映画監督とパリの精肉店の店主が世界中の酪農家、精肉店、レストランなどを取材してそれぞれの牛肉に対するこだわりを取材するドキュメンタリー映画。なかには日本の神戸牛と松坂牛への取材も含まれている。
肉牛の種類、飼育方法などは多種多様。牧草だけがいいのか穀物飼料がいいのか、どれくらいの歳で出荷するのがいいのかなど、酪農家が熱く語る。
脂身がいいのか赤身がいいのか、生がいいのか熟成させるのがいいのかなど、精肉業者が熱く語る。
焼くときの燃料は炭か薪か、薪ならどんな種類の木がいいのか、焼けてからすぐ出すのか、時間を置いてから出すのかなどシェフが熱く語る。
酪農家、精肉業者、シェフ一人一人で全部違うくらいいろいろな選択肢があるものだとあきれたり感心したり。皆、牛に対する愛情は人一倍だが、最終的には殺して食べてしまうのだから人間って罪深い。食に対する探究心は果てしなく続く。
ベジタリアンにはなれない肉食系としては、牛に代わってベジタリアンが何を語るかも観てみたかった。