旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Forty three degrees north latitude 石勝線を完乗!

2017-10-22 | 呑み鉄放浪記

 錦に染まりつつある山肌に朝靄がかかって美しい新夕張駅あたり。 
2019年3月にも廃止される見通しの石勝線夕張支線は呑み潰しておきたい路線なのだ。 

国鉄夕張線が追分から夕張を結んでいた頃は「紅葉山」って美しい駅名だった。
札幌と帯広・釧路をダイレクトに結ぶ石勝線が開通した際、紅葉山は新夕張となった。 
夕張線は石勝線の支線となった。あと1年半後にその歴史に幕を閉じることになる。 

新夕張を出た単行気動車は直ぐに夕張川の鉄橋を渡る。 川は豊にゆったりと流れる。

夕張まで25分のあっけない旅、リゾートホテルの軒先のような単線の小さな駅で終わる。
往時は広い貨物ヤードに石炭を満載した貨車で並ぶ光景が想像される。 

ところ変って新得、根室本線と合流する石勝線の終点。駅前には「火夫の像」がある。
難所と言われた狩勝峠を走るSLで投炭する火夫(機関助士)の姿を再現したものだ。

朝・晩の寒暖の差がある冷涼な気候の新得は風味豊かなそばの生産地だ。 
「そば処 せきぐち」さんのそばはやや太め、あっさりしただし汁でいただく。
十勝名物の豚丼をサイドメニューに欲張ってしまったのだが、どちらも旨い。 

新得駅を出た列車は長大なS字を描いて狩勝峠を登って行く。
雄大な十勝平野を眼下に一望する眺めは、旧国鉄が制定した「日本三大車窓」のひとつだ。 
もっとも選ばれたのは廃止された旧線の方だが、この眺めだってきっと負けてはいまい。 

特急スーパーとかち6号をふたたびの新夕張で下車する。
新得~新夕張間は特急しか走らないから、乗り放題パスの特例で特急の自由席に乗れる。 

15分ほどの待ち合わせで夕張支線から走って来た千歳行きに乗り換える。 
JR線は基本的にローカル列車で呑み潰すのが、このゲームに課したルールだからね。 

単行気道車はゆるやかに続く勾配を石狩平野へと下りて行く。
左右には北海道らしい牧草地や牧場が広がる。数々の名馬を育てた社台ファームも右手に見える。 

追分駅では室蘭本線とクロスする。石勝線開通まではここが夕張線の始発駅でもあった。
ここから南千歳までは17キロ、途中に駅は無い。長い長い1区間だ。 

南千歳駅で下車。単行気道車を見送って、ほぼ北緯43°を往く石勝線の旅を終える。
3番ホームの下の0キロ標が、ここが石勝線の起点であることを教えてくれる。

石勝線 新得~南千歳 132.4km
新夕張~夕張   16.1km 完乗 

LAT、43° N ~forty three degrees north latitude~ / Dreams Come True