旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

赤城山と風鈴電車と名物ひもかわうどん 上毛電気鉄道・上毛線を完乗!

2016-08-17 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 学生時代、浜田山に住んでいた私にとって、とても懐かしい電車に思いがけず前橋で再会を果たした。
井の頭線を走ったステンレス車両が上毛線を走っている。ちょっと寸づまりの2両編成に変身していたけどね。

JR前橋駅からホノルルで走っているようなシャトルバスに乗って10分。広瀬川の流れが洗う中央前橋駅が
上毛電気鉄道上毛線の起点だ。平日も休日も律儀にきっちり30分おきに、西桐生駅に向けて出発していく。 

雄大な赤城山の南麓を往く「風鈴電車」は竹編みの棚に朝顔を飾り、短冊に短歌や川柳がしたためられた
風鈴が提がっている。ローカル私鉄のガタゴトした走りは、風鈴を鳴らすには申し分のない揺れを起こす。
チリンチリンと風流にそして涼やかに電車は走る。 

 大胡駅は上毛電気鉄道の要の駅。昭和3年建築の大胡電車庫は国の登録有形文化財になっている。
木造板張りトラス構造は当時の姿を残す希少な建造物、入場券を購入するとスタッフが案内してくれる。

もう60歳を過ぎているであろうエンジニア氏が付きっきりで説明をしてくれた。ガチガチの鉄でない私には
難しい話もあるけど、この半鋼製の16mのデハという車両が動態保存されているのは希少なことだそうだ。 

 映画のロケにも使われるレトロな雰囲気の西桐生駅には浴衣姿の女の子、法被姿の男達が降立った。
どうやら「桐生八木節まつり」の最終日に出くわした様だ。町は「熱い」ことになっている。

パレード待ちの連をかき分けかき分け、創業120年余、桐生うどんの人気店「藤屋本店」を訪ねる。
暑くて熱い今日の桐生では、やっぱりビールかなってことでYEBISUを呷る。染みわたるってのはこのことだ。
名物 "ひもかわ" は、幅広、極薄、のど越しツルツル、コシが強く、モチモチの食感が美味しい楽しい。
お箸で程々に畳んで "とり南" のつけ汁でいただく。旨い。並んでも試したい桐生の味なのだ。

上毛電気鉄道・上毛線 中央前橋~西桐生 25.4km 完乗 

<40年前に街で流れたJ-POP>
ささやかなこの人生 / 伊勢正三 1976