高倉健の6年ぶりの映画「あなたへ」を観た。
刑務所の技官である健さんが田中裕子演じる妻を病気で亡くす。その遺言は2通あって、そのうち1通は遺骨を散骨してほしいとの内容、もう1通は故郷の長崎の平戸の郵便局留めになっているのでそれを受取るために、富山から長崎までを車で旅し、そこで出会う人との交流を描く典型的なロードムービー。
昔任侠映画に出ていたころの高倉健の作品はほとんど観たことがないが、それ以降の作品ではどれも寡黙で不器用な役どころを演じている。それは今回も同じ。こんなにイメージの固まった俳優も珍しい気がする。観る方も皆それを期待しているのだろうか。私としてはもう少し違った役どころも観てみたい。81歳という年齢の割には確かに若いが、今回の役は見た目としてはぎりぎりのところに思える。今後はどんな役を演じるのだろうか。
劇中の局留めになっていた妻の遺言はちょっと意外な内容だったが、言葉少ない夫にはよく似合っているのかもしれない。こんなあっさりした遺言も悪くないかもしれない。言葉で語りつくせることもあれば語りつくせないこともある。
いわなくてもわかる、いわなきゃわからない、いってもわからない。
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