のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

五右衛門ロック

2009年09月23日 23時09分43秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■劇団新感線2008年夏公演「五右衛門ロック」
■脚本:中島かずき
■演出:いのうえひでのり
■キャスト
 古田新太、松雪泰子、江口洋介、川平慈英、橋本じゅん、濱田マリ
 北大路欣也、粟根まこと、森山未来、高田聖子

■ストーリ
 豊臣秀吉の時代、稀代の大泥棒・石川五右衛門(古田新太)は
 役人・岩倉左門字(江口洋介)らの手でお縄となり、釜茹の刑に
 処されるが、謎の美女、真砂のお竜(松雪泰子)に助けられる。
 そこに現れたのは、南蛮人ペドロ・モッカ(川平慈英)たち。
 彼らに乗せられた五右衛門一味は、南の果てのタタラ島に眠る
 神秘の石「月生石」を求めて船出する。
 しかし彼らを追う左門字もろとも猛烈な暴風雨が襲い、南の島に
 流れ着いた彼らを待ち受けていたのは、タタラ島国王、
 クガイ(北大路欣也)だった。
 月生石を狙う五右衛門一味、五右衛門を追いかける左門字、
 月生石と島を守ろうとするクガイ、グガイを倒そうとする元手下の
 ボノー将軍(橋本じゅん)とその妻(濱田マリ)、母親を殺した
 父親を憎み続け、復讐を誓うクガイの息子カルマ(森山未來)、
 そして、すべてを裏で操る死の商人、ペドロ。
 様々な人々が入り乱れ、タタラの最後の戦いが始まる。
 果たして、五右衛門の運命やいかに!

■感想 ☆☆☆☆☆☆
 約1年ぶりの新感の舞台。
 3時間半という上映時間に恐れをなし、危うく諦めるところだったが
 いざ見てみると、まったく長さを感じさせない舞台だった。
 開始と同時に舞台に引き込まれ、そのまま舞台上の登場人物と
 共に過ごすことができた3時間半だった。

 新感線の公演の中でも特に音楽にこだわったというこの舞台。
 生バンドが舞台の上で演奏し続け、その音楽に合わせて役者が
 歌い上げるミュージカルスタイルだ。しかし、流れる音楽は
 すべてロック。迫力満点のロックに乗せ、歌あり踊りあり、
 おちゃらけあり、笑いも涙も勿論、あり、のスペシャルな舞台。
 「夏公演」ならではの「お祭り気分」あふれる
 贅沢なエンターテイメントだった。
 その壮大な舞台に鳥肌が立ちっぱなしの3時間半。

 特に主役を演じる古田新さんのかっこよさが際立つ。
 舞台を見るたびに、そのかっこよさと色気、身のこなしの美しさに
 くらくらする。普段、テレビで見る彼と舞台上の彼はまったくの
 別人ではないかと思うほど、舞台で映える役者さんだと思う。
 そして、様式美を追求した「いのうえ歌舞伎」の身のこなしが
 最も似合う役者さんだと思う。

 勿論、ゲスト陣、そして新感線の看板役者さんたちも
 彼に負けない熱演を繰り広げている。
 狭い舞台の中を縦横無尽に駆け抜け、暴れまわる。
 特に濱田さん、高田さんの歌唱力、森山さんの声の力強さ、
 川平さんの1秒たりともじっとしない身のこなしと
 そのバイタリティは圧巻。ミュージカルの似合う役者さん、
 というのは確かにいるのだと思った。
 そして、橋本さんのキュートな小悪党ぶりときたら!
 彼ほど小悪党が似合う役者さんはいないんじゃないかな。
 憎めない「ちっちゃい」オトコをくどくキュートに演じていた。

 この迫力を一度、生でも見てみたい。そう思わせてくれた舞台。
 来年のゲキ×シネも楽しみだ。

異議あり!

2009年09月23日 11時48分03秒 | 日常生活
鹿児島ではとんこつラーメン、黒豚肉まん、
黒豚とんかつ、黒豚豚骨煮込み・・・。
とにかく黒豚三昧の三日間でした。
豚、おいしー!幸せー!!と、ほくほくしっ放しの三日間。

特に二日目の黒豚とんかつは、
鹿児島で働いていた友人の先輩からお勧めされ、
鹿児島在住の友人も「あそこ、おいしいよね。」
と共感してくれたお店で、期待通りの美味しさでした。
山奥まで来た甲斐があったなぁ、と幸せ気分でとんかつを食べ
そこで鹿児島在住の友人とちびっこちゃんたち2名と
お別れをすることになりました。

本当にこんな大変な時期のちびっこちゃん2名をつれて
よくワタクシたちに付き合ってくれたよなぁ、と心から感謝しながら
別れを述べていると、友人が
「でも、明日の朝ごはんとかは?
 調達して帰るんでしょ?」
と心配してくれました。

確かに!
朝食を調達してから帰らないと。
なんせ、ペンション近くには、お店がまったくないのです。
ペンション近くどころか、霧島神宮近くに
朝食を調達できるようなお店がまったく見当たりません。

大慌てで、夕食をとったお店に
近くにコンビニがないかを尋ねます。

「お店を出て、左に行くと、ローソンがありますよ。」
という申し出にほっとしつつ、
歩いていけるか確認したところ
「無理です。無理です。
 車がないと、難しいです。」
という連れない答え。

そうですかー。車がないと無理ですかー。
しょぼんとしていると、
「でも、右側に行くと、下村商店というお店がありますよ。
 コンビニに比べると、小さいですけど、
 パンとかお菓子だったらありますよ。
 それに、そこだったら十分歩いていけます。」
と、天の助け!とバンザイしたくなるような回答がもらえました。

ありがとうございます!
お店を出てから右ですね!

とお礼を言い、友人たちに伝えます。
鹿児島在住の友人は、やや不安そうに
「大丈夫?本当にいける?」と心配してくれましたが
お店を出て右に行くだけだとお店の人もおっしゃっていたし
歩いて行けると太鼓判押してくれたし、大丈夫!
ちびっこちゃんたちも一日遊んでぐったりしているはずだから
早く家に帰ってあげて!今日は本当にありがとう♪
とお礼を言って、そこでお別れをしました。

朝食目指して、意気揚々と右に出発したワタクシタチ。
なにせ、計画的に行動することを学び始めたので
タクシー会社に前もって電話し、
30分後に5名乗れる中型タクシーを
下村商店前に迎えに来ていただくようお願いしました。
ふふふん。これで、もうばっちり。
宿でのお風呂でのんびりタイムまであとわずかです。

計画的に行動しているせいか、気持ちに余裕があるワタクシタチ。
緑も深い山奥の車道を5名が縦に並んで歩きながら
道沿いにあるお店の「峠の茶屋」という店名に
「本当に「峠の茶屋」という言葉がぴったりだよね。
 こういうところを峠って言うんだよね。」
と納得しながら、山道を楽しみます。
こういうところに来ると、つくづく実感する己の都会育ち。
ワタクシたちにとっては、「峠」や「深い山」すら非日常で
その珍しさに感じ入ってしまうアイテムなのです。

しかし。
だんだんと峠や深い山に感じ入っている場合では
ないような気がしてきました。
刻一刻と暗くなってくる山道に不安が濃くなってきます。
カーブを曲がるたびに、お店の明かりを期待しますが
そのたびに、ワタクシたちの前に広がる真っ暗な山道。
「もしかして、あそこかも!」
と期待できるようなところもまったく見当たりません。
光というものが微塵たりとも見えないのです。
期待のしようがないっつーに。

次のカーブを曲がり。
その次のカーブを曲がり。
その次の次のカーブを曲がっても
光に遭遇できない山道の中を縦に並んでとぼとぼと歩くアラサー女子5名。
「ローソンは歩いて行けないけど、
 下村商店だったら、歩いて行けますよ!」
という店員さんの言葉をただただ信じて前進しますが
曲がっても曲がっても広がる暗闇。

・・・・歩いていける?本当に?
もう結構、歩きましたよ??
どこにも光というものがありませんよ?

すぐそばを車がひっきりなしに通り抜けますが
その車の光がなければ、前を歩いている友人の姿さえ
見失いそうな暗闇ですよ?
お店?何それ?と言いたくなるような場所ですよ?

ようやく。
ようやく山道に終わりが見え、ふもとが見えてきました。

が。
見晴らしの良い道を見る限り、お店らしきものは近くに見えず
見えるのは信号の光ばかり。
お店らしき光が見えるのは、はるか遠くのあたりです。
見晴らしの良い絶望的な景色に気持ちをくじかれ
タクシー会社に改めて電話をしなおしました。

「あのう。先ほど、下村商店前に19時に
 タクシーをお願いしたものですが。
 今、下村商店を目指しているんですが、
 どこにも見当たらないんですよ。
 ・・・どうしましょうか。」


・・・え?相談?
タクシー会社の人も困ると思うよ?

しかし、さすが地元タクシー会社。
てきぱきと的確な回答を戻してくださっている模様。

「・・・はい。はい。下村商店です。
 え?!ない?下村商店がない??
 え?じゃあ、私たち、どうすれば??」

うわぁ。なんだか衝撃的な展開っぽい。
下村商店が見当たらない?
なぜ?理由はよく分からないものの、
下村商店らしきものは近くにまったく見当たらないと言われ
とにかくそこで待ってるよう指示を受けました。

はい。待ちます。待ちますとも。
だって、待つ以外、できることがありませんもの。
もう、この暗闇の中、あの山道を戻っていくこともできません。
おとなしく待っています。

タクシー会社の方との電話を切った途端、友人がぽつりと呟きました。
「なんで・・・。
 なんで、私たち、一瞬一瞬を真面目に生きているのに
 なんでこう、どたばたした人生を歩むことになるのかな。
 もっとこうスマートな旅ができてもいい年代なのに。」

そのぽつりとした呟きに走馬灯のように蘇る
今までの旅の数々。
ワタクシタチ、何回、こうやって山道で迷子になったことか。
何度、暗闇の中をお店求めてさまよったことか。
何度、途方に暮れ、何人の人に助けられたことか。

ていうか、毎回じゃない?!
旅に出るたび、毎回のように同じシチュエーションに遭遇していない?!

その証拠に。ほら。
5名のうち、誰一人として、動揺していません。
なんとなく漂っていた「もしかして。」という空気が
「やっぱりね。」という空気に変わっています。
あまりに予想通り過ぎて、
なんだか懐かしい展開に遭遇したようなデジャブ感すら漂っています。

20分後。
タクシーの運転手さんに拾われたワタクシタチ。
「どこか朝食を買えるお店に寄ってから
 ペンションまでお願いします。」
とお願いすると、
「じゃあ、ファミリーマートに寄って行こうかね。」
と快く車を走らせてくれました。

わーい!さすがタクシー!
なつかしのコンビニに久々の遭遇です。

3分後。
タクシーの運転手さんが
「さあ、どうぞ。」
とワタクシタチを降ろしてくださったのは、
「下村商店」の前でした。

世の中、面白いことが満ち溢れています。

到着してません。

2009年09月23日 00時19分51秒 | 日常生活
鹿児島旅行二日目は、今回のメインイベントだった
鹿児島在住の友人と友人のちびっこちゃんふたりに出会う旅でした。
ちびっこちゃん1号はいたずら盛り、
ちびっこちゃん2号はお母さんにべったり盛り。
ふたりを連れて回るだけでも大変な状況なのに
快く外出してきてくれた友人に感謝しつつ、
久々の再会を喜び合いました。

二日目は
1.霧島神宮に行き、会社の先輩からいただいたお守りをお返しする
2.カフェランチでのんびりする
3.立ち寄り湯でちびっことはしゃぎながら、まったりする
4.黒豚の館で黒豚を食す
としっかり予定を立て、計画的に移動します。

ふふん。
ワタクシたちだって、いざというときは
ちゃんと計画的に行動できるのです。
どんなもんだいっ。

と、鼻息荒く二日目の行動開始。
さすがシルバーウィークです。
どこもかしこも本当に人が多く、霧島神宮でさえ、まさかの行列!
大晦日並みの行列に驚きながら参拝をしました。
ワタクシも雰囲気を楽しむため、行列にならび、友人から
「それって、限りなく神様と認めている行動だよね。」
と呆れられながら、正面でお辞儀。

・・・ね。なんとなくね。
三つ子の魂っておそろしいね。
ワタクシの根っこの部分には
祖母や両親からの教えがしっかりと植えつけられていて
こういうのを素通りすることはできないのです。
お寺や神社、お地蔵様も大好きだし。
ま、いいのです。
信仰も人それぞれ。いろんな形があるはず。

参拝を済ませて、さあカフェランチに出発!
鹿児島在住の友人一家と落ち合い、
大人6名、ちびっこ2名の大所帯となったため
友人の車にひとり乗せてもらい、残りの4名はタクシーへ。
友人から教えてもらった「器カフェ」へ出発です。

場所がわかるかしら?と心配していたものの
さすが地元のタクシー運転手さん。
「霧島田町2390にある、器カフェへお願いします。」
とお伝えしただけで、
「はいはーい、」
とスムーズに出発してくださいました。

5分ほどタクシーに乗っていると、
もう1台の車に乗った友人から電話。
「ごめんね。1メーターぐらいで到着する近さやったけん
 もうすぐ着くと思う。歩いて行けるぐらいの距離やったけん
 タクシーに乗らんでもよかったよね。申し訳なかったねぇ。
 とにかく左手側を見よったら、見えるけん。」

へえ。そんなに近いんだ。
じゃあ、もうすぐ到着かな。

5分後。
・・・・1メーター?
もうとっくの昔に1メーター区域を越えてしまったけど、大丈夫かな?
どうも通り過ぎたんじゃないかな。
もしくは道間違えてるんじゃないかな。
でも、運転手さんは、まったく不安そうじゃないし。
まだまだ自信たっぷりの運転だし。
みじんたりとも、疑問を抱いてなさそうだし。

・・・でも、1メーター区域じゃないよね。
あ!また、メーターがあがった!!

と、思った瞬間、車が止まり、運転手さんからの衝撃の報告。
「あれ?オルゴールの森に着いたねぇ。
 行くのはどこやったっけ?」




・・・えーーーーーーーーーーーーっ!!!
途中、まったく質問することもなく
自信満々で車走らせてましたよね?

「おいちゃん、オルゴールの森と勘違いしとったわ。
 ここも霧島田町やけん。」

いやいやいやいや!
ここも霧島田町かもしれませんが、
明らかに「器カフェ」ではありませんよね?
まさか「道」どころか「行き先」を間違えていたなんて
「もしかして・・・」と不安に思っていた範疇を
軽々と越えていて、怒るよりも笑いが出てしまいました。
友人たちも同じ気持ちだったらしく
一同が思わず笑ってしまった、ちょうどそのとき。
ワタクシたちへ、既に器カフェに到着している友人たちから
再度、電話がかかってきました。

「もしもし?
 うん。うん。今、到着したよ。」
と、報告する友人A。

・・・到着してないよね?
確実に到着できてないよね?
ここは明らかに器カフェじゃないよね?

思わず突っ込みを入れるワタクシたちを横目に
マイペースを崩さない友人Aは、のんびりと状況報告を続けます。

「うん、うん。到着したと。
 ただね、到着したのが器カフェじゃないと。
 えっと。オルゴールの森についたけん。」

・・・ワタクシたちが行き先を伝え間違えたわけじゃありませんからねー!
そこんところも、きちんとアピールしといてー!

ワタクシたちの旅って、なぜこうもハプニングと縁が深いのやら。
と、来し方を振り返った二日目の正午。

「器カフェ」は霧島神宮から徒歩5分でした。
タクシー運転手さんも万能というわけではありません。
車が迷うことなく走り出したとしても
ゆめゆめ「無事に到着する」と、期待するべからず。
実際に到着するまでは気を抜いてはならないのです。