のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ハケンの品格

2007年03月15日 21時45分45秒 | テレビ鑑賞
■のりぞう的2006年冬クール1位
 ・・・・今回見てるものどれも1位です。
 「すっごい好き!」っていうドラマはなかったのです。
 寂しいなぁ。
■水曜22時放送
■出演:篠原涼子、加藤あい、小泉孝太郎、
    大泉洋、白川由美、松方弘樹
■ストーリ
 派遣社員として特Aランクの評価を受ける大前春子(篠原涼子)
 は3ヶ月契約で、丸ノ内にある食品会社『S&F』のマーケティ
 ング課に雇われる。社内の人間関係に頓着せず、与えられたノル
 マを淡々とこなし、相手構わず言いたいことを言う。契約した事
 以外は一切しない。休日出勤はしない。残業は一切しない。
 そんな彼女に周囲は振り回されつつも、徐々に認め始める。

■感想
 ついていけるところとついていけないところ
 両極端に別れるドラマでした。
 基本的にはこういう何も考えずに楽しめるコメディは
 好きなんですが、それでもあまりに誰も仕事をしてない会社の
 風景やコミュニケーション能力を度外視した主人公に
 ひいてしまったことも。

 なのに毎回楽しみに見ていたのは篠原さん演じる主人公と
 大泉さん演じるハケンを嫌う営業部主任の丁々発止の
 やりとりがテンポよく、面白かったから。
 いつもいちゃもんつけてばかりなのに、大前さんのことが
 好きなんだろうなぁ、素直になれないだけなんだろうなぁ
 と感じさせてくれる大泉さんの演技は大好きでした。
 勿論、大泉さんの劇団仲間、安田さんにも大注目。
 ベタなまでにオーバーリアクションで正社員に頭が
 あがらないハケンのコーディネータさんをコミカルに
 演じてくれてて大満足。
 舞台出身の方々ってコミカルな演技がうまいなぁと
 改めて思いました。シリアスな演技よりもコミカルな演技を
 テンポ良く演じることができる俳優さんが大好きです。

 そして、小泉孝太郎さん。
 彼の演じる優しすぎて他人のことを一番に考えてしまう
 できない社員に何度癒されたことか。
 「迷子の子犬のような表情」は彼のここ最近の役の中で
 一番のヒットでした。

 と、結局は心行くまで楽しんでました。
 ただ、小松正夫さん演じる嘱託社員の雇用期間延長に関する
 話のときだけは、最初から最後まで納得いきませんでした。
 見ている間中、苛々してました。
 今、企業で働いているからこそ、分かること、納得いかないとこ
 楽しめるところが多いドラマだったのかもしれません。

 ・・・・いや、自分の社会人経験を「ドラマを楽しむ」ため
 の経験にしていいのかどうかはおいといて。 

サラシナ/芝田勝茂

2007年03月15日 21時40分23秒 | 読書歴
■ストーリ
 大切に育てていたひょうたんのツルを間違えて切って
 しまったときからサキの夢の物語は始まった。現実の
 ひょうたんはツルを切ってしまったのに、夢の中の
 ひょうたんはどんどん成長していく。
 そして、そのひょうたんはサキを古代の日本へと導いた。
 そこで不破麻呂という男に出会い、恋をしたサキは・・・。

■感想 ☆☆☆☆☆
 貪るように読んだ。ラストで泣いた。
 今も思い返すと胸がぎゅっと掴まれるような切なさを感じる。
 それぐらい物語の中に入り込んだ。
 児童小説なので2時間もあれば読める。
 2時間ぶっつづけで読みたいと願うほど、物語の世界は魅力的だ。

 日本の奈良時代にタイムスリップした少女は
 そこでその時代の姫君の人格に入り込み、身分の違う男に
 恋をする。恋をするわけではない。彼女は既に恋に落ちていて
 彼を探すためにタイムスリップしてきたのだ。

 たったひとりの人を探してさまよい続ける魂と
 どんなに恋い慕っても生きる時代が違うために
 結ばれない思いが切ない。
 現代の記憶を失っていたヒロインが
 自分の正体を思い出したとき
 そのことを愛する人に告げるとき
 愛する人が運命を静かに受け入れるとき
 私は物語の中の二人の運命を心底呪った。
 なんで?こんなに求め合っているのに。
 こんなに心穏やかに暮らしているのに。
 周囲の人たちも二人の未来を心から祝福しているのに。

 けれども私たちは自分の今立っている世界で
 心落ち着ける風景を探さなければいけないのだと思う。
 「人と人とのつきあいはなりゆき。」
 流れに身を逆らうのではなく、その流れの中で
 自分がいかに過ごしやすくできるか、自分と同じ
 流れに身を乗っけてくれる人を探せるか。
 それらが私たちの人生を豊かにする秘訣なのかもしれない。

 それでも現代に戻ってきた主人公が奈良時代の歴史の中に
 自分がであった人々、愛した人々、大切に思った人々を
 探す様子は寂しくてたまらなかった。