奈良県のちょうど真ん中に位置する「下市町」
その吉野川流域、五條市に隣接したところに
新住(あたらすみ)という集落があります。
ここの伝統行事が、今年(平成24年)3月、奈良県重要無形文化財に認定されました、
とある伝統行事についてご紹介します。
それが、「御仮屋(オカリヤ)」。
これは、秋祭りまでの八幡神社(通称:お宮さん)の氏神様の仮の住まい。
八幡神社の秋祭りが行われる1ヶ月前に、
その年の頭家(当家・トヤ)の庭先などに、
神様をお迎えするために建てられます。
※頭家(当家・トヤ)とは?
八幡神社の世話をする
当番の代表を務める家庭のことです。
僕の地元ではいくつかの班に分かれており、
1年間、班ごとで八幡神社の世話をします。
御仮屋は、4本の竹を四方に立てて、先端を集めて屋根にし、
ヒノキの葉っぱを葺いて組んだ竹で押さえます。
その周囲に竹垣と小石を並べて結界(神域との境目)とし、
正面に鳥居を立てます。
そして、中心には竹筒を立てて、
そこに、八幡神社で神移しをした榊が供えられています。
この榊が「氏神さん」です。
頭屋は、秋祭りの宵宮(いわば前夜祭)が行われるまでの1ヶ月間、
毎朝吉野川から汲んできた水を供給し、
秋祭りの本宮祭のときにこの榊を持って八幡神社へ参列します。
戦前は、八幡神社を基準に左座と右座に分かれて、それぞれの頭家で
御仮屋が作られていましたが、
現在は上述のとおり、班の順番で行っています。
この御仮屋。
古い民間信仰の形態を残しており、奈良県南部でも貴重な伝統文化であるため、
平成24年3月30日に、「奈良県指定無形民族文化財」としての
指定を受けました。
※奈良県公式Webサイト「文化財保存課」にもご紹介されています。
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_itemid-79967.htm
新住という集落は田畑が多く、吉野川沿いの肥沃な土に恵まれており、
昔から農業が盛んでした。
吉野川の水は、新住地区はもちろん、
「吉野川疎水」として奈良県北部にも供給されており、
奈良盆地の農業にも重宝されています。
しかも、吉野川疎水の取水口はこの地区のすぐ近くです。
「あすかルビー」といったイチゴ、大和野菜があるのも、
吉野川の水のお陰であるといっても過言ではないといえるでしょう。
それだけ吉野川の水は「神聖な水」という意味合いが強いことでしょう。
また、吉野川の源流は、「大台ケ原」。
日本で最も雨が良く降るといわれているところです。
で、新住地区からは東、つまり日の出の方角に位置します。
これも何かあるかもしれませんね。
宗教っぽいお話で恐縮ですが、
御仮屋は、
日ごろからお世話になっている人をおもてなしし、感謝(歓迎)することと同じように、
農業が出来ることに対して、自然(との出会い)に感謝する意味あいがあると思います。
まさに「農業の多面的機能」を象徴した伝統文化といえるでしょう。
農業は自然相手であり、ただ単に野菜・果物、穀物を作るだけではありません。
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その吉野川流域、五條市に隣接したところに
新住(あたらすみ)という集落があります。
ここの伝統行事が、今年(平成24年)3月、奈良県重要無形文化財に認定されました、
とある伝統行事についてご紹介します。
それが、「御仮屋(オカリヤ)」。
これは、秋祭りまでの八幡神社(通称:お宮さん)の氏神様の仮の住まい。
八幡神社の秋祭りが行われる1ヶ月前に、
その年の頭家(当家・トヤ)の庭先などに、
神様をお迎えするために建てられます。
※頭家(当家・トヤ)とは?
八幡神社の世話をする
当番の代表を務める家庭のことです。
僕の地元ではいくつかの班に分かれており、
1年間、班ごとで八幡神社の世話をします。
御仮屋は、4本の竹を四方に立てて、先端を集めて屋根にし、
ヒノキの葉っぱを葺いて組んだ竹で押さえます。
その周囲に竹垣と小石を並べて結界(神域との境目)とし、
正面に鳥居を立てます。
そして、中心には竹筒を立てて、
そこに、八幡神社で神移しをした榊が供えられています。
この榊が「氏神さん」です。
頭屋は、秋祭りの宵宮(いわば前夜祭)が行われるまでの1ヶ月間、
毎朝吉野川から汲んできた水を供給し、
秋祭りの本宮祭のときにこの榊を持って八幡神社へ参列します。
戦前は、八幡神社を基準に左座と右座に分かれて、それぞれの頭家で
御仮屋が作られていましたが、
現在は上述のとおり、班の順番で行っています。
この御仮屋。
古い民間信仰の形態を残しており、奈良県南部でも貴重な伝統文化であるため、
平成24年3月30日に、「奈良県指定無形民族文化財」としての
指定を受けました。
※奈良県公式Webサイト「文化財保存課」にもご紹介されています。
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_itemid-79967.htm
新住という集落は田畑が多く、吉野川沿いの肥沃な土に恵まれており、
昔から農業が盛んでした。
吉野川の水は、新住地区はもちろん、
「吉野川疎水」として奈良県北部にも供給されており、
奈良盆地の農業にも重宝されています。
しかも、吉野川疎水の取水口はこの地区のすぐ近くです。
「あすかルビー」といったイチゴ、大和野菜があるのも、
吉野川の水のお陰であるといっても過言ではないといえるでしょう。
それだけ吉野川の水は「神聖な水」という意味合いが強いことでしょう。
また、吉野川の源流は、「大台ケ原」。
日本で最も雨が良く降るといわれているところです。
で、新住地区からは東、つまり日の出の方角に位置します。
これも何かあるかもしれませんね。
宗教っぽいお話で恐縮ですが、
御仮屋は、
日ごろからお世話になっている人をおもてなしし、感謝(歓迎)することと同じように、
農業が出来ることに対して、自然(との出会い)に感謝する意味あいがあると思います。
まさに「農業の多面的機能」を象徴した伝統文化といえるでしょう。
農業は自然相手であり、ただ単に野菜・果物、穀物を作るだけではありません。
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