最近のブログ大流行の影で常々思っていること。
文章には人格が反映される。
だから、どんなにおちゃらけた文章を書いていても
賢い人は賢さの片鱗がうかがえるし、
どんなに小難しいことばかり羅列していても
中身がない人はすぐに分かる。
勿論、文章のスタイルに好みはある。
けれども、そういった好みも踏まえたうえで
文章に人格は表れるのだと思う。
だから
「この文章は確かに上手いけれども
どうにも好きではない」
という感想も生まれる。
文章がすべてではない。文章だけで人格の
すべてが反映されるわけではない。
それでも、人格の一部が確実に透けて見える。
それは文章を書く怖さだと思う。
沢木さんは潔よく、そして的確に
自分の考えを文章にまとめていく。
被写体との距離は近すぎず、遠すぎず
大絶賛することも感情的にけなすこともない。
だが、自分の意見を的確に抑えた文章で伝える。
そういった姿勢がかっこいい。
ここで紹介されている映画のほとんどを私は見たことがない。
それでも十分に楽しめるエッセイだった。