「ジャパンレストランウィーク2015」 ウインタープレミアム
次なるお店は、「ジャパンレストランウィーク2014」 SUMMER PREMIUMで
感動の大きかった「麻布長江 香福筳」さん。
当店では、
ランチ 3,000円(税別・サ別)
ディナー 5,000円、7,000円(税別・サ別) で提供。
予約時間に店の前に立つと、本日は予約のため満席で、一般のランチはお休みとの札。
すべてが「ジャパンレストランウィーク」による利用かは不明だが、平日の昼なのに、凄い人気だ。
案内を受けたのは、前回同様、入り口に近い位置の個室。BGMでは静かにジャズが流れている。
テーブル・セッティング等は、変りがないので省略。
卓上には「ジャパンレストランウィーク2015」の内容が記載されたお品書きはなし。
事前に同サイトで確認していたところ、当店のランチメニューは
3,000円 (税別・サ別)
【JRW】冬のポカポカコース フカヒレ入り
1.本日ポカポカスープ
2.海鮮の卵白炒め
3.雲南トリュフの焼売
4.細切り豚肉の甘味噌炒め 中国クレープ巻き
5.大山鶏・春雨のスパイシー煮込み
6.ほぐしフカヒレ あんかけごはん
7.本日のデザート
寒い冬にピッタリのコースメニューです。
しめはフカヒレ入りごはんで大満足!! というものでした。
個室の扉が開いた。
「いらっしゃいませ。去年の夏もありがとうございます。平日なのでサービス用のお茶も
ご用意しておりますが、お飲み物はいかがいたしましょう」
これには、驚きだった。
昨年、色々と親切にしてくれたスタッフさん(フロアマネージャーさんだろうか?)が、
私のことを覚えていて、笑顔で接し、言葉をかけてくれたのだ。
定期訪問させてもらいたい、と考えながらも実行できていなかった自分が恥ずかしい。
もちろん、せっかくの料理なのだ。ドリンクメニューをお願いした。
飲み物は別注文した生ビール(サントリープレミアムモルツ)@800(税込@864) ×2
よりスタート。うすはりグラスで飲むビールは、実に美味しい。
コース料理に入る前には、苦手食材、アレルギー等の確認があり、
料理全7品は、一部を除き、各自分での提供で、サーブ 時にも丁寧な説明を受けれる。
1.本日ポカポカスープ
「こちら、1品目は生海苔の酸辣湯でございます。ごゆっくりお召し上がりください。」
蓋は目前で、スタッフさんが外してくれる。
(ノブロー) 湯気が嬉しい、ぽかぽかスープで胃袋を開くだ。
オーセンティックなスタイルだで。
生海苔の風味が程よい酸味に調和し、口当たり滑らかなスープには唐辛子の辛味が入り、
胡椒のびりっとした刺激がアクセント的に活きる。このあたりのバランス感は絶妙で、
もったり感のないキレの良い辛さは、綺麗な後味へ繋がり、技量の高さを感じた。
2.海鮮の卵白炒め
海老と白魚を使った卵白炒め。
ほかに具材は、金針菜、シメジ、ネギ、新タマネギ。
表面には色鮮やかな小さなアラレが散らされ、ほわほわ卵白をデコレーションしているかのよう。
旬をむかえる白魚で季節感を取り込み、味つけは薄い塩味ベース。
柔らかな卵白を口に含むと、ほんのりと生姜も効き、海老の身が食感にリズムをつけてくれる。
先ほどのスープの辛さを中和させてくれるマイルドな味わいで、味覚の切り替えにもなった。
3.雲南トリュフの焼売(2名分)
可愛らしい楕円形の蒸籠でサーブ。こちらも蓋は目前で外される。
(レンタロー) シューマイは、オラに任せてほしいだ!いつも食うてる!!
きっちりと練った肉餡の中に黒くツブツブ点在しているのが、トリュフ。
歯触りは柔らかく、濃厚なトリュフの香りを楽しめる小リッチな焼売なのだ。
次は大き目の丸蒸籠が登場。
蓋を開けてみると中には、春餅が4枚(1人あたり2枚)。
4.細切り豚肉の甘味噌炒め 中国クレープ巻き
「お客様で包んで、お召し上がりいただく点心になります。」
リーズナブルな定額料金の中での料理である。
それが自分で巻く仕上げ参加型で供されるとは思わなかったので、このプレゼンには高揚した。
豚肉ヒレの細切り甘辛味噌炒め、形を揃えて切ったキュウリと白ネギ。
(ノブロー) 北京ダック風に、ネギ、キュウリとともに春餅に巻いて食べるだよな。
「北京遊膳」さんで、前に包み方教わったべ。覚えているだか?
(ノブロー) あんれ?こんなんだったけか?
(みに) いいの(・Θ・;)細かいこと言わない!これは京醤肉絲なんだから(汗)
甜麺醤の効いた豚肉の味もさることながら、秀逸なのは春餅の美味しさだ。
自家製ならではのもっちり感があり、皮が薄いため食べても口の中がモタモタせず、
具材の味をきちんと楽しむことが出来る。
料理は、次にメインの鶏で、食事、デザートという運びになる。
ここまで食べて、少しも重たさを感じなかったので、もうちょっと、食べたい気もある。
(レンタロー) 追加料理、頼んどくべ。オラが選んだるだ。荷叶粉蒸肉どうだべ?
杭州の伝統料理だで。
(寝太郎) 面白いね!皮つき豚肉の蒸しって!インパクトありそうだよ。
さっそく、スタッフさんに内容を聞くと、当該料理は
皮つき豚バラ肉のまわりに米粉をつけて蓮の葉で包み蒸しているため、
けっこう、どっしりするかもしれないとの返答。
(寝太郎) チマキ風なんですか??
粽まではいかないとのことだが、米粉のもっちり度が心配になった私達。
お腹具合を考えてくれるスタッフさんが親切にあれこれと(私達の)質問に答えてくれ
また提案も受け、結果1個をシェアする形で注文。
細かなことでも客の要望に応えたいという真摯な対応に、ますます好感度が高まった。
5.大山鶏・春雨のスパイシー煮込み
ニンニクの芽、新タマネギも参加。
大山鶏はふっくらぷりっと健やな肉質で、噛みしめるほどに旨み豊か。
煮込みソースは、酸味のある辛さに花椒を効かせ、ピーナッツオイルのコクに
屋台っぽい味のエスニック感が合わさり、巧妙な味の立体感。
これも料理人のセンスによるもので、味のまとめ方が秀抜だ。美味い。
(レンタロー) この手のものは素人が一つ手もとを間違えると、とんでもないことになるな。
6.ほぐしフカヒレ あんかけごはん
「蒸したお肉はもうちょっとですので、お先にご飯ですみません。あと2~3分ほどお待ちください」
もちろん異存はない。満席状態で忙しいときに、追加で時間のかかる料理を、
しかも1つで通してもらえただけで有難いのだ。
さて、待望のごはんだが、前回が、「フカヒレあんかけごはん」だったのに対し、
今回は完全に「ほぐしフカヒレあんかけごはん」
助っ人のチンゲン菜に、目視でもくっきりとネギが大活躍している。
これは店側の落ち度でも何でもない。きちんと記している。
ジャパンレストランウィークを当て込み、過度な期待をした私が悪い。
あんかけの味は変わらず、美味いのだが、やはり物足りなさがある。
その心の隙間を埋めるため、ここに赤酢が欲しい。
(ノブロー) ええか!ふかひれフォーメーションをとるだ。エイエイオー!!!
荷叶粉蒸肉(皮つき豚バラの四川蒸し・ハスの葉包み)(1個)@900
「お待たせいたしました。ハスの葉は香り付けですので、外してお召し上がりください」
聞くと、本来は、もっと味付けが濃いうえ、まわりの米粉が味を吸い込むため
濃厚で重たい料理になるのだそう。
しかし、それだけでお腹一杯になってしまうので、意図して当店では作り方を研究し
若干あっさり目に仕上げているとのこと。
本物を熟知したうえで、来店される多くのお客様の口に合うよう、少し軽く食べやすくしているのだ。
皮の部分が美しく艶めき、この出会いはドラマティックだ。
ハスの葉の芳香をまとったバラ肉は、口に含むと、とろ~り。スパイスの強さは感じない。
調理に工夫をしてもらえたお蔭で、重たさ、くどさはないが、たしかに米粉効果か
胃袋にずっしりとした食べ応えを覚える。
(寝太郎) オーパスワンも置いてあるような高級店で、こうした庶民的な
料理を提供してもらえるとは思わなかったよ。
手間がかかってさ、好きでなきゃメニューに置かないさ。
シェフの中国料理に対する愛情が感じられるな。僕はこの店が大好きになったよ!
(ノブロー) コースも食うてる。だで、2人でシェアして丁度よい量だ。
腹ぱんぱんにならず、美味しいうちに食事を終えるのが一番だで。
デザート前にはおしぼりの差し替えがあった。
7.本日のデザート
ココナッツミルクとあずきのスープには、ヒヨコ豆、白インゲン豆。
中央に浮かぶ白玉は水を一切使わず豆腐だけを煉りこんでいるため、その弾力も力強い、
冷たいスープデザート(糖水)である。
中国茶
「お茶は前回と同じ甘い香りのする烏龍茶、金萱茶でよろしいでしょうか?」
他のお茶を聞くと、血行・消化促進の東方美人も用意できます、との提案をもらえた
ので変えてみた。紅茶のようなフレーバーを楽しむ。
2煎目以降の、お茶はガラスポットで提供。
下に敷いてあるものは、ティーウォーマーではなく茶盤的な役割のものらしいが、
見た目も可愛らしいので使用されているよう。
(ノブロー) これ、ええな。オラのステージになるだ。
お茶を飲んでいると、わざわざシェフが個室に挨拶に来てくれたので、
緊張しながら、いただいた美味しい料理への感想を述べさせてもらう。
また、スタッフさんの話だと、レストランウィークでも苦手等によりメニューを変更することが可能。
再訪日の近いお客様はメニューが重なってしまうケースがあるので、言えば変えてもらえるという。
コース料理は2名様以上で。料理の相談にも応じてもらえ、訪問したお客様が何を召し上がったかは、
店側がきちんと管理し、重ならないようにしているとのことだ。
事実、半年以上前の、私の訪問も飲んだお茶も覚えていてくれた。
(寝太郎) 素晴らしいよ!こういう店こそ、通う価値のある店だよ!!
追加の黄酒、ノンブレンドカメ出し(デキャンタ580ml)@3,300(税込@3,564)を含め
お会計は、1人当たり6,000円(千円未満四捨五入)テーブルチェックにて。
行き届いた心配りのもと、お見送りを受けた。
このサービスの質の高さもリピーターを生む所以だろう。
シェフの中華に対する情熱と探求心に満ちた料理にホスピタリティ溢れるスタッフさん。
このトータル力は、計り知れぬほど大きい。 “口福”はここにある、と思った。
麻布長江 香福筳 (アザブチョウコウ コウフクエン)
東京都港区西麻布1-13-14
TEL 03-3796-7835
営業時間/ 火~金 11:30~14:30(L.O) 18:00~22:00(L.O)
土・祝・日 12:00~14:30(L.O) 18:00~22:00(L.O)
定休日 月曜(祝日の場合翌日休み)
※ジャパンレストランウィーク満足度数は、4.2~5.0