの山々を仰ぐことができました。すっかり桃の花は散っていましたが、山梨に来たことを実感しました。甲府駅近くの駐車場にてケニティーさんにピックアップいただき、早速、お宅へ向かいました。
ケニティーさんのご愛用のB&W805 Limited、健在でした。前回は足元にQuad Ringを使われていましたが、それらはCDプレイヤー、パワーアンプの足元に移動していました。代わりにバーチ素材のウェルフロートボードが導入されていました。SPは前回同様、平行配置ですが、若干内振りされているとのことでした。
システムの構成は基本変わっていません。ネットワークプレイヤーNA7004が無くなり、最上流はラックスマンD-08 によるディスク再生に一本化されました。従って、持ち込み音源(WAVファイル)は、全てCD-Rに焼いてから再生しました。サンスイのプリメインアンプAU-X1111MOS も健在でした。一時期修理に出されたそうですが、現在でもメンテしていただけるのは有難いことですね。ラインナップを拝見すると、ケニティーさんのオーディオ製品への愛情が伝わって来るかのようです。
機器は同じでも、振動対策、ルームチューニングはしっかりされているご様子でした。ケニティーさんも、ウェルデルタをアンダンテラルゴのラックのスパイク受けに使用されています。ラックにはウェルフロートボード、さらにはQuad Ringを使用されているので、D-08を3層構造で受けていることになります。他のオーディオ仲間でも、フローティング機構の多層化を試みるケースが増えています。総じて、低音の深みが増し、解像度も上がるようです。拙宅でも打撃音や声のリアリティが上がりました。
ケニティーさんからは事前に曲目のリストをいただいていました。ほぼその通りに進行されて、オフ会に対する思い入れが相当だなと、感じました。途中、所々で私の選曲タイムを設けていただきました。大抵のオフ会では、ゲストの曲は数曲ですが、今回はほぼ同等にかけていただきました。恐れ入ります。ケニティーさんと違って、ストーリー性の無い、場当たり的な選曲となりましたが、楽しまれた様子でしたので、ホッとしました。女性ヴォーカル好きの二人ですから、ほぼその路線にはなりましたが。
今回は、映像作品も多く楽しませていただきました。前回訪問時は、吉田拓郎&かぐや姫のライブ(中島みゆきがサプライズ登場)が感動的でした。今回は、今井美樹、竹内まりや、柴田淳、そして徳永英明のラインナップです。竹内まりやはライブ映像自体が少ないようですね。「家に帰ろう」「告白」「シングル・アゲイン」「象牙海岸」を鑑賞させていただきました。バックでギターやキーボードを演奏する山下達郎も、しっかりカメラに収まってます。あらためて「象牙海岸」もいい曲だと思い直しました。
お昼はご近所の台湾料理店でした。ボリュームたっぷりのチャーハンとラーメンのセットをいただきました。ここまでガッツリ食べるのは、いつ以来でしょう。以前に、こちらを訪問されたgenmiさん、CENYAさんはおつまみセット+ビールだったようですが、午後の鑑賞に影響するので、ここはアルコール抜きにしました。
CD音源もケニティーさんならではの、思い入れのある音楽を紹介していただきました。上田知華+KARYOBIN は渋いですね。70年代後半から80年代にかけて活躍した、ポップ・グループです。ちなみにKAROOBINはバックの弦楽四重奏のユニットです。時代的にはと渡辺真知子、八神純子、竹内まりやらと重なりますが、いわゆる大ヒットはありませんでした。世代的にはずっとお若いケニティーさんですが、時代を超えて好きな曲をお持ちとは素晴らしいです(その傾向は当方にもありますが)。
CD音源では他、幸田浩子、辛島美登里、池田綾子(山梨のシンガーソングライターです)、さらには中学生によるJ-POPの合唱までかけていただきました。柴田淳はライブ映像では、カバー作品のメドレーとMCを鑑賞しました。カバー作品で有名になる前からのファンとのことです。私の持ち込んだ伊東ゆかり「ボサノバに泣いてる」では、ゲーム感覚でルームチューニングのブラインドテストを行いました。小さな吸音アクセサリーを置く、置かないで音の印象が随分と変わりました。オーディオはやっぱり、何をやっても変わりますね。
前回からの4年が経過して、音の印象も随分と変わりました。前回は、豊かな低音、厚みの印象がありましたが、今回は、低音の深さは維持しつつも、全般にノイズフロアの低さを感じました。とても細かい音まで解像している印象です。機器の振動対策が効いているのだと思います。温度感がニュートラルになりました。ヴォーカルの位置も少し奥まり、これも私の好みに近くに感じました。甲府駅からお宅に向かう途中、「かなり良い状態」と伺っていましたが、お言葉通りのサウンドを聴かせていただきました。
甲府に繰り出して、感想戦を持ちました。金曜日の夕方ということもあり、またコロナ明けの反動もあり、飲み屋は全般に混んでいました。お目当ての焼きとん屋さんは1時間限定で入れました。もう1件つないで、オフ会や音楽の話、近況の話をさせていただきました。朝から充実した1日でしたが、その分、過ぎるのもあっと言う間でした。山梨のお土産を調達し、始発のかいじ号で、酔いを醒ましつつ横浜へ戻りました。ケニティーさん、4年ぶりにお邪魔させていただき、ありがとうございました。次回、横浜訪問時はしっかり準備してお迎えしたいと思います。