ポーランド映画「関心領域」を観てきた。
アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスは塀一枚で収容所と隣接する敷地に住んでいる。ヘスはユダヤ人の殺害、死体の処理に日々心を砕く有能な男として塀の中へ出勤。妻は丹精込めて手入れした庭がお気に入り、ユダヤ人から剥ぎ取った服や宝石を身につけることを躊躇しない。毎日塀の中からは死体を焼く煙が上がるが、中のことには興味も関心もなく平穏な日々を送る家族たち。
オープニングの長い暗い画面にも不安を覚えるが、エンドロールのこれまで耳にしたことのない気味の悪い不快な音楽も気が滅入る。もはや音楽というより音苦だった。
いま世界で起こっていることもあなたにとっては関心領域の外でしょと突き付けられている居心地の悪さも感じるのだった。