2016/05/19
「やわらかな空気のうごく瞬間のヒナゲシふいと背をのばしたり(鳥海明子)」
「雛罌粟といえばアグネス歌いたる丘で咲きたる赤い花なり(花言葉:慰め)」
「雛罌粟は虞美人草のことらしいアグネス・チャンの歌いし花か
(漱石の『虞美人草』が気になる)」
「未熟なる罌粟の果実に阿片とれすなわち栽培禁止されおり(品種による)」
「『ヒマラヤの青いケシ』から阿片など採れない品種名は紛らわし
(六甲高山植物園でみた)」
「青葉づく頃の黒潮『青葉潮』と五月の頃は相模・伊豆を過ぎる
(『鰹を呼ぶ青葉潮』)」
「鰹売いかなる人を酔すらん(芭蕉)」
「わが宿のおくれ鰹も月夜哉(一茶)」
2016/05/19
本日は五月の句会である。兼題は、清水・サングラス・河鹿・雑である。比較的作りやすかったが、投句の五句を選ぶのが難しい。日常の中から自然に歌わないとと思いつつ身構えてしまう。見る->考え付く->発想を飛ばす->言葉を探す->言葉をまとめる、となるのだろうが、ぎくしゃくしているような気がする。始まったばかり、精進、精進。
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【清水】
◎「岩清水阿蘇の被災者癒せかし()」
「湧き清水阿蘇の人らを癒せかし()」
「湧き清水阿蘇の被災者癒せかし()」
【サングラス】
◎「マッカーサーせるサングラス吾もまね()」
「サングラス下に隠せるあれやこれ()」
「タラップのマッカーサーせるサングラス()」
「紫外線断つサングラス百円と()」
「元帥はパイブを加えサングラス()」
「サングラス下に隠せる優しき目()」
【河鹿】
「大きなるのどぶくろして河鹿鳴く()」
「ハイトーン河鹿のごとく皓正は()」
◎「ペット吹く奏者の頬や河鹿めく()」
「暑さ去りゆふぐれの川かじか鳴く()」
【雑】
「背広着て犬散歩さす四月尽()」「山肌が緑を競う立夏かな()」
「山肌の緑に藤が房つける()」
「山肌の緑に藤がからみつく()」
◎「みどりみどりみどり中でからまる藤の花()」
「みどりみどりみどり中に混じれる藤の花()」
「カメレオンのごとく染まれる新緑に()」
「山頭火カメレオンのごと青になる()」
「山頭火カメレオンのごと青い山()」
◎「山頭火カメレオンのごと青に染む()」
「緑雨明け鴉歩きし土に跡()」
「土面に鴉跡ある緑雨後に()」
「緑雨あけ鴉歩けるグランドを()」「()」「()」
「干からびぬ蚯蚓なぜに出でくるや(隆夫)」
「時おそし蚯蚓出でくる干からびに(隆夫)」
「出てくれば時おそし蚯蚓出でくる干からびに(隆夫)」
「出てくれば時に干からぶ蚯蚓かな(隆夫)」
「蚯蚓には俳味がなきか名句なし(隆夫)」
「餌と糞土を咀嚼の蚯蚓かな(隆夫)」
「豊穣よ土を咀嚼の蚯蚓かな(隆夫)」
「大地豊穣よ土を咀嚼の蚯蚓かな(隆夫)」
「土を食い大地豊かに蚯蚓かな(隆夫)」
「土を食み土を吐きだす蚯蚓かな(隆夫)」
「餌と糞皮で覆える蚯蚓かな(隆夫)」
「舗装路で進路まちがう蚯蚓かな()」
「まな板に子持ち白魚のせられて()」
「麦刈りはいがらつぽいと祖母行かず()」