広東料理 「海鮮名菜 香宮」(シャングウ) 久しぶりの再訪。
数ある中華料理店の中でも、特にお気に入りの1軒。
再訪に間が空いたのには理由があります。
それは同じく当店ファンの友人から最近は(当店)昼も混んでいて、予約がないと入店が
難しいという情報を受けたため。
店のキャパシティを考えると、(組数単位なので)お一人ランチでお邪魔して
卓を占拠しては申し訳ないと思ったからだ。
(ノブロー) 寝太郎連れて2人ならええべ。で、ようやく、オラたちの番になっただ
ピークタイムを外し、ぶらり一人ランチで訪問できていた時は別ですが、
寝太郎さんと一緒のときは彼の名前で予約していたので、扉を開け迎えてくれた
支配人さんは驚かれた様子。今日は私の名前で予約したから、予約表を見ても
わからなかったのだろう。
(支配人さん:イメージ) パンダさんのお姉さんがいらしたよー。
支配人さんに案内してもらえたのは、ダイニング右手奥の窓際席。
卓のレイアウトを変え、大人数の予約にも対応できるようになった。
ほかテーブル・セッティング等は変わりがありませんので、省略します。
料理は事前に予約していないので、寝太郎さんと相談。
ランチコースも良いけれど、アラカルトでもいただいてみたいし、どうしましょう。
(寝太郎) 肉料理がないから、グランドメニューから組むのもいいね!
寝太郎さんの提案もあり、楓コース@3,240×2にアラカルトを追加する形で決定。
料理は進行をみながら全て各自分での提供で、サーブ時に丁寧な口頭説明を受けられる。
なお、ドリンクは生ビール@756×3からスタートし、陳年紹興酒@3,780に進行。
料理に先立ち、卓上に辣椒醤が登場する。
富貴特品盆(香宮前菜盛り合わせ)
楓コースの前菜盛り合わせは4品。
そこに、活けのボタン海老の紹興酒漬け(酔翁牡丹蝦)を組み込んでもらった。
①トマトのコンポート、新生姜のジュレ・・・2種のトマトのコンポートを新生姜の風味を
きりっと効かせた爽やかなジュレで楽しむ。
甘すぎず調和に優れ、香港を香らせる魅力的な味だ。
②ズッキーニ(黄)と牛スネ肉の炒め・・・牛スネ肉は粗くごつごつとしたミンチ状で、食感豊か。
香辛料が効いてスパイシーテイスト。
③紅芯大根とクラゲの和え物・・・細切りの紅芯大根とクラゲ。シャキシャキ、コリっと上品な味わい。
④自家製釜焼きチャーシュー(蜜汁叉焼)・・・新鮮出爐!ジューシーでめちゃくちゃ美味い。
五香花生米付き。
⑤活けのボタン海老の紹興酒漬け(酔翁牡丹蝦)・・・しっかり紹興酒に漬かった酔っ払い海老。
身の甘さに加え、ミソの濃厚さも味に奥行きを与えている。
やはり、当店の前菜には華があるなあ。
天天是例湯(本日の蒸しスープ)
透明感のある黄金色のスープに沈むのは、冬瓜、干し貝柱、豚肉、ハトムギ。
――美味い。
個々の食材の旨味が入り込み、味の深化を遂げた蒸しスープは滋味深く、雑味がない。
後味が綺麗なので、一口飲むとまたすぐに欲しくなり、レンゲを持つ手が
動きを止めようとしないのだ。
師傳美點心(自家製点心)
點心は2種類。トップバッターは、カレーまん(咖哩包子)。
(支配人さん:イメージ) インドま~ん、とも呼んでるんですよ。
サービススタッフさんの間で“インドまん”というニックネームのついた包子を割ってみると
ふんわり甘みのある皮の中には、鶏肉、トウモロコシ、ジャガイモ、トマトも参加。
夏らしさを包み込んだカレーまんはスパイスも効いて、きちんとレストラン味。
次いで、揚げ点心。エビとうすい豆の春巻き。
「うすいえんどう(うすい豆)という名前なんですけれども、グリンピースに似たようなお豆です」
女性スタッフさんから説明があった。餡に塩味がついているので、まずはこのままでいただく。
こんがりきつね色に揚がった皮を噛むとカリカリカリ!と心地よい音がした。
中にはぷりっとしたエビとほこほこしたお豆がみっしり同居。両者はなかなか仲良しさんだ。
なるほど、うすい豆はグリンピースと味が似ている、しかし青臭さが少なく食べやすい。
旬のお豆を春巻きでストレートに楽しんだあとは、辣椒醤をちょこっとつけて
味をぴりっと引き締める。この自由度が大好きだ。
即日海上鮮(本日の海鮮料理)
イサキの香り蒸し。
付け合わせの野菜はアスパラ、キャベツ、紅芯大根、ネギ。
火入れ加減も素晴らしく、イサキの身はふっくら、しっとり。
皮もいい感じにとろりんとして口に含んだ時の第一印象、ふわっとしたお魚感が全く違う。
また、タレが秀逸で、濃すぎず、かといって物足りなさがなく、味に品の良いふくよかさがあり、
イサキを上手に引き立て、切り身に確かな手応えを得られた
(寝太郎) んっ!うまっ!これ、凄いよ。切り身史上最高の蒸し魚だね。
シェフの腕が光る。この味の壁は誰でも容易に越えられるものではないだろう。
センスの良さは天性のものだ、と再確認した瞬間だった。
黒醋東坡肉(豚バラ肉の黒酢煮込み 香宮風) トンポーロー(1名様分)@1,620×2
グランドメニューからの追加料理。
杭州名菜、東坡肉(豚の角煮)を当店風に黒酢で洗練感をもたせて提供してくれる。
付け合わせは、ブロッコリー、カリフラワー、オクラ。
(レンタロー) テリテリのべっぴんさんだな。東坡肉用に、ナイフとフォークがセットされただ。
サーブ時、黒酢の芳しい香りが鼻孔をくすぐった。
ナイフを入れると、脂身はとろんとして肉ははらりと崩れる感じ。
ただし、底の辺りに少し焦げが出来ていたけれどこれは計算の上なのかしら?
ちょっぴり苦味が加わってしまったけれど、上品な黒酢の味加減は申し分なし。
またポーションは少ないので、追加料理に正解だった。
飯 或 麺(本日のお食事)
(支配人さん:イメージ) 冷やし中華です。
具材は、トマト、干しシイタケ、キュウリ、錦糸卵、叉焼。トップにははらりと白胡麻をあしらって。
器の底に醤油だれが入っていますから、全体を混ぜ合わせいただきます。
口に運ぶと、柑橘系の爽やかな酸味が涼を誘う、すっきりとした味わい。
干しシイタケの風味が効いて、物足りなさはないけれど、やはり面白味がないかなあ。
具材を整理して、煮凝りとか加わったら嬉しいのだけれど(贅沢を言ってすみません)。
さて、デザートチョイスの時間。今回は2種から選べたので銘々に違えて。
なお、このタイミングでおしぼりがトング掴みで差し替えられた。
香宮凍甜品(香宮特製 季節のデザート)
・杏仁豆腐
寝太郎さんチョイス。美味い美味い!とご機嫌なので、写真も彼に撮ってもらった。
(寝太郎) ポイントは豊かな杏仁の風味だね!
ミルキーなタッチで、味に懐かしさと洗練感が共存する中毒性のある美味さだよ♡
・胡桃のデザート
私は胡桃のアンチエイジング効果を期してのチョイス。
ココナッツミルクに浮かぶ胡桃のアイスと刻んだ胡桃の食感が生き、軽やかなコクが
上品な味の余韻を残す。このバランス感が絶妙である。
双方とも白色系統の色味で視覚的な派手さはないけれど、味は幸福に満ちたデザートの理想郷。
もちろん、ティーウォーマーで中国茶のサービスもある。
「ほんと、お久しぶりです。スタッフが変わってからいらしてないんじゃないかな?」
現在のフロアメンバーを紹介してくれたり、ホスピタリティ溢れる接客に努めてくれるので、
再訪までの間が空いたことも忘れ、リラックスした極上の時間を過ごすことが出来た。
お会計は、お酒のお替わりを含め
1人当たり9,000円(千円未満四捨五入)
帰り際には、私たちが敬愛する篠原シェフも表に出てきてくれ、挨拶を受けた。
何事にも真剣に取り組み真面目で誠実。シェフの人柄や姿勢を体現した料理をいただく度に
自分は当店に出会えて本当に良かったと思うのである。
海鮮名菜 香宮 (シャングウ)
東京都港区西麻布1-4-44 シグマ西麻布Ⅱ1F
TEL 03-3478-6811
営業時間/月~土 11:30~14:00(L.O.) 17:30~22:00(L.O.)
定休日/ 日曜日
※中国料理満足度数は5。当然特別。 必再訪(*^・^)ノ 熱烈応援。