のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

号泣する準備はできていた/江国香織

2007年01月27日 12時12分46秒 | 読書歴
■内容
 短編集。各編の主人公は、もう若いとはいえない年齢の女性たち。
 家族や恋人を持ち、同性の友人にも恵まれている
 一見、幸福そうな生活を送っている。その隙間に忍び寄る
 一抹の不安やざらざらした孤独、すれ違いを描く。

■感想 ☆*
 さすがだと思う。彼女のざらざらした感触の文章はすごい。
 読んでいる最中、ひたすら私の心に違和感のある
 ざらざらしたものがせまってくる。
 デビュー当初はあんなにやわらかい文章で
 金平糖のような綿菓子のような甘いお話を書いていたのに。
 ここ数年、彼女の描く女性に妥協はない。甘さもない。
 恋愛に対する幻想もない。

 女性の中に潜む弱さや虚栄心、孤独や不安定さを
 真正面から突きつけられる。これがざらざらの正体。
 読んでいて楽しい小説ではない。
 でも、何かが残る。決して私とも無関係ではない何か。

 あと10年経って、この本を再読したとき
 私はこの小説に共感するのだろうか。
 もっと「ざらざら」を身近に感じるのだろうか。
 それとも他人事のように「こういうことを考えてる人も
 いるのね。」と思うのだろうか。
 私はどんな40代を迎えるのだろう。
 できれば、孤独ならば、本当の孤独の中にいる人でありたい。
 家族に囲まれているのに孤独、とか、
 かつて愛していたはずなのに、今や何を考えているのかも
 分からない人と過ごす孤独、などは味わいたくない。
 そんなことを思った。

同い年の家庭教師/2003年韓国

2007年01月27日 12時04分26秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 大学2年生のスワン(キム・ハヌル)が学費稼ぎのため
 家庭教師として受け持った生徒は、同い年なのに留年し続ける
 札付きの高校生ジフン(クウォン・サンウ)だった。
 財閥の息子で喧嘩っぱやく、目の前でスパスパ煙草を吸う
 超問題児ジフンにスワンは怒り心頭であったが、やがて・・・。

■感想 ☆*
 ひょー。すごすぎます。
 久々にはずしました。
 公開当初、気になってたのですが、見に行かなくて良かった。
 深夜放送の録画で十分です。おなかいっぱいです。

 クウォン・サンウのサービスショット満載です。
 意味もなく、やたら上半身裸になってくれます。
 もりもりの筋肉を見せてくれます。
 喧嘩シーンでかっこいい立ち回りを見せてくれます。

 しかし、コメディとしては笑えない部分が多すぎる。
 「猟奇的な彼女」にもありましたが
 酔った女性がもどしてしまう、という場面はどうなんでしょう?
 これって笑うところなんでしょうか?
 うーん。お国柄なのかどうなのか。
 
 乱暴モノの男の子が少しずつ女性に心惹かれていく様子が
 伝わってくるちょっぴり切ない表情と、
 いつもは野暮ったい家庭教師のオンナノコが
 賭けに負けて学園祭の舞台で踊ることになったときの
 キュートなダンスが一番の見所でした。
 キム・ハヌルがとにかくかわいい。笑顔が素敵です。

14歳の母

2007年01月27日 11時49分01秒 | テレビ鑑賞
■のりぞう的2006年秋クール4位
■水曜22時放送
■出演:志田未来 、田中美佐子、生瀬勝久、
    三浦春馬、山口紗弥加、高畑淳子
■ストーリ
 都内の私立中学2年生の主人公・未希。
 中流家庭に生まれ、成績は中の上というごく普通の女の子。
 15歳の恋人と初恋もおう歌している。
 だが、恋人の子供を妊娠していることが判明し、生活が一変する。
 家族と学校は激怒し、出産に猛反対。ボーイフレンドも
 逃げ腰になり、四面楚歌(そか)の中で、未希は新しい命を
 一人で産むことを決意。幾多の困難を乗り越えて「14歳の母」
 になろうとする。

■感想
 最近の子役さんって演技うまいですねぇ。
 ・・・と、最近、ドラマを見るたびに思うのです。
 子役としての愛らしさを兼ね備えつつ、演技もうまい。
 まさに無敵です。
 このドラマの主役に抜擢された志田未来ちゃんも
 「演技力ある子役」さんのひとりです。
 「女王の教室」で初めて大きな役をもらい
 その演技力に注目が集まったのだとか。
 ワタクシは「女王の教室」では、
 断然、福田麻由子ちゃん派だったのですが
 今回、このドラマを見てびっくりしました。

 すごい・・・。すごすぎる・・・。
 「女王の教室」ではお調子者の小学生だった志田さんが
 このドラマでは、思春期真っ只中で思いもかけず妊娠してしまい
 悩んだり辛い思いをしたりしながらも頑張る中学生に
 見事に変身してました。
 前作ではムードメーカーでおどけた表情が多い
 明るい役立ったのに、今回は笑顔少なく、
 常に目に涙をたたえているようなけなげな役です。

 子役パワーに圧倒された作品でした。

 ただし、話のほうは・・・・。
 辛くて、辛くて、なおかつ、「うーん」と考え込んで、考え込んで
 やはり共感できないと思うところもあって
 「この作品、好き!」と言い切れるものではありませんでした。
 なので見たのも全体の半分程度です。
 録画してまでは見ることができませんでした。

 もっとも、ドラマ自体のつくりは大変丁寧で
 この問題に対して、真正面から向き合っていましたし
 小学生や中学生のちびっこに対して、性のモラルを教えたこと
 母親になることの大変さを伝えたことは
 すっごく素敵なことだと思います。
 このドラマを見て「母親になってしまった」子が減ることを
 心から願うのです。何が幸せかなんて、すぐには分からないし
 本人たちにしか分かるものではないかもしれないけれど
 どうせなら、生まれてくる赤ちゃんもお母さんも
 皆から祝福される状態でいてほしい。
 本来、新しい命を宿すことは素敵なことのはずだから。

たったひとつの恋

2007年01月27日 11時37分26秒 | テレビ鑑賞
■のりぞう的2006年秋クール5位
■土曜21時放送
■出演:亀梨和也、綾瀬はるか、田中聖、
    平岡祐太、戸田恵梨香、要潤
■ストーリ
 横浜元町の大きなジュエリーショップの娘で
 みんなに愛されてスクスクと育った女の子
 ナオ(綾瀬はるか)。
 父親は小さい頃に亡くなり、場末の傾きかけた
 町工場を継ぎ、母と体の弱い弟を支えて
 何とか生きてきた息子ヒロト(亀梨和也)。
 ふたりは出逢い、やがて恋に落ちる。

■感想
 妹がすっかりはまっていたドラマです。
 のりぞうもキャスト陣は大好きでした。
 男女問わず、綺麗な人って大好きです。
 見てるだけで幸せ気分を味わえます。
 特にこのドラマで主役の綾瀬さんの親友を演じていた
 戸田さんは、いかにも優等生風な顔が大好きなのです。
 それに、主役の亀梨君の親友にも関わらず、
 亀梨君と同じくヒロインに思いをよせてしまった平岡くんも
 お年寄りからもかわいがられそうな好青年風の顔が大好きです。
 あ、あと、家族思いでヒロインを思う存分、甘やかしていた
 綾瀬さんのお兄さん役、要さんも
 仮面ライダー時代から見守り続けているのです。

 というわけで、妹と一緒のときは、きゃーきゃー言いながら
 このドラマを見てました。
 どのシーンを見ても大好きな役者さんが画面にいるって素敵。

 が。しかし。
 ドラマとしては、まったくはまることができず。
 ダメなんです。こういう甘々のラブストーリ。
 見てて、むずがゆくて仕方がないんです。
 もう、ひたすら恥ずかしいんです。
 というわけで、2話目で挫折。(はやっ!)
 でも、妹のために保存版を録画し続けたので
 CMカット作業を行いながら、早送りでちらちらと見ました。
 ・・・・うん。やはり無理。
 音声がなくても恥ずかしい。
 科白が入ると、余計に恥ずかしい・・・・。

 恋愛体質には程遠い自分を実感した作品です。

きいろいゾウ/西加奈子

2007年01月27日 11時25分35秒 | 読書歴
■ストーリ
 夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。
 お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う仲のよい夫婦が、
 九州の片田舎にやってきた。
 背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、
 どこか頼りなげで、ふわふわしていてつかみ所がなくて、
 その上、犬の声や周りの草花の声や木々の囁きや夜の大気の声まで
 聞こえてしまうツマをやさしく見守る。
 しかし、背中の大きな鳥に纏わるある出来事を機にムコさんは
 ツマを残して東京へ向かってしまう。

■感想 ☆☆☆☆
 ゆったりとした時の流れと暖かい感情のやり取りに
 思わずこみ上げるものを感じながら読み終えた。
 というよりも、思う存分、こみ上げるものを
 体外に出し切った。暖かい感情が切ない。
 そんな小説だった。

 都会の喧騒が嘘のような田舎町で紡がれている日常生活。
 少々ぼけているおばあさんや寝たきりのおじいさん
 いつもチャックをあけっぱなしのおじいさんや
 挫折を味わった漫才師「つよし・よわし」や
 登校拒否の小学生、大地君がムコさんとツマの日々に
 自然に溶け込み、彼らの毎日を彩る。
 確かな愛情でつながれているかのように見えて、
 大事なことをちっとも共有していないふたりの絆は
 ほつれたり、こんがらがったり、きれそうになったり
 またしっかりと結びなおしたりの繰り返しだ。
 けれど、夫婦なんてそんなもんなんだろうな、と思う。

 ムコさんの同僚、平木直子も言う。
 夫婦の幸せなんて外から見ても分からない。
 本人たちにもすぐには分からない。
 ひどい旦那だと思い続けていても、人生の終わりを
 迎える頃にしみじみといとおしく振り返ることもある。

 何が幸せかなんて、結局のところ、本人にも
 すぐには分からないものなのかもしれない。
 けれど、ふたりが共有する「ここにいるとほっとする」
 という安心感はあたたかくて、あたたかいというよりも
 ややぬるいぐらいの感触で、読んでいて心地よかった。

 けれど、読んでいて私が最もぐっときたのは
 小学生の大地君がツマに書いて送ったラブレターだった。
 少し大人びていて、けれどもやっぱり子供で
 幼いなりに一生懸命、自分の気持ちをまっすぐ伝えてくる
 子供でしか書けないような手紙の文面が切なくて
 そんな手紙をもらえるツマさんの幸せを思って
 泣けて仕方がなかった。

がんばれるかな。がんばれそうかな。どうかな。

2007年01月27日 11時24分28秒 | 日常生活
ここを見てくださっている方々の中には
会社の方もいらっしゃるので、
こういうことを書くのはどうだろう、とも思うけど。

久々に真面目な話。
というよりも、単なる私のストレス発散を。
心の中のもやもやをここで吐き出してみる。

昨日は顧問と上司とのお食事会だった。
顧問は豪放磊落な方で、自分が正しいと思ったことは
立場が上の人にも弱腰にならずにきちんと意見を言える方で
グループ会社の中では、冗談半分に「カリスマ」と
呼ばれるほどの人だ。

「馬鹿が!」
「あほう。」
「なんや、これ?」
と、こわもての顔に渋いしゃがれた声で
こんなふうにお叱りの言葉を受けた方も多い。
私は顧問に直接、報告するような立場ではなかったので
いつも周囲の先輩が怒られたり注意を受けたりする姿を見ていた。
顧問を慕う方は社内外を問わず、多い。
今も会社に顔を出されたときには、多くの社員が
笑顔で駆け寄っていく。それぐらいに信頼の厚い方だ。

そんな顧問と初めてゆっくりと話す機会が持て
企業についての顧問の考えを伺うことができた。
勿論、お食事をしながらだったので
雑談交じり、冗談交じり、何から何まで真剣に話していたわけではない。
それでも、話を伺っている最中に
なんだか泣きたいような気持ちに襲われた。
顧問がなぜあんなに先輩方に慕われていたかがよく分かった。

私は会社の間接部門にいる。
間接部門の社員は直接、利益を生み出すことはない。
直接、お金を稼ぐのは直接部門の社員であり
間接部門の社員は直接部門の社員が仕事をしやすいように
万全の体制でサポートを行う。
また、どうしても目の前の仕事で頭がいっぱいになりがちの
直接社員に代わって、会社を全体で捉え、
今後の方向性を見極めていく役割も持っている。

ここ数年、ずっと私が感じていたのは無力感だった。
私のやってること会社にとって本当に必要なことなのか。
やらなくても成り立つことなのではないか。
むしろ、お願いしていることは、直接部門の方々の
負担になっているのではないか。

やってもやらなくても同じ、ではない。
やらないほうがいいこと、なのではないか。

そんな気持ちが渦巻いていた。

けれど、顧問の話を伺って、ほんの少し救われた。

・企業が大きくなるためには、間接部門が
 しっかり機能してないといけない。
・教育なんて、すぐに答えがでるものではない。
 5年後、10年後にようやく結果が見えるもの。
・間接部門員は卑屈にならず、直接部門の幹部社員と
 対等に会話をしなければいけない。勿論、そのために
 自己研鑽をし続ける必要はある。
・直接部門と間接部門の役割は全く異なるのだから
 直接部門の幹部社員に「現場を知らないくせに」と
 言われてもひるむ必要はない。直接部門の幹部社員が
 間接部門の業務を行えるかというと、そうでもない。

ここ数年、ずっと言われてきていたこと
その言葉に反発をしながらも明快に反論することができず
もやもやと心にたまっていたことに対する回答が
顧問との会話の中にたくさん潜んでいた気がする。
できることなら、もっともっといろんな話をしたかった。
もっと現状をじっくり話してアドバイスをいただきたかった。

けれども、それは「逃げ」なのかもしれない。
自分の仕事内容を認めてくださっている方に話を聞いてもらって
耳障りの良いアドバイスをもらおうとしているだけのような気がする。

ただ、心から思ったこと。
人間、認められてないとモチベーションもあがらない。

現場のことがまるでわかってない。
教育の結果が出てない。
現場に迷惑をかけている。
足をひっぱっている。

そういう風に言っているようにしか思えない言葉を
かけ続けられると心はどんどん卑屈になる。行動は萎縮する。
勿論、認められていない状況は
全て今までの自分の行動の結果だ。
それでも、マイナスの言葉の発信から
プラスの結果は生じるはずがない、と思った。

正直、今の状態でどこまで頑張れるのか分からない。
でも、これが企業なんだとも思う。
いろんな考えの方がいらっしゃって、
それぞれが自分の考えを仕事に反映させる。
その中でどう自分のモチベーションをあげていくか。
それが仕事をする上で必要な個人の能力なんだと思う。
認められているときは楽しく仕事ができる。
けれど、いつまでも同じメンバーで同じ考えの下
働く環境にあるわけがない。
考えが異なる人の中でどれだけがんばれるか。
自分で自分のモチベーションをどれだけ維持できるか。
それが大切で、なおかつ難しいことなんだと思う。

やはり、いろんな人と話すことは大切。
自分の立ち位置が見えてくる。
思わぬところで自分が悩んでいたことに対する回答ももらえる。
私は昨日の夕食会で「自分が悩んでいたこと」と「悩んでいた理由」
そして、そこにいたるまでの背景に気付くことができた。
自分の現在の心境を客観的に捉えることができた。

だからといって、明日からすぐに変われるか、というと
それはそれでまた別の問題、なんだけれども。
でも救われたことは確か。
とりあえず、あと2ヶ月はここで頑張れそうな気がする。

さて、思う存分書いてすっきりしたので
この記事が早く下に行くように
集中的に日常雑記と読書感想文をアップします。