風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

法人税減税しないと企業は海外へ?

2011-11-20 | 社会
「法人税を下げないと企業がどんどん海外に出ていってしまう」「企業が利益を増やしたら、雇用と労働者の所得が増える」ということが、財界や一部経済学者・評論家らがテレビでよくいっている。ほんとうだろうか?

ここに経産省の一つの調査(海外事業活動基本調査09年度)がありますが、これによると「09年度に海外現地法人に新たに投資または追加投資(事業所を建設や設備の増設のこと)を行った」理由として
・「現地の製品需要が旺盛、または今後需要の増加が見込める」(68.1%)
・「良質で安価な労働力が確保できる」(26.2%)
・「納入先を含む、他の日系企業の進出実績がある」(25.6%)
・「税制、融資等の優遇処置がある」(10.6%)
(以下省略)
という順位になっている。

要するに、企業の海外進出の主な理由が、「税制の優遇」(法人税の高い低い)ではないことがわかります。
昨今、「不景気」といわれる状況下でも大企業は「内部留保」というもうけのため込みを増やしつづける一方で、賃金などの労働条件の切り下げとリストラで正社員を減らし、低賃金・無権利な労働条件で働く派遣や請負などの非正規労働者切り替えている。

こんな雇用破壊を放置しておいて法人税減税をしても、はたらく人らの消費・購買力を減退しつづけ、結局、企業活動も後退し利益が上がらないという悪循環に陥るだけではないだろうか。