山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

マメナシ、シデコブシ、ハナノキ、東海丘陵要素の樹木の花々

2008-04-09 | 植物
子どものころ新田と呼ばれる平らなところに住んでいた私は、山がちのところがあこがれで、金城学院大学のある名古屋の大森の山にときどき友達を訪ねて出かけるのが楽しみだった。
そこには雨池とカラ池という池が並んでいて、2つの池の間の一本道は春には桜のトンネルになった。
中学2年が終わる春休み、清水優子っていう子と妙に仲良くなり、雨池のもっと向こうにある彼女の家に行き、近くの雑木山を歩き回ると、やぶのあちこちにミツバツツジが咲き乱れ(当時はレンゲツツジというのだと思っていた、レンゲ色だから)ていて感動。シデコブシも咲いていて、一目見てその透明感のある美しさが忘れられなくなった。けど、それがシデコブシというとは知らず、ただのコブシだと思っていた。
シデコブシという花の名は父と母から春になるたび、彼らの思い出話の中で、さんざん聞かされていた。

なぜだか私自身が植物に興味を持つようになり、東海丘陵要素などというものとも大変仲良くなった。不思議な因縁である。というか、最初から決まっていたことで、すべては今の伏線だったのか。

一昨年マメナシという愛知県の東部丘陵だけにあるナシのことを知り、その数少ない自生地が大森の雨池の近くにあることも分かった。
父にマメナシを見たことがあるかと聞くと、平然と「ある」と。昔見に行ったという。私なんかが知るず~~っと前から父は知っていた。
おみそれしました。さすが私の父である!(意味不明)

先日、マメナシも見たかったけれど、その思い出の雨池の桜並木が見たくて、行ってみた。様子がすっかり変わり、家が密集していて、雨池を探し出すことができなかった。雨池はなくなったのだと思った。
帰ってみて地図を見たらちゃんとあった。
子どもの頃と距離感覚が全く違っていて、駅からわずか500メートルぐらいしかないのに、もっとうんと遠いように感じていた。
遠足でとても遠くまで歩いた気がした小幡緑地も、
歩けば10分ほどだということが分かり、
春日井に引っ越した友達のことはまるで異国の人になってしまったかのように感じていたけど、たかだかうちから5キロしかなかったことも分かりショック。
思い出の中というのは、現実とは別世界なのであるけれど
それは今の現実と別世界であるだけで、そのときにはそれなりに存在したまぎれもない現実なのであろう。

雨池の近くに住んでいた伊藤君は、小学校に入学してすぐに隣の席だった子で、月曜日のたびに、前の日にカブスカウトで習った歌を歌ってくれ、キャンプや山の話などしてくれたのだった。思えば彼が今の私に少なからぬ影響を与えている。物心つかない私は山の楽しさをすりこまれてしまったわけである。
そのころから彼の話に出てくる雨池自体も憧れの対象になってしまった。
伊藤君は理科にバツグンのセンスを示す人だったが、今ごろどうしているか。過去の現実は今の現実ではないので、あまり追求しない方がいいのかも。

小牧でマメナシの観察会が今度の土曜日にあるとのこと。
私は行けないけれど。
集合 平成20年4月12日(土)9:30
集合場所 小牧市大草交差点のサークルK
http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi6714508080403193813
観察会 9:45~11:45
参考/第1回の観察会の様子
http://hoerumedaka.seesaa.net/article/92315599.html


中津川のシデコブシは見ごろ。
坂本駅の渡線橋からはハナノキの赤くなった梢が良く見える。

満開の桜を見ながら

2008-04-09 | めぐる季節と自然
桜の下でほろ酔い加減になるような
お花見らしいお花見はしていないけれど
先日京都に出かけるとき、電車とバスの車窓から桜を十分に見たし
今日は名古屋に行くときに楽しんだ。
多治見や高蔵寺あたりではちょうどいい感じで
土岐川沿線の山々の常緑樹の中に山桜やソメイヨシノが混じるのは
本当にきれい。
冬枯れの雑木林の下には赤紫色のコバノミツバツツジが咲き乱れて
まさにうららかな春景色。

鶴舞公園では桜はもうほとんど散っていて
ヒラドツツジが咲き始めていた。
野草ではマツバウンランやオッタチカタバミ、マメグンバイナズナなどの帰化植物や、ナズナ、ホトケノザ、スズメノカタビラなど。
街の植物観察の講座もだんだん人数が増えてきた。