のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

6月の読書

2009年07月07日 22時58分39秒 | 読書歴
54.迷子の眠り姫/赤川次郎
   ☆☆
   体育の日、誰かに川へ突き落とされ、「あの世」へ行きかけた
   高校生の里加。生き返って目を覚ますと、不思議な「力」が
   そなわっていた。一体誰が里加をつき落としたのか?
   単身赴任の父や妹の秘密、ボーイフレンドや友達を巻き込む
   幾つもの危機。

   という、「いかにも赤川さん」の青春ミステリ。爽やかで
   青春小説でからっとした気持ちで本を置くことができます。
   おそらく疲れがたまっていたのでしょう。
   私にとって、バロメータにもなっている赤川作品。
   疲れているときの赤川帰りなのです。
   いつだって前向きで明るくて、でも節度を持って清く正しい
   高校生であろうとする赤川作品の主人公たちに触れていると
   元気が沸いてきます。

55.その女の名は魔女/赤川次郎
   ☆☆
   生まれながらの霊感体質で幽霊を呼び寄せる類まれな
   バスガイド、町田藍。彼女が添乗する「すずめバス」の
   「怪奇ツアー」は、今日も大人気。幽霊が出る旧家の土蔵、
   本物の亡霊が現れる『ハムレット』の舞台、魔女が
   火あぶりにされ、今も恨みが残っているという村。
   藍がそれぞれの怪奇現象の謎を解くうちに明らかになる
   幽霊たちの悲しさ、淋しさ。

   「霊感バスガイド」シリーズ第二弾だそうです。全5編からなる
   連作短編集です。連作短編集は一遍一遍が短くて読みやすい
   うえに、全体としてはつながっているために登場人物たちに
   深みが出て(愛着も沸いて)非常に好みです。
   ただし、この作品はあくまでも「幽霊」が主人公。
   ヒロインの藍は脇役に徹しているため、あまり出番は
   ありません。このシリーズもまだまだ続くのかな?
   久々に三毛猫ホームズなんかも読みたくなってきたかも。

56.ワーキング・ホリデー/坂木司
   ☆☆☆
   夏のある日、ホストクラブで働く元ヤン・沖田大和のもとに
   突然、息子と名乗る小学五年生の進がやってきた。
   息子の教育上、ホストはよろしくないため、大和は昼間の
   仕事である宅配便のドライバーへ転身する。正義感に溢れ、
   喧嘩っ早くて義理人情に篤い大和。
   家事にたけて口うるさい、おばちゃんのような中身の進。
   仕事や仲間を通して、二人は絆を深めてゆく。

   いかにも坂木さん、といった優しさに満ち溢れた作品。
   世の中色々と殺伐としてきてはいるけれど、でもきっと
   まだまだ優しさとか暖かさはこんなにも人間に満ち溢れて
   いるんじゃない?という作者の声が聞こえてくるような作品です。
   少し甘いんじゃないのかな。世の中、こんなふうに
   「いいことばかり」じゃないと思うんだけど。とも思うけれど
   世の中を、人と人との絆や縁を徹頭徹尾信じようという
   決意に満ち溢れた作品は心地よいです。
   「家庭」には「食事」が必要不可欠なんだな、と思わされる
   作品でした。そして、宅急便の方々へは、心からのお礼を
   伝えようと決意しました。

57.泥流地帯/三浦綾子
58.続・泥流地帯/三浦綾子
   ☆☆☆☆☆
   大正時代の北海道で厳しい自然と共に生きる農村の人々。
   拓一と耕作の兄弟は、幼い日に父と死に別れ、母とも別れて
   暮らさなければならなくなる。厳しい現実の中、ふたりは
   祖父母のもとで自然と正面から向き合いながら前向きに生き、
   成長していく。しかし、そんな中、自然は容赦なくふたりに
   そして、開拓地域に襲い掛かる。

   「神の不条理」というキリスト教をテーマにした作品ですが
   非常に読みやすく、そして、人生について考えさせられる
   作品でした。
   どう生きるべきなのか。
   正しい、とはどういうことなのか。
   私たち人間は何のために生きているのか。
   誰のために生きているのか。
   そういった普遍的なテーマを平易な日本語で、胸に迫る
   言葉で描いてくれています。
   こういった先駆者の苦労があって、今の日本がある。
   そういったことに改めて気付かされました。

59.あ・うん/向田邦子
   ☆☆☆☆*
   昭和初期の山の手を舞台とした、製薬会社サラリーマンの
   水田仙吉と仙吉の親友で実業家の門倉修造、門倉に慕われる
   仙吉の妻、たみ、仙吉夫婦の一人娘さと子、そして門倉の愛を
   得られぬ妻の君子を中心とした支那事変前夜の昭和の人々の
   暮らしを描いている。

   初読です。向田さん大好きなのに、初めて手に取りました。
   案の定、素敵なお話でした。向田さんが飛行機事故で
   お亡くなりにならなければ、まだまだ話は続く予定だった
   そうです。残念でなりません。
   今はもう完全に失われてしまった昭和の香りが、あの時代の
   品の良い恋愛が、本全体から漂ってきます。
   いつから恋愛は「若者のもの」になってしまったんだろう。
   いつから大人たちが若者と張り合って若作りをするように
   なったんだろう。そういった疑問を覚える作品でした。
   大人ならでは、の苦さと甘さが詰め込まれた恋愛が
   非常に切なく、それ以上に魅力的です。
   2000年にTBSでリメイクされているようですが
   その際の役者陣が私にとっては、非常にしっくりくる
   方々ばかりでした。ぜひ再放送して欲しいです。熱烈希望。

   水田 仙 吉:串田 和美 / 水田 たみ:田中 裕子
   門倉 修 造:小林 薫  / 門倉 君子:樋口可南子
   水田 初太郎:森繁 久彌 / 水田さと子:池脇 千鶴

60.賢治の学校/鳥山敏子
   ☆☆☆
   教育の理想のかたちが「賢治」の中にある。宮沢賢治の作品や
   生き方を通して、子どもの教育にとって大切なものは何かを探り、
   その実践の場としての「賢治の学校」を語る。

   宮沢賢治の小説の一部は好きですが、一部は「よくわからん。」
   と思っていました。小学校の国語の教科書に掲載されていた
   「やまなし」の詩なんて、まさにその代表。
   あの授業では散々、苦しめられた気がします。
   この本を読むことによって、未だにこんなにも鮮やかに覚えている
   「やまなし」という詩の魅力について、考えさせられました。
   心に爪あとを残す詩。作品。
   賢治の紡ぐ言葉が持つ力の源は一体、なんだろう。
   賢治の作品だけでなく、生き様に興味を持ちました。

61.臨場/横山秀夫
   ☆☆☆*
   辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、倉石義男。その死体に
   食らいつくような貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、彼には
   「終身検視官」なる異名が与えられていた。
   誰か一人が特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、
   倉石の異質な「眼」が事件の真相を見抜く。

   さすが横山さん。はずれのない作品です、。堅実に楽しめる作品、
   「単なる2時間もの」にはしない迫力があります。短編なのに
   しっかりと人間を書き込んでいる作品にいつも、感嘆します。
   ドラマも見たかったな。

今月は非常に読書量が少なくなってしまいました。
図書館に行けていないのが大きいのかな。
来月はもう少し本とオトモダチになりたいな。

七夕

2009年07月07日 22時45分36秒 | 日常生活
駅の改札を出ると、笹の葉がさらさらしていました。
本日は七夕です。

七夕になると思い出すのは小学1年の担任の先生。
あの頃は年齢なんて気にしたことがなかったけれど
おそらく50代過ぎの年配の女性の先生でした。
厳しく暖かく、私たちを見守ってくれていて大好きだったっけ。

その先生が七夕の日に
「今日は高校時代の友人と同窓会なのよ。」
と教えてくれたのです。

毎年、七夕の日に高校時代の友人と集まるんだとか。
ただし、晴れた年のみ。
織姫と彦星が会えなければ、
自分たちも大切な友人たちとは会わない。
そういった取り決めで同窓会を毎年、企画しているんだとか。

おそらくお盆やお正月に同窓会を別途したうえでの
七夕同窓会だとは思うのですが
「織姫と彦星と同じシチュエーション」
というのが幼心に非常に印象的でした。

本日、小倉の町は快晴です。
見上げれば夜空に星もちらほら。
きっと先生も大好きな友人たちとお酒を飲んでいるはず。

蛙の子はカエル

2009年07月07日 19時41分01秒 | 日常生活
母上の友人から、
「お中元を送ったよー。」
という電話をいただきました。

まあ!ありがとう!
でも、お中元なんて必要ないのに。
そんな畏まった間柄じゃないはずなのに。
とお礼の言葉を伝えながらしきりに恐縮する母上。


電話を切った後、己の淡白な人間関係について、
暫し反省のひとときを持つ母上。

「いかんよね。
 たまにはこちらから遊びに行ったり連絡とったりするようにしよ。
 『そろそろ忘れられてる気がして。思い出してもらわないかんと思って。』
 っち言われたんよ。
 こんなんやけん、私、友達が少ないんよね。」



なるほど。
この親にして、このムスメあり。

大人の階段

2009年07月07日 00時20分37秒 | 日常生活
後輩から
「のりぞうさん。水曜日あいていますか?
 部署開催とは別に、ハル先輩の送別会を
 こじんまりとするんですけど参加しませんか?」
とお誘いを受けました。

いいですねー!
こじんまりって、メンバーはどなた?

とりあえずメンバーを確認しましたが、
メンバーを聞くときは
「どのメンバーであれ、行きます!」という決意の表れなのです。
メンバーを聞いた後にお断りするのはちょっとムズカシイですから。

行きます♪行きます♪
楽しみにしています♪

と、二つ返事でお誘いを受けたところ、
あまりの快諾っぷりに、後輩がたじろぎました。

「・・・のりぞうさん。
 スケジュール帳の確認とか・・・しなくていいんですか?」

いいんです。(きっぱり)
確認する間でもなく、今週の予定はすかすかなのです。
予定?何それ?日本語?てなもんです。

やんわりとたしなめる後輩。

「のりぞうさん。女性には演技力が必要なんですってば。
 スケジュールなくても、あえてスケジュール帳を見て
 『うん。その日なら大丈夫。』とか
 『うん。このスケジュールならこの日に移せるかな。』
 とか言ったらかっこいいのに。」




なるほど。
世の中の女性陣は、そういった演技力も身に着けて
日々オトナのジョセイになっていっているのね。
勉強になります。