旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

呑み鉄放浪記「タワー・サイド・メモリー」 東海道本線を完乗!

2018-11-07 | 呑み鉄放浪記

 呑む「鉄」が東海道本線を往く2日め、大垣から神戸をめざす。

平日は大垣までの特別快速、土休日は米原まで足を伸ばす。
7時台の列車なのに満員、多くの乗客はきっと色付きはじめた京都をめざしている。
ディパックの中の缶ビールに出番はない。

烏丸口には「京都タワー」、朱のろうそくが秋の青空を突いている。

八条口のタワーは「東寺五重塔」、55mの高さは木造建築の日本一を誇る。
庭園の木々が紅や黄に染まりはじめている。

 

京都駅では30番ホームの「麺家さがの」で "豚天おろしそば" をいただく。
着席可能なキレイな店舗、味、値段、すべてが立ち喰いそばスタンドを越えている。
でも、京都も大阪も同じメニュー同じ味ではつまらない。美味しいけれど旅情不在だ。

ところで、東海道本線は米原からJR西日本の管轄となる。
京阪神区間は堂々12両編成の新快速で往く。次は大阪まで30分で駆け抜ける。

「浪速のことも 夢のまた夢」、秀吉が夢見た三国無双の大坂城はこの石垣の下に眠る。
森宮から天満橋まで大坂城内を抜ける。かかる距離と時間がこの城の壮大さを実感させる。

大阪駅まで戻って東海道本線のラストラン。最終ランナーの新快速で神戸へ向かう。 
ところで1・2番線の出発メロディーは故やしきたかじん氏の「やっぱ好きやねん」だ。
大阪愛が溢れている。

そして神戸。中央にステンドグラスの時計台、威厳あるレトロモダンなレンガ造りだ。 

 

5番線から新快速が発車すると東側の壁面に東海道本線のキロポストが見渡せる。
東京から589.5kmは東海道本線の終着点であり、山陽本線の起点でもある。 

駅を背に東へ10分も歩くと潮の香り、イルミネーションが美しいハーバーランドに至る。 

埠頭を挟んでオレンジ色にかがやく神戸ポートタワーがトーチの様な姿を水面に映す。

 

オフィス街に位置する神戸駅周辺の週末は静かだ。今宵は「まもるくん」で一杯。
白ワインはバルらしくスペイン産のベルデボ。

 

エントラーダは "蒸し鶏と揚げそばのシーザーサラダ"、"きんぴらごぼうの和キッシュ"。
この和キッシュ、最高に美味しい。チリ産の白はソービニョンブランを。
プラト フエルテは "てぽりたん"、鉄板ナポリタンってこと。〆はスペイン産モナストレル。 

 

少々呑み過ぎだったろうか?店の娘が階下まで送ってくれた。 
料理にも笑顔にも満悦至極のワイン酒場にめぐり会って、東海道本線の旅を終えるのだ。

東海道本線 東京~神戸 589.5km 完乗 

タワー・サイド・メモリー / 松任谷由美