私は亡き母の遺伝を素直に受け継いだ為か、男の癖におしゃべりが好きで、
何かと家内と談笑したりしている。
食物が食道へ入るべきものが、気管に入ってしまうらしく、
一分ぐらい、むせたり咳き込んだりすることがある。
こうした時、家内は
『高齢者になると誤嚥(ごえん)になる人が多いから、気を付けてねぇ・・』
と私は言われたりしている。
私は70歳のなる前の頃までは、こうした体験がなく、
やはり高齢者になると、食べ物がのみ込む力の嚥下(えんげ)の力が衰えたのかしら、
と戸惑いながら不安を秘めたりしている。
と私に微苦笑しながら言ったりしてきた。
少しばかり体験をしてきたので、やはり注意1秒で食べる時、お茶を飲む時は、
ゆっくりと頂くことが肝要だなぁ・・と思い深めてきた・・。
一歩間違えると死のリスクがあると学んだりしてきた・・。
これから晩年期を迎え、私たち夫婦は誤嚥しないための「食べ方ルール&自衛策」、
真摯に学びたく、記事を読んだりした・・。
「飲み込むとき、上を向くと飲み込みやすい」と思っている人が意外に多いのだが、
それはまったくの誤解。
実は飲み込むときに、スムーズに食道に入って行きやすい首の角度や姿勢があるのだ。
誤嚥の予防対策について、耳鼻咽喉科専門医の西山耕一郎さんに教えていただいた。
☆飲み込むときは「うなずき嚥下」で
【正しい飲み方、間違った飲み方】口の広いカップやグラスは、上を向かずに飲めるのでむせにくくなる
皆さんは、飲み込むときに誤嚥しにくい首の角度があるのをご存じだろうか。
例えば牛乳を飲むとき、腰に手を当て、あごを上に向けて飲むポーズが知られているが、
実はこれは誤嚥を招きやすい角度。
なぜなら、あごを上に向けると喉が伸びて、
喉仏を持ち上げる動きが、悪くなってしまうからだ。
しかも、食べ物や飲み物がダイレクトに気管に入ってしまう危険が!
むしろ、飲み込むときに誤嚥しにくいのは、「うなずき嚥下」と呼ばれる、
軽くおじぎするように下を向く角度。
少し下を向く姿勢をとると、喉全体が狭くなるが、
食べた物や飲んだ物が、気管ではなく、食道に流れやすくなるのだ。
「『うなずき嚥下』を40代~50代のうちから習慣化すると、
高齢になってからの誤嚥のリスクがぐんと低下します。
また、食べ物や飲み物を口にするときは、直前に息を吸ってから、食べるのもおすすめ。
そうすれば食べ物や飲み物を吸い込んでしまうことがなく、気管に入るリスクが減ります。
そして、『うなずき嚥下』するときには、
『今から飲み込むぞ』と意識して、完全に飲み込んでから、息を吐くようにしましょう。
この一連の動作を意識するだけでも、誤嚥を防ぐことができますよ」(西山先生)
☆飲み物は口の広い食器で飲む
500ml入りのペットボトル飲料を飲むとき、
多くの人はボトルから直接飲むことが多いかもしれない。
でも、口の狭いペットボトルは、上を向く姿勢で飲むことになり、
飲み物がダイレクトに流れ込むため、気管に入ってしまいやすいのだ。
「誤嚥を防ぐためにも、ペットボトルから直接飲むことはやめて、
口の広いカップやグラスに注いで、飲むようにするといいですね。
口が広い食器を使えば、少し傾けるだけで飲むことができるので、
『うなずき嚥下』で飲むことができますよ」
☆食事をするときは猫背にならないように注意
机が低く椅子が高いと、あごが上がり、飲み込みにくくなるので注意。
また腰を背もたれにつけないと、背中が丸くなり、あごが上がりやすい。
背もたれのある椅子に深く座って食事しよう
日頃、無意識に行っている食事中の姿勢を振り返ってみて。
誤嚥には、食事の際の姿勢も影響するからだ。
椅子に浅く座って、背もたれに体を預ける姿勢や、猫背で食べるのはよくない。
床や畳に座ったり、ソファなどの低い椅子に座って、食事する人もいると思うが、
前かがみになって背中が丸くならないようにしよう。
「食事中の姿勢を見直すには、テーブルの高さを見直すとよいでしょう。
テーブルが高すぎたり低すぎたりすると、体とテーブルが遠くなって、
あごを前に突き出して食べる犬食いの姿勢になってしまいがち。
すると、あごが上がって飲み込みにくくなり、誤嚥のリスクが上がってしまうのです」
椅子に座って食事する際は、足の裏をしっかりと床につけて、
背もたれのある椅子に、深く座るようにする。
そして、背すじを伸ばして、飲み込むときには「うなずき嚥下」を意識しよう。
☆ひと口の量は少なめに。早食い、かき込み食い、ながら食いはNG
かき込むように食べたり、食べ物を口いっぱいにほおばると、
食べた物が気管に入りやすくなるので要注意。
ひと口の量は、大さじ1杯程度が適量だ。
丼や皿に口をつけてかき込むように食べる「かき込み食い」は、
ひと口の量が多くなりやすいので避けよう。
急いで食べる「早食い」も、誤嚥を招きやすいのでNGだ。
また、テレビやスマホを見ながらの「ながら食い」も誤嚥のもと。
家族や友人とおしゃべりしながら食事するのは楽しいひとときだが、むせやすい人は要注意。
口の中に食べた物が入ったままの状態でおしゃべりすると、
息を吸ったときに、食べた物や唾液が気管に入ってしまう心配があるからだ。
会話するのは「飲み込んでから」が鉄則。
誤嚥のリスクを減らすには「ながら食い」を避けて、食事に集中することが大切だ。
食事にかける時間は30分以内を目安にしよう。
☆嚙みすぎるのは誤嚥のもと。適度に嚙んで
おいしく食べて味わうには、よく嚙んで、飲み込みやすい食形態にすることは大切だ。
だからといって、嚙めば嚙むほどいいというわけではない。
嚙む時間が長いと、固形物と水分が分かれてしまう「離水」が起きて、
水分だけが、気管に入ってしまうことがあるからだ。
また、嚙む時間が長すぎると、食べた物が喉の奥にたまった状態になり、むせやすくなる。
適度に嚙んで、口の中で飲み込みやすい形状にまとまったら、飲み込むようにしよう。
☆もしも魚の骨が喉に刺さったら?
子どもの頃、「魚の小骨が喉に刺さったときは、ご飯を丸飲みするのがよい」
と言われたことはないだろうか?
「でも、それは絶対にやってはいけません!
喉の粘膜に小骨が引っかかっているところに、ご飯の塊を丸飲みしたら、
魚の骨がさらに、深く刺さってしまう危険があります。
耳鼻咽喉科を受診して、医師に対処してもらいましょう」
自分でピンセットなどで取ろうとすると、粘膜を傷つける心配がある。
「たかが魚の骨」と侮り放置すると、喉が感染して、命にかかわる場合も。
うがいを繰り返しても取れなければ、
耳鼻咽喉科の医師に専用器具で除去してもらうのが、最も安全な方法だ。
イラスト/カツヤマケイコ 取材・原文/大石久恵 ・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。