その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(濃霧…)

2012-01-02 08:15:31 | 夢屋王国

多くの方々は、12月中に年賀状を書き、元旦の朝に配達されるよう手配されるのでしょうが、私は、昔聞いた永六輔さんのラジオ番組の影響で、大晦日や元旦に年賀状を書くようになってしまいました。さらに、一昨年欠礼葉書を投函してからは、年賀状を書く意欲も無くし、一年が過ぎてしまいました。一年に一度の年賀状のやり取りだけのお付き合いの方も居れば、欠礼すべきでは無い方々もいらっしゃる訳ではありますが、2年も年賀状を出さないで居ると、それなりにお付き合いの枚数も整理されてくるのであります^^;
今年のテーマは『辰』…架空の存在である龍を題材に、新年の思いを話題にしながら年賀状を書くスタイルにしましたが、図柄と文章が完成した時、プリンターのカラーインクが切れていることに気が付きました。「コンビニにプリンターのインクあったっけ?」とか「あの量販店の初売りは2日からだっけ?」とか、元旦の朝から大騒ぎでありますが便利な世の中となりました。元旦早々に店を開けている量販店があるのですから…その反面、正月に休みもせずに働いている方もいるのだと改めて思ってしまいます。

正月元旦の朝から「濃霧注意報」であります。霧はナハミズキの街路樹の枝先で霧氷となって木々に彩りを添えております。ふと、量販店で見つけたDVDの映画「自転車泥棒(499円)」がありまして、思わず買ってしまいました。昔、地上波では見た記憶もあるのですが、モノクロ映画と字幕スーパーに飽きて途中チャンネルを回してしまい、最後まで観たことがありません。1948年の映画ですから著作権も切れたのでしょうか?日本語吹き替えも付いてワンコインなら良いかも…レンタルならもっと安いのでしょうけれど^^;
ドタバタ騒ぎの正月番組に嫌気がさして、ひとり部屋で鑑賞しましたが…正月に観るべき映画ではありませんでした。主役の父親アントニオと息子ブルーノ…最後に息子の目の前で自転車泥棒として捕まってしまう惨めな父親の姿に、胸糞悪さを感じてしまい…これって、ネオリアリズム(新写実主義)の名作と言われておりますが、いつの間にか自分の姿に置き換えてしまっているんですねぇ…。

やっぱり、お正月は缶ビールを片手にパーっと行かないと、これから一年弾みがつかないのであります。元日は、義兄の年始の訪問を受け、姪たちにお年玉を渡す…あくまでもお年玉は『ばぁちゃんから』のお年玉であります^^; 晦日に施設に出掛け、お袋に断ってきましたよ…「ばぁちゃん!お正月だよ。孫たちにお年玉やって良いだろう?」認知症のお袋が、お年玉とか孫とか分かるはずもありませんが、正月にやって来る孫たちの顔を見てお年玉を上げることが楽しみだったお袋や古老のことを考えると私の財布からではなく、あくまで、お袋の財布からお年玉を渡してやろうという考え方であります。姉夫婦も彼是2年ほど、お袋とは会っていないと思います。いや、会わない方が良いとも考えております。恐らく孫(私の長女)に見立てたアンパンマンの人形で遊ぶお袋と会っても「自転車泥棒」の父親の姿ように、後味の悪い気持ちにしかならないであろうから…。
彼女(お袋)は既に別の世界を生きており、無理やり自分たちの世界に連れ戻すことはないと考えるようになりました。記憶という親子の繋がりが切れてしまっている以上、こちらの世界に居る私たちが、一番良い思い出だけを彼女の記憶として心に留めて置けば良いのですから。
今朝の霧の中にように、彼女自身が、別の世界で迷っている訳ではないのですから…^^;
正月早々、霧の中のお話であります。そう、この一年も若者たちにとっては霧の中のような、出口の見えない閉塞感が漂う一年となってしまうのでありましょうか?

コメント (2)
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