風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

トランヂスタ・ラジオの想い出

2013-10-13 | 社会
先日のニュースで、ベトナム解放闘争で大きな役割を果たしボー・グエン・ザップ氏の死去を伝えていた。102歳だったという。
一般的に言われる「ベトナム戦争」は、1946年から1976年の30年間に及ぶベトナム人民の抗仏・抗米のたたかい。
ボー氏は、この戦いで、軍事力で圧倒的な優位にあった仏軍・米軍に対して人民軍を指揮し、ベトナム人民を勝利に導いた「将軍」だった。
私が、ボー氏の名前を知ったのは18歳くらい。ちょうど、「トンキン湾事件」をきっかけにアメリカ軍による北ベトナム爆撃が始まり、ベトナム戦争が一層拡大したころ。新聞やテレビで「ベトナム戦争」のことが報じられない日がないくらいだった。

その頃、私が所属していた青年組織でベトナム人民支援活動が取り組まれた。働いていた職場の仲間たちで、支援に「トランジスタ・ラジオを送ろう」とカンパ活動に取り組んだ。カンパは1万円くらい集まり、そこそこの性能のラジオを買うことができた。
何でトランジスタ・ラジオかと言えば、普通の無線機では、敵(アメリカ軍に)察知される。そこで、小さなFM局を作り、歌や語りの放送で、ジャングルの中でたたかうベトナム人民軍を励ますとともに、その放送にの中に暗号を忍ばせて、軍事作戦の連絡を取り合うことに使うというのだ。(そのように聞かされていた)

我々の贈ったラジオがどのように使われ、人民軍のたたかいにどれくらい役立ったのかはわからない。ただ、世界史に残る出来事にちょっとだけでも関わった自分の青春の一ページは、今でも鮮明に蘇ってくる。
あの頃は若かった。