先程、ときおり愛読している小学館の教養雑誌『サライ』の公式サイト【サライ.jp】を見たりした中、
『 50歳からのカード選び ~ クレジットカードを解約した人の末路 ~ 』と明記された見出しを見た。
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして私たち夫婦は、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。
過ぎ去り年の2004年(平成16年)の秋に、私は民間会社のサラリーマンを定年退職した後、
多々の理由で年金生活を始めた。
そして私たち夫婦は、齢を重ねるとボケたことを配慮して、
まもなくクレジットカード、銀行、郵便局、生命保険等を出来うる限り集約し、
こうした中、クレジットカードもある大手のカードだけは、継続して、今日に至っている。
このような私は、『クレジットカードを解約した人の末路』は、どのように・・と思いながら、
記事を精読してしまった。
この記事は、消費生活ジャーナリストで、
特にクレジットカードについては30年の研究歴を誇るレジェンド的存在の岩田昭男さんが、
『50歳からのカード選び』の連載記事を『サライ』寄稿され、
今回は第二回の記事で、関連の【サライ.jp】に2018年10月12日に配信されていた。
この記事を無断ながら、記事の大半を転載させて頂く。
《・・(略)・・クレジットカードの場合は、毎月の支払いの実績、つまり、いくらの利用金額があり、
それを期日までにきちんと払っているかどうかで評価されます。
そのため、カード会社は事前に利用者の職業と年収を見て、返済能力のリスクを把握しています。
月々の焦げ付きを怖れるカード会社にとって、
毎月決まった収入があって、その範囲内で家計をやり繰りしているサラリーマンこそ、
最も好ましいグループといえます。
そういう人なら、返済に困る事はないと考えて、クレジットカードを積極的に発行してくれます。
ただし、サラリーマンの多くは、60歳(最近は65歳もあり)で定年ですから、
それ以降は、高い評価は通用しなくなります。
リタイアした後は、定期収入のあてがなくなりますから、
いくら年金がもらえるといっても、状況は悪くなります。
それまでは甘い顔をしていたカード会社が、急に冷たくなって、
厳しいことを言い出すのは、こうした背景があるからです。
勤め先のバックアップもなく、定期的な収入もなくなった高齢者は、
信用力の低い人物とみなされる可能性が高いのです。
ですから、リタイアした後に、「断捨離」や「終活」の掛け声に乗って身辺整理をしようと、
クレジットカードを解約したりすると、二度とカードを作れなくなります。
そうした事情を知らないために、リタイアした多くの人がトラブルに巻き込まれています。(略)
☆終活でクレジットカードを勇んで「捨てた」女性
一人暮らしのBさんは70歳になったのを機に、
持っていたクレジットカードをすべて解約したといいます。
自分が死んだあとに、残される親族に余計な面倒をかけないようにと考え、
カードというカードをきれいさっぱり廃棄したのです。
Bさんは「これでスッキリあの世に行ける」と思ったのですが、
いざクレジットカードがなくなってみると、
それまでは当たり前にできていたことができなくなり、困り果ててしまったそうです。
例えば、楽天市場で化粧品を購入していましたが、クレジットカードがなくなったため、
カード払いができなくなってしまった。
そこで仕方なく代引きに換えたのですが、配達される時間に自宅にいないと化粧品を受け取れない。
一人暮らしで外出することが多かったBさんにとっては、相当なストレスだったようです。
リアルの買い物でも、クレジットカードを使っていたので、
カードがなくなると、現金の取り扱いに戸惑い、不便さを感じました。
常に財布に、お金を入れておかなければいけないので、
ATMに行く回数も増えて、これも重荷になっているといいます。
このようにBさんは、改めてクレジットカードの大切さを知ったわけです。
そして、もう一度クレジットカードを持ちたいと思って申し込んでみたそうです。
ところが、なかなか審査を通らない。
「70歳を過ぎた年金暮らしのおばあさんには、クレジットカードを発行してくれないのでしょうか。
断捨離とかの言葉に惑わされて、クレジットカードを解約してしまったことを本当に後悔しています。
何か良い方法はないかと思い、ご相談させていただきました」
Bさんの投稿はこんなふうに結ばれていました。
リタイア後に、家族や親戚に迷惑をかけたくない一心で、
クレジットカードを解約してしまうと、改めてクレジットカードを持つのは難しくなります。
カード会社が、年金生活に入った人の審査をより慎重に行うからです。
しかし、だからといって、クレジットカードの代わりになるものがあればよいのですが、
投稿のあった2013年当時は、全く思いつきませんでした。
それから2カ月ほど経って、そのご婦人が、千葉県で開催された私の講演会に参加されたので、
終わってからゆっくり事情をお聞きしました。
やはり一番困っているのが、ネットショッピングができなくなったことでした。
「生きがいだったのに、突然取り上げられたので、心に穴があいたようです」
と、すっかりしょげていらっしゃいました。
もう一つがカードを申し込んでも、審査に通らなくなってしまったことで、
こちらも悩みの種とおっしゃっていました。
私は、コンビニで品物を預かってもらう「コンビニ受け取り」など色々なアドバイスをしましたが、
どれも決め手になりませんでした。
これでは万事休すだと諦めかけた時です。
少し前にプレスリリースで見た新しいカードのことを思い出しました。
三菱UFJ銀行が、新しくデビットカードの発行を始めたと言う記事でした。
欧米で広まりつつあったデビットカードは、
クレジットカードと違って、預金口座から即時に代金を引き落とすカードでした。
口座を作れば、審査なしにカードを利用することができるのが利点です。
さらに新しくVISAのブランドがつくので、世界3900万カ所の店で利用できるのが特色でした。
当然ネットでも、買い物ができました。
「デビットカードは、どうでしょうか」と私が思い切って尋ねたところ、
ご婦人は、キョトンとして「何のことですか」といいました。
当時は日本人のほとんどが、このカードのことは知らなかったのです。
「銀行が発行するカードで、即時決済ですから借金にはなりません。
それに、審査なく持てますから便利ですよ」というと、
「そう?」と彼女は関心なさげでした。
そこで私が「VISAがついているので、ネットショッピングもできますよ」というと、
彼女はさっと顔を上げて、
「楽天も使えるのかしら」と興味を示しました。
「大丈夫ですよ、楽天だってYahoo!だって、何だって」というと、
急にニコニコして、
「何てカードでしたっけ、そのカード」とご婦人が聞いてきました。
「デビットカードです」
「ラビットカードって?」
「いや、デビットカードです」
「デビット? 変な名ね」
結局最後までご婦人は、デビットカードという呼び名にこだわっていましたが、
それでも、いままでの悩みが吹っ切れたように晴れ晴れとした顔になって、
「ちょっと銀行で聞いてみます」といって出て行きました。
それから3カ月してメールが来ました。
「デビットカードを手に入れました。毎日快適に暮らしています。
ネットショッピングって、ほんとうに素敵ですね。ありがとうございました」
私のアドバイスが誰かの役に立ったと、はっきりわかったのはそれが初めてでした。
ご婦人はこれからデビットカードを使って、以前のように自分のやりたいことをやり、
残りの人生を楽しく過ごされるのでしょう。・・(略)・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
独り暮らしの年金生活の女性Bさんは、70歳になったのを機に、
自分が死んだあとに、残される親族に余計な面倒をかけないようにと考え、
持っていたクレジットカードをすべて解約し、この後の日常生活に困苦された。
やがて今回の岩田昭男さんに問いあわされた結果、まもなくデビットカードを利用され、
クレジットカード解約以前のように、溌溂と日常生活を楽しまれている、
このような概要である。
私は読み始めた時は、前向きに「終活」をされた女性Bさんに、お気の毒・・と思いながら、
やがてデビットカードを活用されて、以前のように、溌溂と日常生活を楽しまれているご様子に、
良かったですねぇ・・と微苦笑を重ねたりした。
我が家は、後払いの指定日に決済されるある大手のクレジットカードで、
デパートで買い物、旅行代理店の支払い、そして少し高価な品を買い求める時に活用している、
或いは最寄りのあるスーパーの専用カード、あるホームセンターの専用カード、
あるドラッグストアの専用カード等を日常の買い物として愛用して、
何かしらポイントが付くので微笑む時がある。
そしてパソコン、デジカメを買い改める時は、専門店のカード、
或いは洗濯機、掃除機、テレビなどを買い改める時は、家電量販店の専用カードを
活用してきた。
我が家は、ネットショッピングも一度もしたことがない何かと時代遅れであるが、
ここ日本の40年は、クレジットカードを中核に、それぞれの専用カード全盛期の上、
利便性のあるネットショッピングも盛んに利用されている。
こうした今日、やはりクレジットカードは、欠かせないですよねぇ、
と裕福層に無縁な私でも、微苦笑したりしている。