■ストーリ
留学を終え、翻訳の仕事をしながらドイツで暮らす京。両親のいる日本と
恋人の待つドイツを行き来しながら、心は両者の間をゆれ動く。
旅先での出会い、友人の結婚と失意、恋人との諍い。幸せと苦悩を
かさねながら、やがて京は歩むべき道を見定めていく。
幸田文、青木玉を若い世代へ継ぐ感性溢れる長篇小説。
■感想 ☆☆*
「ハリネズミの道」の続編。前作は「新感覚エッセイ」だったが、
今回は「長編小説」として紹介されている。
やはり「エッセイ」ではないのだろう。
敢えて言いうならば「私小説」だろうか。
どこの国でも、働く上での苦労や楽しみ、生きていくうえでの悩み
は変わらない。京は年頃の女性が持つ焦燥感、行き詰まりを感じつつ、
異国でひとりで生きていく。
問題自体は変わらないけれど、異国で暮らすことによって、
その問題と正面からひとりで対峙することが求められる。
その厳しさや孤独は自国で生活している人が味わえないものだ。
それでも、ゆっくりと前に進んでいく京。
「ハリネズミの道」の冒頭、飛行場で自分の荷物を受け取れずに
途方にくれていたオンナノコは、南ドイツの悠然とした時の流れの中で、
愛する人を見つけ、心許せる様々な年代の友人を見つけ、
学生時代の思い出が残る「くるみの道」の傍に、借家ではあるが、
自分の家を持つことになる。
ゆっくりとではあるが、確実に、自分で自分の歩む道を
掴み取っていく彼女が羨ましくなった。
これを機に、ぜひ、青木玉さん、幸田文さん、幸田露伴さんの
作品にも手を伸ばしてみたい。・・・露伴さんは挫折しちゃうかな。
留学を終え、翻訳の仕事をしながらドイツで暮らす京。両親のいる日本と
恋人の待つドイツを行き来しながら、心は両者の間をゆれ動く。
旅先での出会い、友人の結婚と失意、恋人との諍い。幸せと苦悩を
かさねながら、やがて京は歩むべき道を見定めていく。
幸田文、青木玉を若い世代へ継ぐ感性溢れる長篇小説。
■感想 ☆☆*
「ハリネズミの道」の続編。前作は「新感覚エッセイ」だったが、
今回は「長編小説」として紹介されている。
やはり「エッセイ」ではないのだろう。
敢えて言いうならば「私小説」だろうか。
どこの国でも、働く上での苦労や楽しみ、生きていくうえでの悩み
は変わらない。京は年頃の女性が持つ焦燥感、行き詰まりを感じつつ、
異国でひとりで生きていく。
問題自体は変わらないけれど、異国で暮らすことによって、
その問題と正面からひとりで対峙することが求められる。
その厳しさや孤独は自国で生活している人が味わえないものだ。
それでも、ゆっくりと前に進んでいく京。
「ハリネズミの道」の冒頭、飛行場で自分の荷物を受け取れずに
途方にくれていたオンナノコは、南ドイツの悠然とした時の流れの中で、
愛する人を見つけ、心許せる様々な年代の友人を見つけ、
学生時代の思い出が残る「くるみの道」の傍に、借家ではあるが、
自分の家を持つことになる。
ゆっくりとではあるが、確実に、自分で自分の歩む道を
掴み取っていく彼女が羨ましくなった。
これを機に、ぜひ、青木玉さん、幸田文さん、幸田露伴さんの
作品にも手を伸ばしてみたい。・・・露伴さんは挫折しちゃうかな。