月曜日から仕事始めだったこともあり、1週間ですっかり正月ボケが吹き飛んだ方も多いのではないでしょうか。私も関西日帰りあり、新年会ありで、一気にネジを巻き戻されました。もっとも年初から3連休です、ネジが緩む恐れもありますが・・・(笑)。立春まではまだ間がありますが、ようやく近所の散歩道の梅も咲き始めました。ここの梅を見て、西方寺の蝋梅をみて春を待つ・・・なんとなく定着しそうな私の中での初春のパターンです。梅は長い期間咲きます。この木の最後一輪が落ちる頃は、桜の季節も近いはずです。そう思うと、春も近いです。
直接、平行法の話ではありませんが、ヴォーカルの定位に関してちょっとした実験をしましたので紹介します。きっかけはPhilewebでのK&Kさんの記事でした。視聴位置を左右に移動した際、定位の移動の仕方が音源に依存するとのことでした。移動の大小があるようです。平行法が決まると音像が動かない・・・といった表現を耳(目)にしていたので、移動に関して気にし過ぎていたのかも知れません。早速試したところ、K&Kさんと同じ様な結果となりました。自身のオーディオ再生にも参考になる予感がしたので、冬休みを利用して、少々突っ込んだ実験をした次第です。
オーディオファンならずとも、SP間のヴォーカルの出所がリスナーの移動に応じて動くことは当たり前のように経験されていると思います。拙宅ではさらに移動を進めると定位せずにSPから直接ヴォーカルが聴こえる状態になります。この時、遠い方のSPの音は聴こえなくなります。両耳への音の到達時間差が1ミリ秒あると生ずる先行音効果です。拙宅ですと左右に400mm程度移動すると生じます。時間差はそのまま距離差ですから、幾何学的に試聴位置がSPから遠いシステムほど先行音効果が生ずるまでの移動距離は長くなります。ただし、今回はシステムの違いではなく、音源の違いの話題です。
実験に使った音源を紹介します。定位の移動が小さい代表は、K&Kさんの音楽室で録音されたソプラノです。音楽室には昨年2月にお邪魔しました。オーディオシステムとピアノが同居する、響きを抑えた会話がしやすい空間だったことを憶えています。百人一首を唄う企画CDに納められた「淡路島」を使いました。シンプルな1ポイントステレオ録音だそうです。移動の大きい代表は、リンダロンシュタットのデュエット集から「Walk Away Renee」です。過去の音源からデュエットを集めたアルバムであるため録音については注意が必要ですが、おそらくジャケットにあるような1本マイクでの録音だと思われます。
実験です。センターから右へ400mmほど離れた位置に座り、まず「Walk Away Renee」から聴きます。先行音効果が生じる、生じないの境目を探ります。SP奥に定位したり、SPに張り付いたり、が入れ替わる境目の位置です。少女と老婆が入れ替わるだまし絵のような感覚です。ここで視聴位置を固定し、音源を「淡路島」に替えます。拙宅では「淡路島」は、安定してSP奥に定位したままでした。次に視聴位置をセンター側へ200mmほど戻します。両音源ともにSP間に定位しますが、「淡路島」は「Walk Away Renee」に比べて、よりセンター側に定位しました。K&Kさんの実験結果と同じです。
定位の移動の大小が音源によって変わることを、拙宅の環境&私の耳という条件で確認することができました。詳しい方なら理由をお分かりかもしれませんが、何事も自分で確認してみたい性分です。録音の差(ステレオ/モノラル)が効いてるのか、あるいは録音環境の残響が効いているのか、追加で実験してみました。「淡路島」をモノラル音源にして再実験です。モノラル音源化されると左右のチャンネルの位相差(時間差)は無くなりますが、録音部屋の残響は残ります。結果は予想していた通り。モノラル化された「淡路島」は「Walk Away Renee」と同じように、定位の移動が大きくなりました。
その後、ジャンル跨いでいろんなヴォーカル音源の定位の移動の大きさを比較してみました。モノラル音源はジャンルに関わらず全て移動が大きいこと、ステレオ録音は総じて移動が小さいこと、POPS系は総じて移動が大きいことが判りました。例えばリタ・シュトライヒのCDには年代の異なる、ステレオ/モノラル録音の音源が入っていますが、両者では挙動が異なります。同じリンダロンシュタットでも名盤『Hasten Down the Wind』は移動が小さい・・・とはK&Kさんとのメールで出た話題です。私も「Walk Away Renee」との差を確認しました。差が録音起因なのか編集起因なのかは?ですが、POPS系も様々ということです。
音楽室での録音において、マイクと歌い手さんの距離は約1mだそうです。私の想像より随分近いですね。一方で、人間が持つ、方向を知覚する感度(特に正面方向)は高いとも聞きます。音源に入っている些細な位相情報が大事であることを実感しました。位相情報と上手く向き合うことを、セッティングにおいても意識したいですね。位相については、もう少し掘り下げてみたいと思っています。音源提供やメールでの意見交換でK&Kさんにはお世話になりました。ありがとうございました。
直接、平行法の話ではありませんが、ヴォーカルの定位に関してちょっとした実験をしましたので紹介します。きっかけはPhilewebでのK&Kさんの記事でした。視聴位置を左右に移動した際、定位の移動の仕方が音源に依存するとのことでした。移動の大小があるようです。平行法が決まると音像が動かない・・・といった表現を耳(目)にしていたので、移動に関して気にし過ぎていたのかも知れません。早速試したところ、K&Kさんと同じ様な結果となりました。自身のオーディオ再生にも参考になる予感がしたので、冬休みを利用して、少々突っ込んだ実験をした次第です。
オーディオファンならずとも、SP間のヴォーカルの出所がリスナーの移動に応じて動くことは当たり前のように経験されていると思います。拙宅ではさらに移動を進めると定位せずにSPから直接ヴォーカルが聴こえる状態になります。この時、遠い方のSPの音は聴こえなくなります。両耳への音の到達時間差が1ミリ秒あると生ずる先行音効果です。拙宅ですと左右に400mm程度移動すると生じます。時間差はそのまま距離差ですから、幾何学的に試聴位置がSPから遠いシステムほど先行音効果が生ずるまでの移動距離は長くなります。ただし、今回はシステムの違いではなく、音源の違いの話題です。
実験に使った音源を紹介します。定位の移動が小さい代表は、K&Kさんの音楽室で録音されたソプラノです。音楽室には昨年2月にお邪魔しました。オーディオシステムとピアノが同居する、響きを抑えた会話がしやすい空間だったことを憶えています。百人一首を唄う企画CDに納められた「淡路島」を使いました。シンプルな1ポイントステレオ録音だそうです。移動の大きい代表は、リンダロンシュタットのデュエット集から「Walk Away Renee」です。過去の音源からデュエットを集めたアルバムであるため録音については注意が必要ですが、おそらくジャケットにあるような1本マイクでの録音だと思われます。
実験です。センターから右へ400mmほど離れた位置に座り、まず「Walk Away Renee」から聴きます。先行音効果が生じる、生じないの境目を探ります。SP奥に定位したり、SPに張り付いたり、が入れ替わる境目の位置です。少女と老婆が入れ替わるだまし絵のような感覚です。ここで視聴位置を固定し、音源を「淡路島」に替えます。拙宅では「淡路島」は、安定してSP奥に定位したままでした。次に視聴位置をセンター側へ200mmほど戻します。両音源ともにSP間に定位しますが、「淡路島」は「Walk Away Renee」に比べて、よりセンター側に定位しました。K&Kさんの実験結果と同じです。
定位の移動の大小が音源によって変わることを、拙宅の環境&私の耳という条件で確認することができました。詳しい方なら理由をお分かりかもしれませんが、何事も自分で確認してみたい性分です。録音の差(ステレオ/モノラル)が効いてるのか、あるいは録音環境の残響が効いているのか、追加で実験してみました。「淡路島」をモノラル音源にして再実験です。モノラル音源化されると左右のチャンネルの位相差(時間差)は無くなりますが、録音部屋の残響は残ります。結果は予想していた通り。モノラル化された「淡路島」は「Walk Away Renee」と同じように、定位の移動が大きくなりました。
その後、ジャンル跨いでいろんなヴォーカル音源の定位の移動の大きさを比較してみました。モノラル音源はジャンルに関わらず全て移動が大きいこと、ステレオ録音は総じて移動が小さいこと、POPS系は総じて移動が大きいことが判りました。例えばリタ・シュトライヒのCDには年代の異なる、ステレオ/モノラル録音の音源が入っていますが、両者では挙動が異なります。同じリンダロンシュタットでも名盤『Hasten Down the Wind』は移動が小さい・・・とはK&Kさんとのメールで出た話題です。私も「Walk Away Renee」との差を確認しました。差が録音起因なのか編集起因なのかは?ですが、POPS系も様々ということです。
音楽室での録音において、マイクと歌い手さんの距離は約1mだそうです。私の想像より随分近いですね。一方で、人間が持つ、方向を知覚する感度(特に正面方向)は高いとも聞きます。音源に入っている些細な位相情報が大事であることを実感しました。位相情報と上手く向き合うことを、セッティングにおいても意識したいですね。位相については、もう少し掘り下げてみたいと思っています。音源提供やメールでの意見交換でK&Kさんにはお世話になりました。ありがとうございました。
モノラルとステレオで移動の仕方が異なるということですが、単体録音をしたディスク(各楽器が各ブースで各マイクに向かって録音したような、そもそも音場がないもの)ではことごとく容易に移動してしまうことにも話が繋がりそうです。
最近は映画音源で天井やら後ろやらに音が飛び回るのを楽しんでいます。2chだけでもそれくらいの表現は十分可能とわかりました。
しかし、先日お客様が来られた時は部屋の隅にいたのですが、そこでは音が動く様子は全くわかりませんでした。
一方、CDなどの普通のステレオ音源ではSP後方あたりで並んでいるのはいつもと同じでなんとなくわかりました。
サラウンドの位相はまた何か違うのではないかと初めて気付く経験となった一日でした。
平行法あれやこれや、とタイトルつけていますが、今回のように脱線気味の話題も含めて、いろいろと実験しようと思っています。参考になれば幸いです。といってもゴールにたどりつけるかどうか・・・(笑)。
普段、体を動かしながら聴くわけでないので、移動の大小はあまり気にする話ではありませんが、音場の有無を実感することができました。
サラウンドはまた違った世界がありそうです。こちらはまずは、2chでベストセッティングを探す1年になりそうです。
新天地でもオフ会始まりましたね。関西には今年も行く機会が多いです。ちょっと頑張ればそちらも近い?かな。
レポートありがとうございました。
こういうことって意外に知られていないような気がしますので、有意義な情報だと思います。
リスニングポイントによる音像の移動は自分のシステムの問題だと悩みがちですが、ソフトによる違いが大きいことは理解しておいた方がいいですね。
きっかけはK&Kさんの、Philewebでの記事でした。私の場合、ポピュラーソングからオーディオに入りましたので、音場のあるなしを意識するようになって、まだ年数が経っていません。今回のような掘り下げは、得られるものが多いですね。あらためて音場情報の大切さも実感しました。