仕切り直しであらためて東北新幹線「はやて」に乗る。仙台までは以前乗ったことがあるが、それ以北は今回が初めてとなる。
「はやて」のお顔はかなりの面長
仙台まではけっこう乗客も多いが、仙台でかなりの乗客が降り、盛岡でも降りるとさすがに新青森まで行く人は少なくなってしまう。
沿線の田圃はほとんど稲刈りも済んでいるので彩りに欠けるが、それでも広々とした眺めはいかにも東北らしい。3時間半ほどで新青森到着。新青森の駅の周辺はまだあまり開けていない。在来線で青森駅までは一駅だ。
本州の最北部に降り立ったが、寒くない、いや涼しくも感じない。まだ半袖の人がいるくらいだから関西とあまり違わない。紅葉も少し早いかもしれない。本来なら八甲田の麓の酸ヶ湯温泉に泊まりたいところだがこの時期、かなり早くから満室状態で予約が取れなかったので今日は青森で泊まって明日日帰りすることになった。
駅周辺には3年前にはなかった施設がいくつかできていたのでそのひとつ「ワ・ラッセ」に入ってみる。ねぶた祭りの掛け声から採った名前のとおりねぶたの山車が展示されている。
木と針金の枠に和紙を貼り付けていくだけだが、その複雑な造形に驚かされる。造る職人さんは副業の人もいれば専業の人もいるとのこと。山車はその年の祭りが終ると、展示されるごく一部を除きすべて壊してしまうそうなのでほんとうにはかないものだ。それでも祭りが終るとすぐにまた来年に向けての準備が始まるとのことなので、青森の人の祭りに懸ける情熱は相当なものだ。
東北の夏の三大祭のなかでもやはりねぶた祭りが一番壮大できれいなのではないだろうか。一度観に来たいとは思うが、ホテルの人の話だと期間中の部屋の予約は受付と同時に埋まってしまうらしいので、観客の方もかなりの情熱を要求されるようだ。
「ワ・ラッセ」を出て、青森湾を見渡す橋に上ってみる。前回見学した青函連絡船「八甲田丸」が下に見えるが、塗りなおされて前回よりきれいになっている
街のマンホールもねぶたの山車と、はやし立てる跳ね子の絵柄になっている
街の八百屋さんにも秋のにぎわい
街を歩いてみても古い街並みなどが全く見られないのは終戦間際の米軍の空襲のためらしい。青函連絡船も何隻も沈められてしまったとのこと。交通の要所とはいえこんな本州の田舎の街まで焼き払われてしまうのだから、いったん戦争になれば戦闘員も非戦闘員も関係なし、堪ったものではない。