旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

田園シンフォニーと栗めしと瑞鷹と くま川鉄道を完乗!

2016-10-12 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 国鉄湯前線は九州山脈の山々に囲まれた球磨盆地の木材輸送を担い、木材を積載した貨物列車が走った。
平成元年に第三セクターのくま川鉄道に移管されて現在に至っている。
起点はJR人吉駅と併設で、5・6番線を割り振られているのだが、駅名は人吉温泉駅と改称している。

人吉温泉(人吉)駅には、今では全国的にも珍しくなった駅弁の立ち売りがいる。
菖蒲豊實氏は「人吉駅弁やまぐち」の社長さん、知る人ぞ知る駅弁界のレジェンドだ。

ふたつ目の川村駅を出るとまもなく球磨川を渡る。球磨川第四橋梁は国の有形文化財で有名な撮影スポットだ。

人気の駅弁 "栗めし" は、栗型の容器に、かんぴょう入りの炊き込みご飯、ほくほくの甘い栗がのっている。
まずは付け合わせのおかずを肴に "瑞鷹" のワンカップを楽しむ。ほくほくの栗めしはあとのお楽しみだ。

     

"田園シンフォニー" の車両は、人吉球磨産ヒノキをふんだんに使用した、明るくやわらかい雰囲気だ。
これまたどう見ても水戸岡鋭治氏デザインと思われる観光列車なのだ。窓側に向いた座席やソファーシート、
テーブル付き対面座席が嬉しい。小さなバーカウンターや、人吉・球磨の物産品などを飾るショーケースもある。

3両編成の気動車は、およそ45分の旅でコスモスが揺れる終点湯前駅に、ガクンと揺れて終着する。
大正13年の開通当時に建設された湯前駅もまた国の有形文化財だ。
日本三大急流の球磨川も、くま川鉄道が寄り添う中流域では、ゆったりと流れるやさしい表情をしていた。

くま川鉄道 人吉温泉~湯前 24.8km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
哀愁のシンフォニー / キャンディーズ 1976