結婚退職の時期

残業をしていたら、部長と課長に別室に呼ばれました。
目標管理面談の時期なのでびくびくしながら
入っていくと、珈琲が用意されてました。

「ま、ま、ちょっと休憩しようよ。
　そこに座って、座って。」

わーい。ちょうど珈琲が飲みたいって思ってたんです。
おいしいー☆さすがインスタントとは違いますね。
うっとりしながら飲んでいると、
課長が話を切り出しました。

「のりぞうさん。結婚のご予定は？」

へ？！

「いや、のりぞうさんは結婚間近だという
　噂が部署内で蔓延してるらしいんだよ。」

はい？！ケッコンマヂカ？
えっと。。。結婚間近、ですか？
え？誰と？

「そりゃ、彼と、ですよ。
　今付き合ってる彼。」

・・・・どなた？
え？のりぞうには結婚を前提として
お付き合いしている彼がいたんですか？

「いるんでしょ？いやぁ、僕は全然気付かなかったけど。
　なんか金曜日はお化粧や洋服の気合の入り方が
　違うらしいじゃないですか。それにしょっちゅう
　電話をかけているらしいし。」

・・・・・心当たりがありません。電話、ねぇ。
どこから否定すればいいのやらまったく分かりません。

「いや、別にいいんですよ。
　隠さなくても。ただ、結婚が近いなら
　少し早めに教えてほしいなぁ、と思ってですね。
　ほら、色々と引継ぎもあるでしょう？
　だから辞めるときは２年ぐらい前には
　教えて欲しいんですよ。」

・・・もしや、リストラですか？
新手のリストラですか？
のりぞうは、もうそろそろ辞め時ですか？

「えっと。今しばらくひとりで生きていくつもりですので
　というより、ひとりで生きていかなければいけないので
　もうしばらく会社にいさせてください。。。」

明日は金曜日。化粧と洋服には
細心の注意を払う必要がありそうです。