夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
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東京都政、敗戦後からのゴットファーザーの変還を初めて学び、無力な私は動顛して、溜息を重ねて・・。

2016-08-24 15:44:06 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住む年金生活の71歳の身であるが、
結婚前後5年を除き、都民のひとりとして、この地に66年ばかり過ごしている。

私は政治にも疎(うと)く、近現代史など歴史に興味あるひとりであり、
ここ20数年は、塩野七生、徳岡孝夫、櫻井よしこ、中西輝政などの各氏を読み、
根幹の私の思想は、塩野七生さんの真似事をすれば、現実的理想主義である、と思ったりしている。

そして政治家は権力と重責が収集するので、一般社会人より遥かに言動が注視され、功罪も追及される人であり、
在任中に功績が7割、罪悪が3割で有ったら、十二分に責務を果たした、と私は評価している。

そして私は25歳の頃から、何かと自民党を信愛してきたひとりであるが、
過ぎし7月31日に都知事選が実施される前、私は戸惑いながら、思案を重ねてきた・・。
            
私は新聞、雑誌、ネットでニュースを読んだり、テレビでニュースを視聴してきたが、
何かしら自民党の都知事の公認候補は、自民党本部ではなく、東京都連が決めると知り、
東京都連の会長は石原伸晃さんであるが、幹事長の内田茂さんが、実質の公認権を持っている、
と学んだりしてきた。
            

こうした中、東京都議会議員をはじめ、更に東京都選出の国会議員の公認権も、
幹事長である内田茂さんが、指示していると知ったりした。

東京都選出の国会議員は、選挙の時は都議会議員の多大な協力を得て、当選できることが圧倒的に多く、
こうした関係で、東京都連の幹事長の内田茂さんが、都政、そして国政の東京都選出の国会議員まで、
多大な権力を収集していると学んだりした。

そして内田茂さんは、幹事長のポストに2005年以来、10年以上もされながら勢力を拡大し、
都知事が交代したとしても、今でも継続していた。

過ぎし日、舛添都知事が辞任された時は、都議会は与党の自民党(56人)と公明党(23人)の議員が圧倒的が多く、
内田茂さんは、都政、そして国政の東京地区のゴッドファーザーだねぇ、と悪しき妄想を重ねたりしてきた・・。
            
つたない私が発想したは、マリオ・プーゾの小説に基づき、
フランシス・フォード・コッポラが監督した映画『ゴッドファーザー』(1972年)で、
名優マーロン・ブランドが扮したゴッドファーザーであり、アメリカの裏社会の実態を表現した作品である。

そして、都知事選に立候補の有力者として、自民党衆院議員の小池百合子元防衛相(63歳)、
自民、公明などが推薦する前岩手県知事の増田寛也元総務相(64歳)、
野党統一候補として擁立されたジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76歳)とされていたが、
私は都政を浄化して下さる御方は、小池百合子さんだけだ、と期待して清き一票を投じた。
            

もとより都知事は聳え立つ都庁で、約13,574千人の都民をあずかる東京都の執行最高責任者として、
そして都の約16万5千人の職員の最高責任者として、都民の安全も責務とされる。

そして都民の有権者から、小池百合子さんが新都知事として選出され、
今後の東京都、そして首都の関係で日本のゆくえに影響するので、
有権者の責任も重いが、何より有権者から託(たく)された小池百合子都知事の言動は重責である。

私は小池百合子さんに清き一票を投じた責務として、無力ながら支援し、
小池百合子都知事の言動に注視している今日である。


昨夜、ときおり愛読しているネットの『現代ビジネス』を見ていたら、
【 東京都政、その「巨大利権」と知られざる歴代のドンたち 小池都知事は本当に切り込めるのか? 】と見出しを見て、
私は必須難題だよねぇ、と思いながら精読した。

この記事は『現代ビジネス』の中で、『ニュースの深層』とし題された寄稿文特集があり、
特に経済事件など詳しいジャーナリストの伊藤博敏(いとう・ひろとし)さんが寄稿文され、
8月18日に配信されていた。 無断ながら転載させて頂く。
            
《・・
☆小池新都知事 vs. 東京都の「ドン」の行方

小池百合子都知事が、都知事選で公約としてきた「都政の利権や闇の追及」が、
上山信一慶応大学教授ら「都政改革本部」のメンバー5人によって、解明されることになった。
当初想定の私的懇談会ではなく、都庁内の正式な組織として立ち上げられ、メンバーは都の顧問となる。

上山信一氏は橋下徹元大阪市長の有力ブレーンとして名を馳せた人。
他に、都知事選で小池氏を支持した若狭勝代議士(元東京地検特捜部副部長)の側近で元検事の坂根義範氏、
債権回収のプロである須田徹公認会計士らも名を連ねており、
かねて指摘されてきた内田茂前自民党都連幹事長らが築いてきた利権構造にメスが入れられる。
            

東京都利権とは何か。
それにはまず、東京都の特殊性を理解する必要がある。

財源が豊かな東京都は、全国で唯一、地方交付税交付金を受け取っていない自治体である。
「ヒモ付きの補助金」に頼らなくて済むということは、
「永田町」と「霞が関」に陳情に行く必要がないし、制約を受けることもない。だから都議が強い。

今回、小池百合子氏の「敵」を仕立て上げる戦略によって『内田茂』という「ドン」が、突然浮上したが、
都政には常に、代議士が束になっても敵わない大物都議がいて、都下の公共工事や大型プロジェクトを仕切ってきた。

内田茂氏の前には、『藤井富雄』氏がいた。
都議会では自民党と並ぶ力を持つ公明党の絶対権力者。

1955年の練馬区議選に初当選して2005年に引退するまで、約50年間も東京都の政治と行政に関与、
しかも暴力団とも渡り合う清濁併せ呑む人柄で、
「藤井先生に挨拶しなければ、都の事業は一歩も進まない」というのが、
都の幹部やゼネコンなど業者の共通認識だった。
            

内田茂氏の浮上は、「藤井引退」を機に都議会の権力構造が変わったためで、
そこには都知事はもちろん、東京都選出国会議員の力も及ばなかった。

1999年の初当選以降、実力と人気を誇った石原慎太郎元都知事だが、
側近の浜渦武生副知事が、公共工事の仕切りに口を挟むようになると、内田氏の怒りを買って百条委員会を立ち上げられ、
2005年、浜渦氏は失脚した。

石原慎太郎都知事の息子の伸晃氏は、長年、都連会長を務めたが、
「神輿に載っているだけの人」というのが、都議会関係者の常識だった。

その源流を遡れば、終戦直後、GHQ(連合国総司令部)から、色街の警護、飲食業界の取りまとめ、
興行界の仕切りを委ねられた『新田新作』氏にぶち当たる。
            

☆「利権」と「人情」

「任侠の世界」にいた新田新作氏は、戦中、日本軍に捕らえられていた米軍捕虜に対して、
持ち前の侠気を発揮、食料面などで、なにかと面倒を見た。

戦後、それがGHQに伝わり、任侠界から足を洗い「新田建設」という土建業を立ち上げていた新田新作氏に、
大量のGHQ関連工事がもたらされて繁栄するとともに、一部の秩序維持が新田新作氏に託された。

新田新作氏は、明治座を再建して社長に就き、元関脇の力道山を抱え込んで、爆発的なプロレスブームの仕掛け人となった。
持っている東京都関連の肩書きは、本人にも覚え切れないほどで、
その力とカネにすがって区議や都議が日参するようになった。

しかし、権力のピークを極めた1957年に死去。

後を継ぐと同時に、新田氏の支配が及んだ世界を、効率的な圧力団体に変え、
自民党都連の最大の集票・集金組織を築き上げたのが、明治座を引き継いだ『三田政吉』氏だった。

料亭「濱田屋」の二代目で、製麺、理容、美容、医療、建設、青果、鮮魚など
あらゆる職種に設立された業界団体を束ね、東京都各種団体協議会世話人代表として君臨した。
 
その三田政吉氏も2006年、95歳で死去。

その数年前まで現役で、「選挙の際、三田さんの所に挨拶に行くのは、自民党議員の常識」とされ、
懐に入った政治家は可愛がったが、筋の通らないことが大嫌い。

その典型が1991年の都知事選で、挨拶なしで元キャスターの磯村尚徳氏を候補者に立てた自民党を許さず、
鈴木俊一都知事の4選を実現させた。
その過程で、当時の小沢一郎自民党幹事長など、どんな大物が懇請しても、三田政吉氏は鈴木俊一支持を曲げなかった。
             

内田茂氏は、そんな東京都政と自民党都連に流れる義理と人情と浪花節の世界で、生きてきた人である。
大切なのは人の縁と、お世話になったら返すという気持ち。
それが政治の役回りと心得ている。

「利権」というと、政治家への請託があり賄賂が発生するイメージだが、
実はその前に、長く結ばれた人間関係と、そこから発生する票と政治活動支援のバーターの歴史がある。

その集積が利権であり、内田茂氏は40年以上の区議、都議の政界歴のなかで、
都政と業界の双方に太いパイプを築き、特にカネと権力を握る幹事長職に居座った10年で、
「ドン」としての器量を備えた。
 
内田茂氏の頭のなかには、かつて「談合のドン」と呼ばれた男たちと同様の政治家と
業者の「貸し借り」が刻まれていて、それは決して表に出せない。
            

☆本気で切り込めるのか

秘すれば華・・それが「ドン」の「ドン」たる所以であり、情報公開とは、最も遠い立ち位置にいる。
その片鱗が伺えるのが、週刊文春が何度も指摘している、
自らが監査役に就いている東光電気工事の東京都関係の連続受注であり、一部の国会議員を上回る資金力である。

石原慎太郎氏以降、猪瀬直樹氏も舛添要一氏も、都知事は内田茂氏との直接対決を避けてきた。
敵に回せばうるさいからで、石原軍団を率いていた石原慎太郎氏は、「内田利権」には手を出さずに“棲み分け”を狙った。

また、今は小池百合子氏の“尻馬”に乗っている猪瀬直樹氏も、現役時代に堂々と反目に回るだけの度胸はなかった。
舛添要一氏に至っては、戦いを最初から放棄、都知事生命の断末魔、延命を内田茂氏に懇請した。

内田茂という政治家は、戦後70年以上、日本をリードする東京が、
理よりも情、そして義理が複雑に絡み合い、それを表に出せない大いなる田舎であることを知らしめた。
本気でめくれば、そこは公職選挙法や政治資金規正法、そして贈収賄絡みの法律違反が陸続と現れる世界である。

現実主義者でもある小池百合子氏は、そこに本気で切り込んでいくのか。
「都政改革本部」という舞台は整い、それだけの能力がある人も集められた。
後は、小池百合子氏の決断次第である。・・》

注)記事の原文にあえて改行を多くした。
            

私は都政の都会議員、そして国政の東京都選出の国会議員を実質に支配する『内田茂』さんは、
今年の6月頃から雑誌などから知り、東京都のゴッドファーザーだ、と命名したりした。

しかしながら敗戦後から、今回の寄稿文より、『新田新作』さんから『三田政吉』さん、そして『藤井富雄』さん、
昨今まで『内田茂』さんが、脈々として東京都のゴッドファーザーとして存在していたことに無知であったので、
無力な私は動顛して、溜息を重ねたりした・・。

過ぎし一か月前の頃、それぞれの県でも、やはりゴッドファーザーのような人がいた、と私は学んだりしてきた。
たとえば長野県では石田治一郎さん、島根県では浅野俊雄さん、広島県では日隈健壬さん、茨城県では山口武平さん・・、
と知り、やはりねぇ、と遅ればせながら驚いたりしてきた。

こうしたゴッドファーザーより、強力で権力のある人たち・・妄想すれば、
財務省による税務調査権で、たとえ政治家であっても、自らの政治生命、出処進退に係わるので、
無敵だよなぁ、と思い馳せたりした。

何はともあれ、小池百合子都知事が、選定した「都政改革本部」のメンバー5人によって、
閉ざされた都政浄化を、私は無力ながら支援し、期待している。

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