タイトルはあまり面白くないが中身はなかなかおもしろかった。男女の恋愛心理を計算しつくしたストーリーで最後まで楽しめた。
美術品、装飾品の鑑定士として、またオークションの仕切り人としても一流のヴァージル・オールドマンは私生活ではかなりの変人。女性も寄せ付けず、一流レストランでも一人、手袋を着用して食事をする姿は周りから奇異の目で見られるほど。自分の家には誰も招かず、自ら収集した女性の肖像画の名品に囲まれて暮らしている。
その彼がある屋敷から美術品や家具の鑑定を依頼されるが、依頼主は自分の部屋から一歩も出られない広場恐怖症の女性。会話は壁越しで行われるが次第にその正体が気になり始めるオールドマン。ある日、帰ると見せかけて物陰に隠れその姿を見てしまいその美しさに人生で初めて恋をしてしまう。その後、オールドマンの努力もあって女性は次第に心の病から回復し彼と一緒に暮らし始めるのだが・・・。
「裏に何かある、何かある」と観ている間中気になるのだが、最後に「そうかやっぱり」と思わせるところがうまい。伏線はいたるところにあることに後になって気づいたのだった。