今回は山登りのついでにちょっと寄り道。
長野県はこれまでずいぶん山登りで楽しい思いをさせてもらい、これからも機会があればまだまだ来たいところだ。そういう意味では住んでいるところ以外では一番縁が深いところといえる。そんな長野が10月の台風19号による甚大な被害に遭っていることが気になっていた。寄付金だけで済まそうかとも思ったがやはり実際に体を動かすことでお手伝いしたいと思った。自己満足かもしれないが山に登る体力があるならそれを使わない手はなさそうだ。
長野県北部のボラセンなら車がなくても電車で行けることがわかったのでそちらに行き、受付を済ませ用意されたマイクロバスで被災地に向かう。千曲川の堤防が決壊した穂保地区にも行ったがそこには胸の詰まるような光景が広がっていた。
大量に残された泥の中からゴミを掘りだして分別したり、泥出しの済んだ住宅の縁の下の掃除などの作業をする。住宅の被害はいうまでもなく、リンゴ農家の多いところなので泥の中には無数のリンゴが転がり、売り物にならなくなったリンゴが落とされ地面が真っ赤になったところなどは見るのがつらいほどだ。
ほんの短期的な気まぐれボランティアで申し訳ないが、それでも被災者や県内から来ているボランティアの方々から「来てくれてありがとう」といわれると来てよかったかなと思える。
25年前の神戸の地震のときはそれほどボランティアの力を意識しなかったが今思うとやはり大きな力だったんだろうな。
などいろいろ考えていたら、中村哲氏の訃報を聞いた。究極のボランティアともいえるこの方が殺されるとは無情としかいいようがない。