本日公開された、映画「太秦ライムライト」の主演、福本清三さんが注目されている。
半世紀にわたり東映の時代劇で〝斬られ役〟を演じてきた人が主役を務めるからです。
映画の内容も、福本さんの半世紀にわたる俳優人生をしのばせるものだそうです。
実は、この福本さんをちょっとだけ知っているというか縁があるのです。
私が世話になっていた和太鼓サークルのメンバーに、東映京都撮影所で時代劇を撮りつづけてきたカメラマンのMさんがいたのです。
ある時、彼の家(京都府右京区)にお邪魔した時のこと。大物俳優の北小路欣也などと一緒に写った写真があったので、「これどうしたの?」と聞いたら、彼は「この近くでロケしたときに俺の家に来たんや」と言っていました。
そんな縁がありまして、東映太秦映画村の夏祭りにわれわれの太鼓サークルが出演したことがありました。
演奏した後に休憩所で休んでいる時に、Mさんが親しそうに話している人がいました。歳は私らより少し上でしょうか、体は少しやせ形で強面の人でした。
Mさんの「今日の出番は?」との問いに、この人は「今日はもう全部終わった」と返事をしていました。
Mさんがサークルのメンバーに「この人は〝切られ役の大物〟の福本さんや」と紹介してくれました。福本さんは、ちょっと恥ずかしそうに頭をぺコンと下げられただけでした。
福本さんが去った後にMさんは、「時代劇も減ってきて、彼らの出番もだんだん少なくなり、この世界、俳優だけの仕事で飯が食えない人も多いんや」とぽつりと言った。
福本清三さんは、私の直接の知り合いではありませんが、今度、10年ぶりに、このような形(映画)で会うことができることをたいへん楽しみにしています。
※福本清三さんが語る自身の履歴などはここから。