気温がそんなにも高くならなかったので、幾分過ごしやすかったですが、冷房の入ってたスーパーから外に出ると、モアっとする空気が身体に巻き付きます。伊吹山も霞んでいました。暴力バーのような美容室でかけられたパーマで髪は暴れてゆうことを聞きません。これがここ2,3日のストレスです。くさくさしています。
冊子のエッセーに故郷の風景を書かなくてはならないのですが、都内で生まれた私には、うさぎを追った「山」も小鮒を釣った「川」の思い出はありません。はて?、こまったなぁと思っています。生まれたところは木が多く静かな住宅地でした。江戸時代は大名屋敷のはずれの方で、それが明治になって華族とかのお屋敷になり、段々維持できなくなり4分割くらいにして売りに出したとか。うちはそんな住宅街の古いボロ屋敷でした。ただ、祖父が作った庭には四季折々の花が咲いていました。その庭が故郷のようです。祖父母は浅草の浅草寺の近くで関東大震災に遭い全部焼かれてしまいました。どちらの実家もそれなりの家らしくそこそこぜいたくな暮らしだったようです。それを全部失ったわけですから、祖父は家具は最低限にして、庭を作ることを楽しみとしたようです。咲いた花を祖母が家の中のあちこちに飾っていました。
あの庭がなかったら私の今の生活もないように思います。20年くらい前に庭を作りたくて20坪の庭のあるマンションに越して、祖父の庭造りをまねしました。毎年少しずつ木を植えて、海から石を拾ってきました。
その写真を見ると、心が和みます。いい時間でした。雪の日に父に抱かれてご機嫌の子どもの頃の写真を思い出します。ふるさと・・・。春夏秋冬の思い出がたくさん!そんな場所と時間を作ってくれた祖父母、両親に感謝です。