2月21日(月)
大淀町大岩にある「モーニングだけの喫茶店 きまぐれや」にて、NPO法人おおいわ結の里主催「民俗行事を語る会」があり、参加しました。
今回は、
世代を超えて伝統を受け継ぐ
「火」にまつわる民俗行事を語る会。
(写真は2022年の大岩のトンドです)
まずは、おおいわ結の里の理事長である小西正久先生からご挨拶。
大淀町学芸員の松田度様と、民族写真家の田中 眞人様が、「とんど」を中心に火にまつわる伝統行事の想いについてお話下さいました。
松田様は大淀町内のとんどについてお話下さいました。
田中様は奈良盆地各地のとんどについてお話下さいました。
その後は、松田様と田中様のディスカッション。
それぞれ各地で行われる「とんど」
大淀町内はもちろん、奈良盆地各地においても、
地域によって、違いがあることを学びました。
例えば、
・とんどを行う日と時間。
・とんどの大きさや形、飾りつけるもの。
・無病息災を願って食べる餅を焼く道具。
・とんどの火を持ち帰る道具。
・小豆粥の食べ方とお供えする場所と方法。
・・・など。
違いを見ていくと、
昔のカタチをそのまんま伝えているものもあれば、
現代人にアレンジしたものもある。
特別な、大切な行事というところもあれば、
語弊がありますが、お正月飾りの後始末的なところもある。
この2つの点は野菜果物とも共通していますね。
原産地から日本に伝来して各地に広がり、その土地にあって変化して、在来野菜、伝統野菜として親しまれているものもあれば、
現代人の食生活や生産の効率性に合わせて
品種改良されて親しまれているものがある点。
そして、
特別な食べ物(スペシャルティ)でもあれば、
ありきたりな食べ物(コモディティ)でもある点。
また、伝統行事を知らない、見たこともない生活者も増えています。
とんどもその1つ。
そうした人々が、
とんどを火事と間違えて(とんどの主催者が消防署に届け出を出しているのに)通報したり、とんどの煙や灰でクレームが起こって、行事が途絶えてしまった事例もあるそうです。
リンゴを買って切ったら蜜入りリンゴで、一口も味見せず「痛んで食べられない!」とクレームが出るのと似ていますね。
とんど以外の伝統行事でも、そういうケースで悩まされているところもあるのでしょうね…。
いかに、本質、ほんまもの、本当の姿を伝えるか?
野菜果物の本質を追い、伝えている身としても考えさせられました。
とはいえ、火の行事の民族性と多様性に触れることが出来て、あっという間の時間を過ごすことが出来ました。
今年、大岩のとんどに、準備から初めて参加させていただき、とんどなどの伝統行事の理解を深めたいと思っていた矢先でしたので、参加が叶い、うれしかったです。
松田様
田中様
そしてご一緒させていただいた皆様。
ありがとうございました。
****************************************