のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

世界の中心で愛を叫ぶ

2005年09月29日 14時18分32秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 大人になった朔太郎(大沢たかお)の婚約者・律子(柴咲コウ)
 が失跡するところから始まる。律子の行き先が四国だと知り、
 そのあとを追う朔太郎だったが、そこは初恋の相手・
 アキ(長澤まさみ)との思い出が眠る場所でもあり、
 朔太郎はしだいにその思い出の中に迷い込んでしまう……。

■感想 ☆☆☆
 初恋が思い入れ強いのは、多くの人にとって
 初恋が成就しないまま終わったものだからだそうだ。

 人の気持ちに「永遠」はない。
 誰かを好きになっても、その恋が終わりを迎えると
 また他の人を好きになる。
 人はひとりでは生きていけないのだ。
 もちろん、私も。

 それでも「愛」には永遠を求めてしまう。
 「恋」や「好き」は何度あってもいい。
 いろんな形があってもいい。
 けれども、「愛」は軽はずみな気持ちで
 使ってはいけない重さがある言葉だと思う。

 だからアキの
 「好きよ、朔ちゃん。」
 という科白には胸が締め付けられた。
 自分の死を確信し、それでも伝えたい彼への言葉。
 おそらく最後の恋。最後の好きな人。
 それでも選んだのは「愛してる」ではなく
 「好きよ」という言葉。
 この言葉に、彼女は一体どれほどの気持ちを
 込めたのだろう。

 願わくば朔太郎の「今」は見たくなかった。
 彼にはアキの思い出を大切にしてほしかった。
 アキだけを想い続けてほしい、というわけではない。
 ただ、婚約者とアキの思い出を共有してほしくなかった。
 アキとの思い出は、
 アキと朔太郎だけのものにしていてほしい。

 そう願うのはわがままだろうか。