旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で 高山ラーメンとさるぼぼと深山菊

2014-01-04 | にいがた単身赴任始末記

朝食を抜いてきたので、真っ先に安川交差点近くの「甚五郎ラーメン」を訪ねる。
所謂 "高山ラーメン" は醤油ベースのスープにシンプルな具材、細く縮れた麺が特徴だ。

06:53、まだ陽が昇らない岐阜から、飛騨古川行き2両編成の気動車に乗車する。
岐阜から高山まで達する普通列車は午前中この1本だけだ。

岐阜から続く住宅と田園の風景は美濃太田まで。この先は飛騨川の渓谷を遡っていく。
渓谷といっても多くの水力発電ダムがあるため。渓谷美と水を湛えた風景が交互する。

列車は約2時間かけて下呂駅に滑り込む。ホームでは手湯が白い湯気を上げている。
下呂温泉は、草津温泉、有馬温泉と並んで「天下の三名泉」と称される名湯だ。

さらに飛騨川を遡ること1時間と少々。2両編成の気動車は高山駅に到着する。
上三之町から上二之町にかけて古い町並みを散策する。旨い地酒を求めるのが目的だ。
この界隈には五蔵が店を出している。利き酒をしながら巡るのも楽しい。

12:00。次走の猪谷行きに乗車する。高山を発って間もなく野も谷も雪景色となる。
となると当然雪見酒となる。高山で仕込んできた "深山菊 しぼりたて生" を開ける。
思わず買ってしまったお猪口に入った「さるぼぼ」が可愛らしい。

高山本線は高山の手前で分水嶺を長いトンネルで越えている。車窓の宮川は日本海に注ぐ。
90年代、長瀬智也と酒井美紀が主演したドラマ「白線流し」が人気を博した。
卒業式の日、学帽の白線とセーラー服のスカーフを一本に結び川に流すというものだ。
ロケ地は松本市だけど、実際は高山市の高校の行事、この宮川(支流大八賀川)が舞台だ。

レンガ造りのトンネルを抜けると富山県。2両編成の気動車はひっそりとした無人駅猪谷に終着する。
乗客は足早に、ホームの先で待つレールバスに乗り換える。ここからはJR西日本の管轄となるのだ。

軽快に駆け下りた富山平野には意外にも雪の気配がない穏やかなお正月だ。

レールバスが大きく右カーブすると左手から北陸本線が近づき併走する。
神通川鉄橋を渡ると終点の富山駅。北陸新幹線の真新しい駅舎が青空に白く輝いていた。

<40年前に街で流れたJ-POP>
恋の風車 / チェリッシュ 1974