夏の葉山のお立ち寄りは「蕎麦 恵土」 例年のように、年に1度の訪問です。
ディナー予約の電話をいれたところ、夏期シーズン(7月、8月、9月)は
昼 夜共にコース料理だけでの予約制とのこと。
店主お任せ、蕎麦懐石@5,400×3をお願いした。
引き戸を開けて中に入り、自分で靴を下駄箱にしまい、右手の座敷を抜け、次の襖を開けて、
廊下左手側の厨房にむかって声をかける。毎年の一連の流れだ。
利用は奥側の窓に近い4人掛けテーブル席。
テーブル・セッティング等は変わりがないため省略。
酒はハートランドビール(中ビン)から始まり、日本酒に進行。
前菜7種(3名分)
当該蕎麦懐石に、お品書きはなし。サーブ時に奥様から説明を受けられ、
今回コース料理は、前菜及びやきみそ以外は各自分の提供となる。
①そば寿し・・・カマスを軽く炙りそば寿しに。
②ミョウガの甘酢漬け・・・甘すぎず漬け加減上々。
③かぼちゃ含め煮・・・素材の持ち味を生かし、しっとりと仕上げて。
④青海苔のだし巻き卵・・・磯の風味がほんのりと香り大人味。
⑤芋茎(ズイキ)の胡麻酢和え・・・胡麻酢和えにすることであっさりと。
⑥白ゴーヤとじゃこの酢浸し・・・白ゴーヤの仄かな苦味が清々しくて爽快。
⑦地タコやわらか煮・・・出汁が効いていて柔らか。
(レンタロー) どれも見事だけんど、オラ、そば寿しが前菜チャンピオンだ思うだ。
魚の表面は香ばしく淡白な身はふっくらもっちり、そばにはほのかな甘酢を感じるだ。
完成度が高くて、食うたときの幸福感が半端ねえな。
青しそとクルミのやきみそ(3名分)
コースの定番。今年は、キュウリも添えられていました。
香ばしくて、甘すぎないやきみそをチビチビつまみながら、合い間にフレッシュな
キュウリをぱりぽり。これ、よい着想だと思う。
味がリセットされることで、出会いの感動が薄れない。
蕎麦豆富
下には蕎麦粉と葛粉を固めた蕎麦豆富、上は土佐酢のジュレで和えた夏野菜という構造。
見た目も華やかな夏野菜たちは、秋田の生蓴菜、ブルーベリー、トウモロコシ、
トマト、オクラ、花穂など。
風味を醸し出す涼しげなジュレに、それぞれの野菜の食感が生き、
蕎麦豆富との調和も素晴らしい。
涼感を誘いあっさりとして、まさに絶品という言葉に相応しい一品だった
鱧の焼霜造り
スダチと小皿の醤油は出汁醤油かと思うが、まずは塩わさびで味わう。
鱧は丁寧に骨切りし、さっと炙られて提供。見た目を裏切らず、繊細な味わいで唸らせる旨さだ。
これは塩わさびがいい。あえて醤油を使用する余地はないと思う。
美国の塩水ウニ@1,100×2
ここで奥様から1品料理の提案を受けられた。
北海道積丹美国町の無添加の海水うにと鱧の天ぷらだ。
鱧はすでにいただいているので、ミョウバンを使用していない塩水うにを別注文。
ムラサキウニの淡い色味も美しいが、口に含むとふわっとした磯の香りと
柔らかな甘みがあり、舌の上でとろける美味さ。その後味も実に綺麗だった。
そばがき
鴨汁仕立てで提供。
むっちりとした鴨肉のほか、夏野菜のモロヘイヤ、白葱、トマト、焼き茄子も入り具沢山。
刻んだミョウガの香りが立ち上り、モロヘイヤの粘り気、トマトのさっぱりとした酸味、
焼き茄子の香ばしさが口に広がり、ふんわりもちっとしたそばがきで恍惚感に浸る。
これだけ様々な具材が入っているのに味が対立しあわず見事にハーモニーを奏でている。
なんという贅沢な美味さなのだ。これもまた絶品であると褒め称えたい
サワラの天ぷら
野菜はヤングーコーン、インゲン。スダチとフランスのゲランドの塩が添えられている。
ふっくらジューシーなサワラも美味くて感動。
ご主人(店主)、どんどん天ぷらの腕も上がっているように思うわ。
毎年1回しか通えないくせに、生意気を言ってすみません(汗)。
(レンタロー) 鱧やウニには沖縄の塩を使っているんだよ。
手挽きせいろ
薬味は辛味大根と少量のネギ。
本日は幸運なことに限定の手挽きのせいろを用意してもらえた(/□≦、)
2013年訪問時、ご厚意で少し残った手挽きせいろをいただいたことがありますが、
今宵は各自がっちり食べれるのだ!
風味も抜群で美味しさが止まらず、会話そっちのけでそばに集中。
手挽きの底力を感じます。
そば湯
とろっとぽってり、そば湯も美味いなあ。堪能した。
デザート
デザートもご主人の手作り。手が空いたタイミングだったのか、サーブしてもらえた。
丹波の大納言小豆を使った自家製の水羊羹と桃、そして、皮ごと食べれる種なしのブドウ。
水羊羹も上品なコクと甘さがあって、甘味のレベルも高い。
(ノブロー) 奥さん、オラたちのことも覚えててくれたんだ。1年に1度きりなのに嬉しいで。
(レンタロー) ノブ、ありがてえことに、奥さんは夏がきたでオラたちのこと、
思い出して話してくれてたんだと。あったけえな~
ご主人は色々と飲食店に働き学ばれたが、そばに目覚めオープンする前には
立川の「無庵」さんで3年間蕎麦懐石を修行されたとのこと。
口数は少ないけれど、料理を作ることが好きで真面目な方のように思う。
お会計は、日本酒のおかわり(杯数は失念)を含め、
1人当たり9,000円(千円未満四捨五入)
帰り際には、奥様とご主人が共に見送ってくれ、夏の良い思い出が出来た。
また来年かあ。その日が今から待ち遠しい。
蕎麦 恵土(そば えど)
神奈川県三浦郡葉山町堀内870-7
TEL 046-876-3625
営業時間/ 12:00~15:00(L.O.14:00) 18:00~21:00(L.O19:30)
定休日 木曜・第1第3金曜
※蕎麦懐石満足度数は、5.0(*^・^)ノ特別です。