風・感じるままに

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安倍首相と東電

2013-09-10 | 社会
安倍首相が、国際オリンピック委員会総会の五輪招致プレゼンテーションで、福島第1原発の汚染水問題について、「完全にブロックされている」「コントロール下にある」と発言した。
このことについて、東京電力は9日の記者会見で、記者から「東電も『完全にブロックされている』『コントロール下にある』と認識しているのか」と何度問われて、「一日も早く(状況を)安定させたい」という答弁を繰り返すだけで、それ以外のことは一切言わないという態度に終始した。記者から「質問に答えていない」の厳しい意見が噴出したという。

安倍首相の「港湾内にブロック」という説明は、東電の「フェンス外の放射性物質濃度は内側に比べ最大5分の1までに抑えられている」を根拠にしていると思われる。だが、フェンス内と港湾内、外海の海水は1日に50%ずつ入れ替わっていて、トリチウムという放射性物質は水と似た性質を持つためフェンスを通過するのだ。港湾口や沖合3キロの海水の放射性物質は検出限界値を下回っているが、専門家は「大量の海水で薄まっているにすぎない」と言っている。

連日の地下水の流入やタンクからの高濃度汚染水漏れが発生していて、「コントロールできない」日々が続き、海への流出も指摘されているのに、安倍首相はあんなことをよくも言えるものだと怒りを覚える。
多くのマスコミは〝東京オリンピック万歳〟の一色だが、原発事故で多くの人が故郷を追われ、帰れる見通しが全くない状態の置かれている現実をどう考えるのか。

私は言いたい。安倍首相は、東電は多くの避難生活を強いられている人たちに、漁に出られない漁民の前で、あのプレゼンテーションで言ったことをもう一度言えるのかと。
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